短編集です。作者は幼いころに中国からアメリカに渡った中国系アメリカ人ですが、すべての作品に中国の悠久の歴史を感じました。
「草を結びて環を銜えん」は、美しく鳥好きだがいけずな遊女「緑鶸(みどりのまひわ)」の物語
虐殺時代の中で、彼女の機転によって何人かを救ったのに結局、味方の逆恨みをかって殺される。
小鳥に生まれ変われればいいとつぶやいていた緑鶸は、その後たくさんの小鳥となってさせずり
その中の1羽のマヒワが、生前大事にしていた翡翠の指輪を銜えていたという。
歴史の残酷な真実をたとえ歌で紡ぐという当時のやり方も印象的だった。
ちなみに生まれ変わった小鳥の中には、オウチュウ、ガビチョウなどもいて、オウチュウは日本ではめったに見られないので図鑑で調べた。
ケン・リュウ:中国系アメリカ人 1976年中国蘭州生まれ