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新型ビタミンDと骨粗鬆症薬:エディロール(調剤薬)

2012-07-10 | 調剤薬
骨粗鬆症対策薬も流行りがあるというか、盛んにBP(ビスホスホネート)薬が使われましたが、
その副作用が明らかになるにつれ、治療法も多岐にわたるようになりました。
忘れかけていた活性型ビタミンD3薬も、このところ新型が発売されて復活した感があります。

骨は、古くなったものを壊しながら(骨吸収)新しいものを作って(骨形成)代謝してるんだが、
従来の活性型VD3薬(アルファロール、ワンアルファなど)がカルシウム再吸収と骨形成促進だけだったのに対し、新型(エディロール)はそれに加えて骨吸収抑制作用ももち、骨密度低下を防ぐ力がアップして椎体骨折を防ぐのにとてもよい評価を得たんだ。

骨吸収抑制作用に優れるBP薬はその結果、骨質悪化を招いて小さな骨折が起こった場合に回復できなくなる危険性が言われていますね。

BP薬はVD3薬より骨密度アップに優れ、骨折リスクが高い人にはまず使いたい薬剤なんだ。
だが骨代謝がストップしてしまうので骨密度はアップしても骨質は悪化する。
それで、BP薬を数年使用したら、SERMやVD3を一年ほど使って骨代謝を促し、またBP薬に戻すという使い方がすすめられている。

綱渡り的ですがそんな方法しかないですね。

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※椎体:頚椎、胸椎、腰椎、仙椎
※骨代謝=破骨(骨吸収)+骨形成 
  加齢とともに骨形成スピードが落ち破骨が進むので骨粗鬆症になる。
  特に閉経後の女性は女性ホルモン低下により破骨スピードが増す。

カルシウムの吸収を助ける:カルシウム薬、ビタミンK2薬、活性型ビタミンD3薬
破骨作用を抑制する:新型活性型ビタミンD3薬 ビスホスホネート(BP)薬、
          選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、女性ホルモン薬
骨形成促進:副甲状腺ホルモン薬
骨粗鬆症の痛みを和らげる:カルシトニン薬
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ところで。
ビタミンというのは生体内で合成できない有機化合物のはずだが、
ビタミンDは、紫外線の刺激によって皮膚で合成されてるってこと知ってるかな。
しかも必要量の80%以上をね。

じゃ、積極的に外で遊ばないと。

ま、そうだな。
ここ10年ほどでは、紫外線の害(皮膚がん)が強く叫ばれ
日焼け止めクリームを塗り、室内で過ごすことが多くなって、
困ったことにビタミンD不足により骨折リスクが上がってるんだ。
さらにビタミンD不足と関連する疾患として、
糖尿病や心血管障害、そしてメタボリックシンドロームも相関関係があるんじゃないかっていわれてるよ。

やっぱり元気に外で走り回ってるほうが、いろんな病気の予防になるってことですね。
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