相変わらずフランソワ・オゾン監督は、映像が濃密。そしてセリフや行動に『謎』が多い。
この写真も謎めいていて、死にゆく青年とこの赤ん坊はいったいどんな関係なんだろうと想像を巡らしてします。
そして、ロマン青年の家庭環境や友人関係を想像するには、ちょっと困難なセリフの少なさ。いっさい言い訳なしって感じ。
余命3ヶ月といわれた青年は、のた打ち回るのか、それとも静かな境地に達するのか、はたまたあっと驚く奇跡的な展開があるのか・・・
ある種の期待が膨らみすぎたせいか、以外に静かな展開に、映画が終わったときに物足りなさを感じてしまった。
しかしそれはきっと、
観るものひとりひとりの『人生経験から引き出される想いをそこに自由に重ねてくれ』という監督の意図なのかもしれない。
自分を葬るのは、自分でしかできないことなのだ。
後になってもずっと頭の中にいくつかの映像がこびりついている。
細部までしっかり描けそうなくらい。
そしてずっと考えている。
特に、人々の『喧騒』の中に、混じるようでぜんぜん隔絶されているようなロマン青年の図。
その『音』たちは『生』そのもので、その中に馴染まない彼は、確かに刻々と死が迫っているようだ。
それでも、そんな彼は、また違う生きた世界のようで、闇雲に悲しい感覚がない。
こんなふうに、新しい世界へと静かに旅立つことができるだろうか・・・
またオゾン監督のマジックにはまってしまったようだ。考え出したら止まらない。
そしてこうして感想を書いているうちに、どんどん自分の中で評価が高まって、★の数が増えてしまうのだ・・・
鑑賞券を買うとき、「『ぼくをほうむる』、ください」といったら、「『ぼくをおくる』ですね。」と窓口の人に言われて、なんだかすごく残酷なことを言ってしまったような気分になった。
『葬る』は「ほうむる」がふつうの読み方なので間違ってはいないんだけど、かなり焦っちゃった・・
またしても「ぼく葬る」
↑まだまだ考え込んでとまらない
監督:フランソワ・オゾン
出演:メルヴィル・プポー
ジャンヌ・モロー
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
ダニエル・デュヴァル
マリー・リヴィエール
★★★★
この写真も謎めいていて、死にゆく青年とこの赤ん坊はいったいどんな関係なんだろうと想像を巡らしてします。
そして、ロマン青年の家庭環境や友人関係を想像するには、ちょっと困難なセリフの少なさ。いっさい言い訳なしって感じ。
余命3ヶ月といわれた青年は、のた打ち回るのか、それとも静かな境地に達するのか、はたまたあっと驚く奇跡的な展開があるのか・・・
ある種の期待が膨らみすぎたせいか、以外に静かな展開に、映画が終わったときに物足りなさを感じてしまった。
しかしそれはきっと、
観るものひとりひとりの『人生経験から引き出される想いをそこに自由に重ねてくれ』という監督の意図なのかもしれない。
自分を葬るのは、自分でしかできないことなのだ。
後になってもずっと頭の中にいくつかの映像がこびりついている。
細部までしっかり描けそうなくらい。
そしてずっと考えている。
特に、人々の『喧騒』の中に、混じるようでぜんぜん隔絶されているようなロマン青年の図。
その『音』たちは『生』そのもので、その中に馴染まない彼は、確かに刻々と死が迫っているようだ。
それでも、そんな彼は、また違う生きた世界のようで、闇雲に悲しい感覚がない。
こんなふうに、新しい世界へと静かに旅立つことができるだろうか・・・
またオゾン監督のマジックにはまってしまったようだ。考え出したら止まらない。
そしてこうして感想を書いているうちに、どんどん自分の中で評価が高まって、★の数が増えてしまうのだ・・・
鑑賞券を買うとき、「『ぼくをほうむる』、ください」といったら、「『ぼくをおくる』ですね。」と窓口の人に言われて、なんだかすごく残酷なことを言ってしまったような気分になった。
『葬る』は「ほうむる」がふつうの読み方なので間違ってはいないんだけど、かなり焦っちゃった・・
またしても「ぼく葬る」
↑まだまだ考え込んでとまらない
監督:フランソワ・オゾン
出演:メルヴィル・プポー
ジャンヌ・モロー
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
ダニエル・デュヴァル
マリー・リヴィエール
★★★★
祖母の台詞は、人生経験溢れるもので、あの言葉の包容力はたいしたものだと感動しました。
個人的には、祖母との絡みが好きでした。
それ以来、映画の楽しみ方も変わったように思います。
明快に答えが出されていない作品、それをあれこれ思考することが楽しいんですね。
この監督さんの映画は、はじめて観たのですが
ちょっとはまりそうな予感です。
死についてストレートに描いていて、
そこが驚きました。
静かな旅立ちの映像が、頭からこびりついて離れません・・
私もほうむると読んでしまいました
>本気で身辺整理・・・
ひゃ~、考えただけで怖くなります。だれもいなかったらどうしよう。
とりあえず今はこのまま、漫然とした人生にしておきたいデス・・・
また、よろしく。
本気で身辺整理してみたら意外と自分が気になっている人って少ないのかもしれないなどと思いつつ見てました。
>これじゃドツボに嵌った恋愛と一緒ですね。
同感、同感。
なんでこんなに、頭にこびりついて離れないんだろうって思ってしまいます。オゾン監督恐るべし。
いけない観客です。(涎)
オゾン監督のマジックにかかると、簡単には抜け出すことが出来ません。そのくせ、本人のインタビューは煙に巻くようで、肩透かし→またまた・気になる・・・これじゃドツボに嵌った恋愛と一緒ですね。困ったもんだ~。
多くを語らず、映像で見せるオゾン監督の腕は、ピカイチですね。フランス人独特の感性なんでしょうか。
ロマン青年が、祖母に告白したとき、祖母がサプリメントを並べながら言った「これで元気に死ねるわ」という言葉と、その次に「今夜あなたと一緒に死にたいわ」というセリフ。
気持ちの奥深さにも感動しました。
> chikatさん
私もこの写真がどこのシーンにでてくるのかと観ていましたが、本編には出てこなかったように思いました。
そうか、この赤ん坊はロマン青年の
>生まれたときと死ぬとき
だとしたら、この写真は、彼の生き様すべてということになりますね。
私も代理出産の彼のジュニアだと思いました。
この写真のシーン、ラストと聞いていて楽しみにしていましたが、見過ごしたようで残念です。
ロマン青年の生まれたときと死ぬときとどこかの雑誌に出ていたような気がします。
私は代理出産の子かとも思っていたんですが…。
これからもよろしくお願い致します。
>その『音』たちは『生』そのもので、その中に馴染まない彼
ぽつん、と浮いていましたね、彼。
自分があの立場におかれたら、そんな感覚になるんだ
ろうなぁと思ってみていました。
映像がホント、美しかったです。