漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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朝井まかて著「ちゃんちゃら」「すかたん」「先生のお庭番」覚書

2015-02-14 | 
朝井まかてさん、まとめ読み。
この3作は江戸時代の話なので、このところ頭の中が江戸っ子言葉になっている。

「ちゃんちゃら」
庭師に育てられた孤児、「ちゃら」という呼び名をつけられ、少しづつ腕を上げ仕事まかせられていく若者。
江戸時代、武士たちのオーバーヒートする庭つくり趣味につけこんで占いで宗教じみたことをするやからもいて、植物を純粋に愛する庭師たちも巻き込まれる。
最後のシーン、水の中で意識を失いそうになりながらふっと自分の親の記憶がよみがえるちゃら、胸が熱くなる。


「すかたん」
大阪の青物問屋「河内屋」の物語。伊藤若冲の野菜絵も登場。
すかたん大坂男「清太郎」とチャキチャキの江戸っ子女「知里」の恋。
清太郎の母、河内家の「お家さん」である志乃の存在感もいい。
つくづく商売は上に立つものの力量が大切だと思い知らされた。


「先生のお庭番」
長崎出島のシーボルト先生の庭仕事を手伝うことになった熊吉。
出島に薬草園をつくり、蘭学を日本人に広めるシーボルト。日本の美しい植物を故郷に持ち帰りたいとも考える。
ドイツへの何十日もの船旅に耐えるようにとさまざまな工夫を重ね何度も失敗をする熊吉の植物に対する一途さ。
自然を相手にするということはこういうことだなあと思う。
史実に基づいた物語。



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