さきほど少し出かけていて、地元の百貨店の店舗内を外に向けて歩いていたところ、上のような案内が出ているのに気づきました。「店舗内から外に向けて」、つまり漠然とですが「出口はどこだろう」と思いながら歩いていたので目に留まったのだと思いますが、ご覧の通り案内には「お入口」とあります。見た瞬間、「この表現は正しいのか??」と思ってしまいました。
店舗内に掲示されている案内ですから、これを見る人にとっては、案内されている場所は例外なく「出口」であるはず。私自身も「出口に向かって歩いている」という意識だったので違和感を覚えたのですが、一緒にいた家内の説によれば、
・お店としては入ってきてはほしいけど出て行ってほしくはないから「出口」とは言わない
・一般的な呼び名としては「出入口」だけど、お店が「お入口」と名付けた場所のことだからそう書いてある
のではないかということでした。特に2つ目の考え方はなるほどなぁと思ったのですが、あるエリアの内と外の境が「出口」なのか「入口」なのかは内と外のどちらから見るかの相対的な概念と言ってよいと思われる一方、「店(=持ち主)が『お入口』と名付けた場所」と考えるとその概念は絶対化されて、内側から見てもそこは「お入口」であるということになるのでしょう。
まぁ、どうでも良いと言えばどうでも良いことですが、ふと見かけた案内板から言葉についてそんなことを思い巡らしました。