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一年経って

昨年のこの日、今頃は再手術の真っ最中。


・・・
門脈と胆管の同時手術だった。
開腹前は、癒着がひどく、移植手術と同時間(18時間程度)位かかる
かもしれないと言われていたが、癒着が思ったより少なく、8時に入室、
19時30分頃には終了した。

移植手術のことは今や記憶が無く、その前後のことはまったく覚えてい
ないが、この手術は術前の体調も良く、いたって冷静だったので良く覚
えている。

歩いて手術室に向かい、自分で手術台に横たわった事、話しには聞いて
いたが、手術ベッドの幅がやたらと狭かった事、麻酔は点滴によるもの
でカウントも何も無く、あっという間に眠っていた事、手術の看護師さ
んが、「私、移植の時もMさんの担当だったんですよ」と話してくれた
事、手術室に向かう時、見知らぬ人が頑張れと手を振ってくれた事、そ
して妻と姉と父が笑顔で見送ってくれた事、まるで昨日の事のように感
じる。


発症から移植、入退院、再手術に至るまでは長かった。
もがいてももがいても、時間だけがゆっくりと過ぎるだけだった。

でも再手術からの一年はあっという間だった。



当初はシャントを調整する為の調整管みたいな物を体外に出す予定だっ
た。
胆管を接合する部分が簡単に見つけられないかもしれないとも言われて
いた。
そんなわけで、術後はもし何も問題がなければ病棟へ、なにかあれば
ICUへ、と言われていた。

これって成功しなかった場合はICUへ入るってこと?


そして翌朝(夜中だと思う)目覚めたのはICU。
人工呼吸器が苦しく、しかも呼吸をさぼるとブザーが鳴るもんで、看護
師さんに何度も注意されながら、思うのは「やっぱり駄目か」

でも不思議と落胆の気持ちは無かった。
手術が終わったことの喜びの方が意味もなくうれしかった。


一年も入退院を繰り返していると手術の成否よりも、何かしらの変化を
求めるようになる。


そんな気持ちを察してか、頑張ったご褒美か、発病以来の最高の喜びが
待っていた。

ICUに居る事で心配しているだろうと、朝一番で妻が来てくれた。

「手術は全部成功だったって。癒着も軽くて、シャントも全部上手くい
って、胆管も1cm位探したら直ぐ見つかったって」

そう言われて初めて、あるべき場所から体外に管らしき物が出ていない
ことに気づいた。


なぜICUだったか、病棟の人手が足りなかったみたい・・・。


前夜の手術後、家族に手術の説明をし終えたF先生、NSの椅子に嬉し
そうに座っていたそう。
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