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夜中の病室

今、仕事をしながら、Bank Band with Salyuの「to U 」
を聞いていて、入院中の夜中の病室を思い出してしまった。



いくら病人とはいえ、よほど体調が悪くないかぎり、夜9時消灯、朝6時起
床というのは閉口する。

朝はともかく、夜は夕食を取ったならすぐ消灯時間が来る感じで、ちょっと
ホールで長電話をしようものなら、病室は真っ暗。



長い入院生活の中で、かなりの人達はなかなか寝付けず、睡眠剤を服用して
いた。

やはりあれこれ考えてしまって、精神的に不安定になって、睡眠剤を利用し
てそれらが少しでも解消されるなら、ということだ。



ワタシは半ば意地になって利用しなかったが、(色々理由はあるのですが)
一年間のほとんどが常に痛みを抱えていて、点滴の管に繋がれていたものだ
から、ただでさえ寝付けないところに輪を架けて寝ずらい。


恐らく患者の皆さん、ほとんどの方が寝る事に苦労しているのではないか。


まぁそれでもAB型の典型のようなこの性格、一睡もできない時もあれば、
しっかりと寝れたりするので、一年間、病室で生活できた。





肝性脳症だった頃は、毎晩ナースステーションから看護師さんの歌が聞こえ
てきたり、一晩中悪口を言われたり。(幻覚です。・・・だと思う。)

なんだかわからない恐怖に襲われ、個室を逃げ出そうとして鍵を掛けられた
り。

脳症が治まると、やたらと家の事が気になり妙に目が冴えたり。

同室の人のイビキが気になり廊下に出てみると、同じ状況の人と出くわした
り。

痛みに耐えられず、それでも声は出せないので廊下に出てうずくまっていた
り。

深夜までテレビを見ている人。(内緒で)

メールのやり取りをしている人。(内緒で)

音楽を聞いている人。(意外にアニメソングだったりする)

決まって朝4時に起きる人。

決まって夜11時まで起きている人。

「俺は常に団体生活をしているから、絶対にイビキはかかない」と豪語する
人。

豪語するわりに、誰よりも早く寝入って、大きなイビキをかく人。

看護師さんが深夜のみ回りに来るたび、照らされた懐中電灯に反応する人。

いきなり目を見開いて、看護師さんを驚かせる人(それは私、

子供の夜泣きにイライラする人。

子供の泣き声に元気付けられる人。

術後のベッドが柔らか過ぎて、勝手にマットをはずして看護師さんに怒られ
る人(これも私、




まあ色んな人がいて、色んな夜の過ごし方があるもんだ。




一年間の入院中、一番精神的に辛かった時、それは再手術前の数ヶ月。

そんな時心の支えになるのはやはり音楽。

たくさんの音楽に励まされたが、その中の一つが、


Bank Band with Salyuの 「to U 」



この曲を聞くとたちまちあの時の思いが蘇えるのです。

くじけそうになりながらも、必死で何かにすがろうともがいていたあの時を。




【Bank Band with Salyu~to U 】 

・・・
沈んだ希望が 
崩れた夢が 
いつの日か過去に変わったら
今を好きに 
もっと好きになれるから
あわてなくてもいいよ


・・・
悲しい昨日が 
涙の向こうで 
いつか微笑みに変わったら

人を好きに 
もっと好きになれるから
頑張らなくてもいいよ

・・・
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