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大学病院のセンセイ

そもそも昔から病院嫌いだった。

薬を飲むのが嫌で、しかも医者は適当に薬を処方して終わり、で、決まり
文句が、「良くならないようでしたら又来て下さい。」
っていうよにしか思っていなかった。



そしてその、嫌いの頂上にあるのが「大学病院」。




少なくとも、見舞いを除いて、ましてや自分が大学病院にお世話になるなど、
金輪際お断り、と思っていた。





だから、K病院で透析、血漿交換治療を受けていた時、H大学病院から、物々
しく大先生がやってきた時は、

「はぁ~?!」って感じで、もうその瞬間から拒否姿勢。



しかも突然、生体移植の話しをするものだから、「おととい来やがれっ!」
と、心の中では思っていた。




ゆっくりと冷静に、でも完璧に説き伏せるように生体移植について語る姿は
いかにも「大学病院の先生」であった。




時が過ぎ、移植手術が終わり、でも良くならず、おそらく考えていたのとは
違う経過をたどり、回診の時の表情は苦悩のような、でも自信ありげな柔和
な表情は、当初の「大学病院の先生」とはほど遠く、その術中に嵌り込んで
いくような変な感じになった。

そして入退院を繰り返すうち、なんとかしなければ、という共通の目標に、
完全に運命共同体だった。




どうなるか分からない2度目の手術が無事成功した後、NSでくつろぐ姿を
妻が目にしていた。

「F先生、本当にすっごく嬉しそうな顔してたよ。」





そのF先生が旭川医大に赴任する。

今の、札幌に集中する体制が、広く全道に広がっていくきっかけになるなら
素晴らしい事だと思う。


入院中、遠く地方から来られている患者さんの大変な様子はたくさん聞いた。

それが少しでも早く解消されるようになればと思う。





最悪の印象で始まった出合い、今は、らしくない「大学病院のセンセイ」は
好きだ。



でも・・・病院は、やっぱり苦手だ。特に大学病院は。。
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