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久しぶりの笑顔

祖母の笑顔を久しぶりに見た。しかも2度も。




満100歳の誕生日が目前に迫り、すかっり寝たきりになってしまった祖母に電動式
介護ベッドが届いた。

父が介護認定の手続きを済ませ、業者からレンタルしたもの。




搬入組立ては業者が行うが、問題は祖母本人の移動。


少しでも体勢が悪いと痛みが強くなるようなので下手には動かせない。



そこで今日は二人の息子に寄り道をしないように伝え、電動ベッドの到着とともに帰
宅した息子と、父と4人で、手術後の病人のベッド間移動のように、敷きマットごと
の平行移動を敢行、無事うまくいった。




床ずれが酷くなっているので、介護士さんと相談の上、エアーマットを下に敷いたが
それが良かったのか、祖母が珍しく

「や~、楽だわ~。」と言って笑顔を見せた。




電動ベッドには自分も散々お世話になったが、病院のそれよりはるかに優れもの。

動きが素晴らしい。(でもあまり動かせないけど・・・)




そんな様子を見ていると、やっぱり自分の入院当時を想い出す。

でも、まだ、自分の時は希望があった。

このベッドから早く抜け出してやろう、という気力もあった。




なのに祖母は、多分二度とこのベッドから立ち上がる日は来ないのだろう。


誰でも必ず一度だけ、死ぬ。

先に待つのが死だけになった時、どこまで達観することが出来るのだろう。



そんな事を考えていると泣きそうになってしまった。






2度目の笑顔、それは祖母が二人のひ孫の存在を確認した時。


「あ~、※※ちゃん、手伝いに来てくれていたんだ。ずっと※※ちゃんに会いたか
ったんだ~。




そうか、達観する必要は無かったんだ。

近くに笑顔のもとがある。
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