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移植のドナー

脳死と違って、生体移植の場合はドナーの術後の健康状態も気になるところ。

最近、色々な本やネットで、移植の全体像に触れる機会が多く、ドナーの在り方について考えさせられること
が多い。



生体移植を経験された方は、自分も含め、移植に踏み切る時に、それこそ他人には想像すらできない葛藤と、
大きな苦悶と僅かな期待の入り混じった、神経を揺さぶられる様な過程を経てきていると思う。

それはすなわち、

「健康な体にメスを入れる」ということ。





わたしのドナーは姉。

顔を見るたび、調子の悪さはこれっぽっちも見せないが、果たして本当のところはどうなのだろう、と考えて
しまう。


というのも、色々見聞きすると、やはりドナーはドナーで大手術を受けている事に違いはなく、術後の経過
が思わしくない人もかなりいるらしい。




普段の経過もそうだが、もう一つ心配になるのが、開腹してしまっているという事実。

当然、臓器の癒着が起きている可能性も高くなり、もし将来、ドナー本人に起因する何らかの病気で手術が
必要になった場合、その手術の大きな妨げになってしまう事があるのではないかと。




自分のことは自分で、自己責任で管理できても、ドナーの姉の事となるとそうもいかない。

そのドナーの姉は今、義父を自宅に引き取り、介護の真っ最中。



悩ましい事ではある。





日本肝移植研究会で、ドナーの術後追跡調査なども行われているようだが、元々、ドナーに対するフォロー
があまりにも少ないのは、入院中ずっと感じていたことで、もし、自分勝手に言うことが許されるなら、
『ドナーにはずっと健康で元気に生活してもらわないといけない』わけで、脳死移植が発展途上の今、必然、
生体移植に救命を頼らなければいけない今、その辺のところは、ぜひ、国をあげて、しっかりやってもらい
たいと思うのです。

ここを、生体移植だから各々の自己責任で、って言われてしまうと・・・





自分自身の体調以上に、ドナーの体調、生活、これは本当に重要なんです。

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