football smile

the days turn into months and years

A HERITAGE OF WOOD

2006-10-28 | smile
一人暮らしをはじめた時、まっ先に購入したのが椅子である。ヤコブセンのセブンチェアー。色はブラック。とても気に入っていて、もちろん今でも大切に使っている。誰かお客さんが来ても、自分が座る。他人には座らせない。

職業柄というのも確かにあるけれど、職業が決まる前からインテリアは大好きだった。建築学科に合格していなかったら、間違いなく工業デザイン学科に入ってインテリアを専攻していたはずである。そんなわけで、時間を見つけてはインテリアショップ巡りに勤しんでいたりする。

昨日は早々に会社を抜け出して、珍しく代官山なんぞに寄り道。ヒルサイドテラス・プラザホールでCECCOTTI COLLEZIONIのフィルム・プレゼンテーションがあったからだ。相変わらずオシャレな空気が充満しているところである。会場は200席くらいだろうか、グレーのセブンチェアーが整然と並べられている。まずはフランコ・チェコッティ社長が挨拶。本編は30分くらいなのだが、イタリアの工場内で職人達が黙々と働く様が映されている。まさに手造り。すさまじいまでの情熱が注ぎ込まれた家具の素晴らしさは、改めて感動に値する。やはり来てよかった。

普段出不精の私が、なぜわざわざ代官山まで来る気になったのか?その理由は、インテリアへの興味もさることながら、いただいた招待状が本当にきれいだったからに他ならない。取り立てて目立たない、何てことはないデザインなのだが、フォントサイズや行間、写真とのバランス、余白の取り方等々、細部へのこだわりが抜群に気が利いているのだ。こういうセンスに私はめっぽう弱い。本当に良いデザインは、人の心を動かす。

それにしてもセンスっていうのは、思いのほか厄介な代物だと思う。例えば、ファッションから仕草、言葉や文章まで、様々なところでその人のセンスが露呈してしまう。にもかかわらず、こればかりは資質によるところが多い。どんなに努力をしたところで、身に付けるには限界がある。っていうか、努力した時点でそのセンスが疑われる。オシャレを意識したらオシャレじゃないのだ。

帰りにカタログやフォトブック、それにフィルム・プレゼンテーションのDVDまでもらってしまった。すごくきれいな受付のおねえさんに。そうだった。私は美人にもめっぽう弱かったのだ。やはり来てよかった。
コメント (3)
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