football smile

the days turn into months and years

夢の中まで左足

2009-04-04 | book
名波浩/増島みどり
21 JAN 2009
ベースボール・マガジン社

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「見えないところで、誰にもわからないようなことに徹底的にこだわっているかどうかがプロの証だと、オレは思っているから。アシストだろうが、長いパスだろうが、短かろうが、相手がどれくらい取りやすいパスであるかを考えている。それしか考えていないと言ってもいいと思う。(中略)自分のパス、もしくはそれがアシストならば、こういう理想を持っている。ゴールが決まる、あのシュート本当にすごいよ、と観客がまずシュートに感動する。そして、そのあとにこう言うんだ。「でも、その前のパスも、まあまあ良かったんじゃない?」って。観ている人がそうやって、シュートのあとにふと余韻で思うようなパス。そういうプレーが理想だと思う。」

という本を読みました。かっこいいですね。まさにこの感覚です。自分はゴールを決めるFWではないし、ゴールを防ぐGKでもありません。決定的な仕事とはほぼ無縁な元MFのDFです。今までのサッカー人生を振り返ってみても、「どちらかというと守備的な」といった感じの超地味なポジションをプレーエリアとしてきました。試合中に目立ったプレーは一切しません(できないというのもあるけど)。だから、サッカーの楽しみ方も超地味です。

例えば、「ここにポジショニングを取ったことで相手のパスコースをひとつ消すことができた」とか「相手がシュート体勢に入った瞬間ちょっと体を寄せたことでゴールを外すことができた」とか「サイドのスペースへおとりで走ったことで相手の選手をひとりマークに引っ張ることができた」とか、まあそんな感じです。それこそ「見えないところで、誰にもわからないようなこと」に喜びがあります。

しかしまあこういう感覚は、何もサッカーに限ったことではないような気がします。それが良いのか悪いのかはともかく、自分が生きて行く上での基本姿勢みたいな感じです。極稀に、そういう超地味なところに気付いてくれる人がいます。そういう時は、チョッと嬉しかったりします。
コメント
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