football smile

the days turn into months and years

KSD21

2010-02-05 | design
鉄骨が順調に組み上がっています。鉄骨って何で接合するのかといえば、高力ボルトというすごいやつを使います。駅のホームを見上げた時に見えるあれです。通常は現場で軸力試験というのをやるのですが、これがなかなか眉唾物らしいのです。試験のための試験という感じで。というわけで、今回は構造担当者と相談して、実際に締め付ける工程をチェックしよう!ということになりました。しかし、言い出した当人は検査当日都合が悪いとのことで、結局自分が立ち会うことになりました。本当にもう、ここまで来たら何でもやります。

仮ボルトを高力ボルトに入れ替えて、1次締め、マーキング、本締めで作業完了。そこでピンテールの破断とマークのずれ、回転角をチェックします。教科書通りの工程が目の前で展開されました。

担当してくれた職人さんは、自分より10歳年下の気さくで面白い人でした。ボルトの向きはこういう方がやりやすいんだとか、マーキングに使うペンが1本千円もするんだとか、いろいろなことを話してくれました。設計事務所のこういう立会検査はあまり受けたことがないなそうです。まあ、どんだけ大変な作業だか見ていってくれよ。そう言って一生懸命やってくれました。職人さんと話をするといつも感じることがあります。それは自分の仕事にプライドを持っているということです。俺がやるんだから心配いらねえ。そういうオーラが出ています。彼が締め付けてくれたボルトは、絶対大丈夫だと思います。

建築っていうのは、そういう体を張った作業の積み重ねで作られていきます。設計の作業なんて本当にちっぽけなものです。
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