フロムワン(編集)
5 SEP 2008
朝日新聞出版
Amazon.co.jp「神様はレッズをJ1に上げたかった。サポーターの応援が神様に届いた。」
という本を読みました。浦和レッズ不滅の名語録。読み終わるまでに何度も泣きそうになりました。どれもこれもその時の情景が目に浮かぶようです。中でもいちばんグッときたのが、J1復帰のVゴールを決めた土橋正樹のこの言葉でした。
年間20から30試合はスタジアムへ足を運びます。その他にもちろんTV観戦もするわけです。そういうわけで、今まで一体何試合見たのか見当もつきません。しかしその中でいちばん印象に残っている試合は?と問われれば、それは2000年11月19日(日)駒場スタジアムで行われたJ2第44節です!と断言できます。前年にJ2へ降格した浦和レッズが、1年でのJ1復帰を賭けたサガン鳥栖との試合です。
ナビスコ杯、天皇杯、Jリーグ、ACL、全ての初優勝の瞬間に立ち会うことができましたが、そのどの試合でも感じることができなかったものが、あの試合には確かにあったと思います。結局、その年J2で優勝した札幌には1度も勝つことができず、3位大分にも勝点2差まで詰め寄られ、J1復帰のためには勝ち以外許されないという状況でした。これほどまでの緊迫感の中で、これほどまでに感情的に試合を見たのは、先にも後にも覚えがありません。
そんな試合に終止符を打ったのが、土橋のVゴールだったわけです。サポーターの願いを乗せたそのシュートがゴールネットに包まれた瞬間は、スローモーションのようにゆっくりと時間が浮遊しているようでした。ちょうどそのゴールの真横からAちゃんと一緒に見ていましたが、一瞬何が何だかわからなくなって、その後はとにかく嬉しくてピョンピョン飛び跳ねていたことを覚えています。望んでいたものを手に入れる達成感より、失った大切なものを取り戻した安堵感の方が、何倍も何十倍も何百倍も嬉しいものなのだなあと思いました。
日本代表がW杯初出場を決めた時も、浦和レッズが初タイトルをとった時も泣かなかったけど、この時だけは泣いていたかもしれませんねえ。