Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

山梨県、二十六夜山~棚ノ入山登山

2013年04月11日 | 山歩き

平成25年4月10日(水)     天気=曇り

 

07:55尾崎バス停(旧県道)→ 08:07鉄製ゲート→ 09:08二十六夜塔→ 09:12~25二十六夜山→ 09:52三日月峠→ 10:37~11:21棚ノ入山(三角点)→ 11:25~31無生野分岐(棚ノ入山標柱)→ 12:16日向舟→ 12:33~38雛鶴峠→ 12:48~50高岩→ 12:57~59雛鶴峠→ 13:05旧道出合→ 13:21県道出合

 

 山梨県には上野原市と都留市に「二十六夜山」という名前の山がそれぞれにある。「二十六夜」をネットで検索すると旧暦26日の事で、江戸時代にはこの日の夜に月の出を祝う風習があったそうです。山名もそれの関連があるのでしょう。都留市の山は既に登っているので、今回は上野原市(旧秋山村)の二十六夜山を登ってきました。

 車に折畳み自転車を積込、早朝我が家を出発する。中央高速道相模湖ICで降りると相模川の支流、秋山川を遡る。川沿いの地域は以前秋山村と呼ばれ鄙びた山村だったが、いつの間にか合併して上野原市に変わっている。

 上野原市と都留市の境にある雛鶴峠を結ぶ旧道と新道の合流地点に自転車を残置して、二十六夜山の登山道がある尾崎集落まで戻る。登山案内板近くに無人の工事現場が有ったのでそこに駐車したら、付近にいた中年の交通警備員のオジサンに、「下の旧道路側帯に停めてくれ。」と言われ、尾崎バス停近くの旧道路側帯に車を停める。

 旧道の駐車場所

 準備を終えると集落の細い急な舗装道を登って行く。周囲の家々は花々が咲き、美しい日本の原風景を見るようで心和む。野良仕事中のオバちゃんが「二十六夜山登山かね。」と声を掛けてくれ、登山口への道筋を教えてくれた。

 登山口には頑丈な鉄製ゲートがあり、此処を潜って登山道が始まる。オバちゃんが言うには害獣避けに設置されたらしい。ゲート横には錆びついたブランコ等がある小さな公園がある。遠い昔は大勢の子供たちがいたのかな。

 登山口のゲート

 しばらく小さな沢沿いに遡る。やがて沢を離れ左手山腹の電光型に刻まれた道をジグザグに登って行く。今朝は4月とは思えぬ冷え込みで日差しも弱いのだが絶え間ない急登に身体が汗ばんでくる。

 尾根に辿りつくと一気に寒風が吹き渡り、熱った身体に心地よい。この後は尾根道を登って行く。二十六夜山は山梨百名山に選ばれているせいか、登山道は良く整備されており迷う心配は無い。

 登山口のゲートからちょうど1時間で山頂への分岐点に着いた。平坦な疎林の中に丸い石塔が建立されており「二十六夜塔」と字が刻まれている。昔の村人が此処で酒宴を繰広げて深夜の月の出を祝っていたのであろうか。

 登山道分岐にある二十六夜石塔

 分岐から200m程で二十六夜山(972m)に到着した。疎林に囲まれた静かで何の変哲もない山頂だが山梨百名山の一つをゲット、此処で最初の休憩をとる。休憩を終えると分岐まで戻り、棚ノ入山へ向けて進む。

 二十六夜山山頂

 しばらく進み小さなピークを越えた辺りで道がおかしいと気づく。持参したGPSで確認すると、次の通過ポイント三日月峠が近づくはずなのに遠くなっている。小さなピークまで戻って地図とコンパスを照合した結果、左へ派生する尾根が棚ノ入山への正しいルートと判断し、ほとんど踏み跡の無いその尾根を数百m伝うと三日月峠の標柱が現れた。

 道を誤った原因は、二十六夜山だけ登る登山者が大多数の為、山頂から浜平集落への下山道が圧倒的に明瞭で、棚ノ入山へ向かう尾根道は山林作業のせいで踏み跡が消失している為だ。道なりに歩くと下山道に引き込まれてしまう。

 三日月峠の標識

 峠から浜平集落への道が通じているが大雨被害で大きく損傷していた。この先はしばらく林間の緩やかなアップダウンが続く。右側山腹が大崩壊した地点からは北に展望が開き、高尾や奥多摩の山々が臨まれた。

 棚ノ入山が近づくと標高差200mの急登が始まる。一気登りなので中々手強い。左手の谷間を見下ろすと白い建造物が見える。リニアモーターカーの施設のようで、リニア新幹線はこの山の直下を貫いているのだ。鄙びた山村と最新鋭技術の重なる景色が皮肉な風景となっている。

 前方に聳える棚ノ入山

 

 やがて傾斜が緩み三角点の設置した高みに到着した。標識は無いがここが地図上の棚ノ入山の最高点(1117m)になる。シートを広げコンロでお湯を沸かして昼食タイムとする。南側が伐採されているので谷を挟んで並列する道志山地が展望できる。

 棚ノ入山(三角点)

 棚ノ入山から道志、朝日山方面

 寒気が流入しているのか雲が厚くなり雷がゴロゴロ鳴り始めた。その音に追われるように出発する。5分程進むと無生野集落へ降る薄い踏み跡が右に分岐していた。その少し先には道志山地の朝日山へ向かう道が左に分岐している。ここは地図上ではサンショ平と記載された登山道の交差する地点だが、「棚ノ入山」と書かれた標識があったので記念の写真を撮る。サンショ平からは、北の雛鶴峠に向けて緩急織り交ぜた道をグングン降って行く。

 棚ノ入山(標識地点)

 途中にある小さなピーク日向舟(927m)へはちょっとの登り返しだが、急なのでけっこうきつかった。更に降って行くと道の両側に展望が広がる。右は秋山川流域の山々や集落、左は大菩薩や中央沿線の山々の、道志山地の尾根越しに富士山の白い頭も見える。

 峠への降り道から大菩薩、三つ峠山方面(眼下の白い建物はリニア新幹線の施設?)

 降り道から雛鶴峠、高岩方面

程なく最低鞍部の雛鶴峠に着いた。左右に降る道がある。妻が峠で休憩している間、私は空身で北に位置する高岩をピストンする。10分で登り着いた高岩(900m)は、木に小さな看板が打ち付けられただけの簡素な山頂だった。足下にはゴルフ場の緑の芝生が見えた。

 峠に戻ると妻と共に下山する。5分程で旧道のトンネル出口傍に着いた。トンネルは既に封鎖されており、もうこの道を車が往来する事は無いのだろう。落石が散乱した旧道を15分程降って、新しい県道との合流地点に着いた。

 残置していた自転車を組立てると、サドルに跨り車を停めている尾崎集落に向け県道を一気に降って行く。自転車でダウンヒルを疾走するのは痛快でけっこう面白い。車に戻るとザックと自転車を積込み、歩いて降る妻をピックアップする。

 その後、秋山川の下流にある上野原市営の秋山温泉(大人700円)に寄って山の汗と疲れを流す。温泉は地元の人でソコソコ賑わっていたが、洗い場のお湯が出なかったりしてヤヤ不満足、本当は近くにある藤野町営やまなみ温泉に入りたかったのだが休館日なので仕方なかった。

 今日歩いた山域は地味で魅力に乏しく訪れる人が少ない。でもそれだけに誰にも会わない静寂な山歩きを楽しむ事ができ、満足の山行だった。

コメント
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