Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

笈ケ岳(オイズルガケタ)登山

2013年04月30日 | 山歩き

 平成25年4月29日(月) 天気=晴れ後曇り

 

04:43中宮展示館駐車場→ 05:07~24ジライ谷出合→ 06:07大岩→ 06:431250mピーク→ 07:28~38コース分岐(下)→ 08:04~13冬瓜山→ 08:38シリタカ山→ 08:46コース分岐(上)→ 09:10県境尾根出合→ 09:25小笈ケ岳→ 09:32~10:03笈ケ岳→ 10:32コース分岐(上)→ 11:22コース分岐(下)→ 12:101250mピーク→ 12:25大岩→ 13:05ジライ谷出合→ 13:38中宮展示館駐車場

 

 白山の北に聳える笈ケ岳(オイズルガタケ)には登山道が無く、残雪を伝って登れる4月下旬から5月上旬が登山の適期であるが、急峻かつ往復10時間を要する長丁場で、二百名山の中でも特に困難な山と言われてます。老いぼれたら登れそうに無いので絶対今年登ってやろうと思っていた。

 28日の朝我が家を出発、関越道~北陸道を経由して昼前に金沢市内に着いた。ナビで検索してイオンショッピングモールへ向かい、昼食と食料を確保して手取川沿いの国道157号を南下し登山口のある中宮展示館へ向かう。

 一理野温泉の先から始まる白山スーパー林道は数日前開通したばかり、この道を通行できないと1時間以上余分に歩かねばならない。

 中宮展示館駐車場にはPM3時頃着いた。此処も昨日オープンしたばかりで多くの観光客が見学していた。駐車場はトイレや水場、自販機等もあり。車中泊には最適の環境で夜はグッスリ快眠できた。

 中宮展示館の駐車場

 29日AM4時前に起床、駐車場は既に20台程の車で満杯、次々と登山者が出発して行く。私も簡単に朝食を済まし4:43出発する。昨日に続き今朝も天気が良くて絶好の登山日和、気分も高揚するが実は問題が一つある。二日前の仲間内テニスで足腰痛が再発、今も違和感が残っており悪化しないかと気懸りだ。

 蛇谷沿いの遊歩道を進んで行く。途中のトンネル入り口には「通行止め」の標識が設置されているが、登山者は無視して通過していく。20分余で木造休憩舎 のあるジライ谷出合に着いた。暑いので上着を脱ぎ登山用ズボンをトレパンに着替える。

 ジライ谷出合

 ネットで渡渉に苦労したと言われていたジライ谷の沢は水量少なく簡単に渡る事ができた。ここからいきなり尾根の急登が始まる。高度はグングン稼げるがその分きつい登りで、蛇谷沿いの渓流が真下に見え転んだら下まで落っこちそうだ。踏み跡はしっかりついており随所にロープが張られているので助けになる。でもロープの強度は怪しいから、あまり頼りにはできない。

 急登の尾根道

 尾根道の大岩

 尾根の途中にある白い大岩はネットでもお馴染みでコースの良い目印になる。しかし急登は更に続く。尾根上の小さなピーク(1250m)の下あたりから雪が現れた。ピークから冬瓜山や県境の山々が望めた。

 この先は残雪と藪道が交互に現れる痩せ尾根を登って行く。一息入れていたら後ろから山ガール二人の賑やかな話し声が聞こえてきた。彼女らに抜かれたくなかったので脚を早める。ところが彼女らは健脚で中々距離を離せない。私も足腰痛の悪化が心配だからあまり無理できないのに、その内話し声が遠ざかっていった。

 痩せ尾根の道

 樹林が途切れ展望が良い雪原の台地に着いた。数パーティが休んでいる。背後に純白の白山が雄大な眺めだ。山毛欅尾山から冬瓜山へ続く尾根筋までそんなに遠くない。雪尾根をしばらく進みコースの分岐に着いた。

 雪原の台地から白山方面

 

 右折するのは冬瓜山~シリタカ山を経由するコースで直進するのは冬瓜平を経由するトラバースコース、圧倒的にトラバースコースを行く人が多い。私は往復同じコースを歩きたくなかったので、アイゼンを装着して冬瓜山へ向かう。

 雪尾根に時折藪も現れけっこうシンドイ登りが続く。山頂直下はネットで紹介されてたとおり10m程の垂直に近い岩場になっている。だがロープが張られ木の根等の手掛かりも十分あるので以外と容易に通過できた。

 山頂直下の岩場

 冬瓜山(1628m)に着くと若い男性が一人休んでいた。山頂からの展望は良好で、目指す笈ケ岳の雄姿が忽然と現れた。その黒々した山容はどこか奥只見の荒沢岳を思わせる。

 冬瓜山から笈ケ岳方面

 冬瓜山の山頂部には僅か数mだがナイフリッジ状の岩場があり通過時、一寸腰が引けた。その後は緩やかな雪尾根を快適に進んで行く。次のシリタカ山(1699m)は、何も標識は無いが広々とした雪原のピークで360度の展望がある。

 冬瓜山のナイフリッジ状の岩場

 シリタカ山の先少し下った所に冬瓜平経由のコースが合流しており数名の登山者が休憩していた。その合流地点から県境尾根に向かってコースは大きなアップダウンとなっており先行する登山者達が点々とアリのように見える。

 シリタカ山の降りから笈ケ岳方面(少し降った所がコース分岐点)

 長いと思われた県境尾根への登りも意外と早く登り着いた。ここから急登しばしで小笈ケ岳のピークに達すると目指す笈ケ岳は目前、山頂に憩う人達も確認できる。

 小笈ケ岳への登り

 小笈ケ岳から笈ケ岳

 09:32出発してから約5時間で笈ケ岳(1841m)に到着した。念願の山頂だが、7~8名の先着した登山者達で賑わっているせいか感激の思いも薄れ一寸拍子抜けの感じだ。まあでもジンワリと嬉しくなる。

 笈ケ岳山頂

 山頂は低い灌木に覆われているが展望は良く、南は白山の広く膨大な山容が広がり北は尾根続きに大笠山が三角形の優雅な姿だ。此の山の方が笈ケ岳より立派な山容をしている気がする。隣にいた地元の人らしいオバちゃんが頼みもしないのに周囲の山々の名を懇切丁寧に教えてくれた。

 笈ケ岳から白山方面

 笈ケ岳から大笠山方面

 30分程休憩して山頂を後にする。下山時も何人もの人とすれ違う。辺境の山がこんなに盛況とは意外だった。やはり日本2百名山にノミネートされたせいだろう。先程山名を教えてくれたオバちゃんも「昔はこの山を登る人は年に数名程度しかいなかった。」と話していた。

 小笈ケ岳の降り

 シリタカ山手前のコース分岐点で冬瓜平経由のコースを下山する。山腹を横切るこのルートの方が冬瓜山経由のコースよりはるかに楽だ。疎林が点在する冬瓜平の雪原には黄色いテントがポツリと1張設営されており中々絵になる風景だった。

 冬瓜平から笈ケ岳を振り返る。

 下のコース分岐点から痩せ尾根を降って行く。残雪の箇所は今にも陥落しそうな気がして一寸不気味だった。1,250mピークに着くと冬瓜山方面を振返る。もうこの風景を二度と見る事はないだろう。

 1250mピークから冬瓜山を振り返る。

 延々と続く急坂を転げるように降って行く。真下に見える蛇谷の渓流がグングン近づいてくる。大岩を過ぎて20分程でジライ谷出合に降り立った。

やっと安全圏に戻れたと一安心、途端に足腰の痛みが気になりだした。中宮展示館までの遊歩道には行く時気付かなかったが、カタクリやイワカガミ等の花々が咲いていた。

 遊歩道に咲くカタクリの花々

 遊歩道から蛇谷の渓流と雪に覆われた白山スーパー林道

13:38駐車場に到着、約9時間のハードな一日だった。水場で汗まみれの下着を洗濯した後、白山市の吉野地区にある大門温泉センターに移動して汗を流す。ここの温泉は公営でシャンプー・石鹸は無いが入浴料400円とリーズナブルで綺麗なお風呂だった。

温泉を出ると金沢市内のイオンショッピングモールでビールや食材を購入し、金沢西ICから北陸道に入り小矢部SAで車中泊とする。程良い疲れに夕餉のビールが実に美味だった。明日は北アルプスの西穂高岳へ向かう予定だが、脚腰の痛みがどうなるか不安な思いもする。夜は寒冷前線の通過で凄い雷雨となった。 

 

コメント
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