10月18日(土)
麻生幾さんが書いた「前へ」という本を読んだ。この本は3年前の東北大震災の時、被災現場の最前線で活動した警察・消防・自衛隊・道路管理局等の人々を描いたもので、震災から半年後に書かれている。
これを読むと彼らが居なければ日本は壊滅したかも知れぬという恐怖・戦慄を覚え、その勇気ある行動に感謝の思いが募る。
それと同時にこの本には時の政府や東電・保安院・原子力安全委員会のドタバタ泥縄無能ぶりも描かれている。あの時中枢部が最善の策を速やかに講じていたならば、福島第1原発の事故も最小限に抑えられたのではと悔やんでも悔みきれない思いも募る。
直接被災された方は勿論の事、我々関東に住む者にも震災発生からの数カ月の間は尋常ならざる日常であった。あれから3年余、時の流れの中にその記憶も薄れようとしている。
しかし現状を見れば「福島原発の放射の汚染は解決の目途が立たない。」、「東北の仮設住宅は今でも数多く残されたまま。」、最も深刻なのは「58基の原子爆弾貯蔵施設(発電しない原発ならば、そう呼んだ方が適切)をどうするのか。」等幾つもの難題が山積している。
そんな中、先日の国会中継では「これは何ですか。ウチワでしょ?」、「ウチワに見えるけど文書なの。」とレンボウ・ミドリの下手なウチワ漫才、オイオイそんな事やってる場合かよ。かりにも国の最高機関なんだから国や国民を脅かす火急の難題を最優先で討議してくれ笑いを取ってどうすんだ。
それからもう一つ強く言いたいのは、大震災の時に国や東電等はどういう行動をとり、どんな誤りを犯したのか細大漏らさず検証を尽くしたのであろうか。私の目線ではとてもそうは思えない。もしやったのであれば結果を広く国民に開示して今後の教訓としなければ、犠牲になられた方々の魂も浮かばれない。