10月23日(木)
先月27日に発生した御嶽山噴火では死者56名という思いもよらぬ大惨事になった。そして7名の行方不明者を残したまま今年の捜索は終わった。そんな中で遭難した人々の状況も少しづつ判ってきているようだ。
遭難者の一人で小学5年生の女の娘、長山照利さんに着せられていたジャンパーの事が記事になり、ジャンパーの持主は近江屋洋さんという26歳の男性であるという事が判った。
噴火直後噴石が降り注ぐ中、岩陰に隠れていた長山さんは「寒い寒い」と震えていたので、近くに居た近江屋さんが自分のジャンパーを着せ与えたと、その時一緒に居た女性が証言して判明したそうだ。
何というヒューマンドラマだろう。その状況を想像するだけで胸が締め付けられるような思いがする。その後3人はバラバラになり、近江屋さんは山頂付近、長山さんは山頂から15分程離れた場所で遺体となって発見された。いずれも噴石の直撃が原因という。一緒に居た女性は助かったのだから生死の分れ目は偶然の悪戯と言うしかない。
写真で見る長山さんは、利発そうな可愛い女の娘だし、近江屋さんは誠実な感じの好青年、お二人とも事故さへ遭わなければ充実した人生が待ち受けていたであろう。他人ながら同じ日本人として、又登山を愛好する者として残念で哀しくてならない。