7月15日(水)
「今日も雨、いつまで続く梅雨空よ」そんな俳句が浮かんできそうな天気が続いています。晴れマークが出たら山へ行くぞと思いつつも、仕方なく読書三昧の日々を過ごしています。人生の黄昏時なのに、こんなに教養を身につけたって意味ねーんですがね。
と、どうでもいいような前置きを書いたところで、今回もチョット感動した本があったので、前回のブログに引き続きご紹介したいと思います。それは「娘になった妻、のぶ代」という題名で、著者はタレントの砂川啓介さんです。
砂川さんの奥さんと言えば「ドラえもんの声」で有名な大山のぶ代さんです。お二人は芸能界のおしどり夫婦として知られていましたが、のぶ代さんが認知症を発症し、それを砂川さんが世間に公表した事で大きな話題となりました。
この本は砂川さんが認知症の妻のぶ代さんを介護した日々の記録をまとめたものです。読み進んで行くと、認知症の介護が如何に過酷なものであるかヒシヒシと感じ取れます。砂川さん自身も介護に疲れ果て、「一緒に死んでしまいたい」、「何処かへ逃げ出したい」などと赤裸々な言葉で苦悩を綴っています。
何より一番辛いのは、愛する人の人格が日々壊れていく、その現実に直面しなければならぬ事ではないでしょうか。しかし砂川さんは苦悩しながらも介護の日々の中に小さな希望を見出しながら、献身的に介護を続けるのです。
そんな厳しい介護のストレスもあったのでしょうか、先年砂川さんは愛妻を残しまま突然お亡くなりになってしまいました。どれ程心残りであったでしょうか。認知症という過酷な運命の中にあっても結ばれた深い絆と夫婦愛、涙無しには読めない本です。ぜひご一読をお勧めします。