透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

『沈黙の春』その3

2014-02-07 15:12:14 | 日記

『沈黙の春』のまえがきから

「1958年の一月だったろうか、オルガ―・オーウェンズ・ハキンズが手紙を寄こした。彼女が大切にしている小さな自然の世界から、生命という生命が姿を消してしまったと、悲しい言葉を書きつづってきた。まえに、長いこと調べかけてそのままにしておいた仕事を、またやりはじめようと、固く決心したのは、その手紙を見たっときだった。どうしてもこの本を書かなければならないと思った。」

この文章に続けて、レイチェル・カーソンは、この本を執筆するに当たり、大勢の様々な職種の方々の協力を得たことに感謝の言葉を綴っている。

そして「そのほかたくさんの人々のおかげをどれほどこうむったかを記して、このまえがきを終りたい。個人的には知らない人たちが大部分だが、こういう人たちがいるということにどれほど勇気づけられたことか。この世界を毒で意味なくよごすことに先頭をきって反対した人たちなのだ。人間だけの世界ではない。動物も植物もいっしょにすんでいるのだ。その声は大きくなくても、戦いはいたるところで行われ、やがていつかは勝利がかれらの上にかがやくだろう。そして、私たち人間が、この地上の世界とまた和解するとき、狂気から覚めた健全な精神が光りだすであろう。」

この本が1962年に発行されたことを、うっかり忘れるところだった。

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