「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「車輪の一歩」 (1)

2010年05月02日 19時48分05秒 | 映画
 
 昨日は 障害者の話を書きましたが、 介護の仕事を 始めたせいもあるのか、

 街中で車椅子の人が 非常に目につくようになりました。

 外に出れば、 1日に2~3人は 車椅子の人を見る気がします。

 車椅子を押してもらう高齢者も、 自分で動かす 障害者の人もいますが、

 車椅子で外出する人が 昔に比べて増えました。

 山田太一さんの  「車輪の一歩」 という話を ご存じでしょうか? 

 約30年前、 ドラマ 「男たちの旅路」 の中の 1話として放送されたものです。

 当時、 車椅子で外に出るというのは、 とても珍しいことでした。

 普通の人は、 車椅子にはブレーキが付いている ということも、

 なかなか知らない時代でした。

 ドラマでは、 下半身麻痺の女性・ 良子 (斎藤とも子) は 母親と二人暮らしで、

 ずっと家に 閉じこもっています。

 母親 (赤木春恵) は、 娘が外に出れば 人様に迷惑をかける、

 娘は 自分が絶対に守る、 という信念で 娘を抱え込んでいます。

 そんな良子に、 同じ車椅子の男性たちが、 外へ出ようと働きかけます。

 良子はためらいつつも 外へ出ますが、

 踏み切りで 車椅子のタイヤが線路に挟まり、 電車が迫ってきます。

 車椅子の人たちだけでは タイヤを外せず、

 危ういところを 健常者に助けられますが、 良子は失禁してしまいます。

 母親は、 だから 嫌だと言ったんだ!  一番傷つくのは この子なんだ! 

 と 泣いて訴えるのです。

 男性たちは 無力感に囚われます。

(次の記事に続く)
 
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