(前の記事からの続き)
良子たちを見守っていた 主人公の吉岡 (鶴田浩司) は、
沈思熟考の末に 口を開きます。
「人に迷惑をかけない」 という価値観は、
誰も否定できないものとして 受け入れられている。
しかし、 人に迷惑をかけてもいいんじゃないか、
ぎりぎりの迷惑は かけなければいけないんじゃないか、
周りの人も それを迷惑と思わない社会に なるべきではないか、 と……。
そして ラストシーン、 良子は勇気を出して、 一人で街へ出ていきます。
駅の階段の前で、 良子は声を振り絞ります。
「……誰か……、 助けてください。
私を、 上に上げてください……!」
物陰から 涙を堪えられずに 見ている母親。
近くの男性2~3人が 手を差し伸べるところで、 ドラマは終わります。
こういう人たちの 勇気が積み重ねられて、 現在の 車椅子の風景があるのですね。
このように、
心の障害も 人々に受け入れられる社会が、 早く来てほしいと願います。
ボーダーの人の 激しい言動も、
周りの人が迷惑と考えずに 受け止められるような社会が。
でも、 車椅子の人に 手を貸すことは まだ容易ですが、
ボーダーの人の言動は 周りの人を強く傷つけたり、 翻弄させたりしてしまいます。
本人だけでなく、 周囲の人も 困窮を極めるのが、
まさしくボーダーの 難しいところです。
車輪の一歩よりも “ジェットコースターの一歩” は、
見上げるほど高い壁が あるかもしれません。
それでも、 僕たちはその一歩を 踏み出していかなければなりません。
そして それが 人々に理解される時代は、 いずれ必ず来ると 信じています。