今回から、 パート3 「内へ向かう段階」 になります。
パートナーとの関係のなかで、 皆さんが何を求めているか、
探検者になったつもりで 明らかにしてください。
それは 無意識的なものが多いでしょうから、
セラピストの助けが 必要になるかもしれません。
私たちは一体 どのような人と恋に落ち、
また その人と恋に落ちるのは 何故なのでしょうか?
これは 人生最大の謎のひとつです。
何故 今のような関係を 持つことになったのか、
その道のりを明確にし、 何らかのパターンがあるかどうか、
現在の関係を ありのままに 冷静な目で見ることが必要です。
私たちは 基本的にふたつの理由から パートナーを選ぶといいます。
ひとつは、 自分を育ててくれた人たちの 肯定的な面と 否定的な面の両方を、
相手が持っていること。
もうひとつは、 私たちが子供の頃に 奪われてしまった
自分の肯定的な面と 否定的な部分を、 相手が補ってくれること。
そのような最初の関係が、 現在の状況に 影響を与えたことは確かでしょう。
自分や相手を責めるのではなく、 何故このような関係に 足を踏み入れたのか、
そして何故 身を引くことになったのか、
当時の関係を 素直に見つめることが大切です。
ある男性の例です。
彼は長子として生まれ、 幼い弟妹の 面倒を見ることで、
自分の価値を認められると 感じていました。
父親はアルコール依存症だったため、
一家の大黒柱になる 無言のメッセージがあったかもしれません。
その後 彼は、 パートナーとの出会いと別れを 2回経験しましたが、
そのふたりには 明確なパターンが浮かび上がってきました。
ふたりとも 周囲の世話が必要な 人物だったのです。
彼らの世話をすることで、
彼は自分が愛されていること、 必要とされていることを実感しました。
その関係は、 共依存以外の 何ものでもなかったのです。
〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕