「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

衝動的な行動症状に対する薬物療法

2013年09月11日 21時16分19秒 | 「BPD最新ガイド」より
 
 BPDの衝動的な行動症状には、 自他や物に対する 衝動的な攻撃が含まれ、

 自殺関連行動の 主な危険要因です。

 浪費, むちゃ食い, 薬物使用, 性行為に現れることもあります。

 軽はずみな判断をするといった 認知的側面に影響があるかもしれません。

〈SSRI抗うつ薬〉

 衝動的行動に対する治療の 第一選択となる薬です。

 効果が不充分な場合には、 MAOI抗うつ薬, 気分調整薬が検討されます。

 暴力など 性急な効果が必要な場合には、

 期限を限って 低用量の抗精神病薬の筋肉注射が 必要かもしれません。

〈気分調整薬〉

 炭酸リチウムは、 投与量が多すぎると 重大な副作用を 引き起こす恐れがあり、

 過量服用が致命的となりかねません。

 定期的な血液検査で 血中濃度をモニターする必要があります。

 カルバマゼピンは、

 感情統制不全と行動面の症状の 両方に用いられる 抗けいれん薬です。

 ディバルプレックスは、 不安定な気分と 攻撃的行動に対して有効です。

 共に 定期的な血液検査が必要です。

○ 薬物療法の継続期間

 認知-知覚的症状に対する 低用量の抗精神病薬は、

 短期的使用 (数週間~数ヶ月) が現実的でしょう。

 感情統制不全と衝動的行動の 治療の場合、

 患者がストレスに うまく対処できるようになるまで、 薬を続ける必要があります。

○ 結び

 BPDの薬物療法は 試みの段階です。

 混乱した対人関係を 治療するものではありませんが、

 精神療法の効果を増す 治療法です。

〔 「境界性パーソナリティ障害最新ガイド」 星和書店 (林直樹訳) 〕より
 
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