私の問題は かなり早い時期に始まりました。
11歳の時に、 母と揉めていたことを覚えています。
母は酷く怒っており、
私は 自分の内側の世界に逃げ込むと、 ふたつに 「分裂」 しました。
自分の身体から 内的な自分を取り出し、 箱の中に入れるのを想像しました。
私は 「消えて」、 自分の好きなときに 戻ってこられましたし、
その時の記憶を 持つ必要もありませんでした。
現実は、 精神疾患なんて言葉が 許されない世界でした。
高校生の時、
私は 二人の人間がいるように 「分裂」 する練習をして過ごしました。
別々の世界に出入りして 精神的な漂流をしていました。
独りぼっちでいることが恐くてたまらず、
その場しのぎの 薬, アルコール, 自傷行為, 自殺企図に走りました。
成長するにつれて私は、 愛らしく、 人に受け入れられる
見せかけの姿を装うことが できるようになりました。
大学卒業後、 働きに出て結婚しました。
子供を持つようになり、
26年を経た現在でも、 夫と私は お互い深く愛し、 尊敬し合っています。
自己同一性がないために発生する 問題を抱えていましたが、
いつでも 「分裂」 することができました。
母が亡くなると、 またしても私は 疑い深くなり、 自殺の思いに捕らわれ、
向こう見ずな衝動に 走るようになりました。
虚しさや恐れ, 自己嫌悪に耐えられず、 しばしば解離状態に陥りました。
もし家族が 私について本当に知ってしまったら、
彼らは私を見捨てるだろうと 考えていました。
でも私の家族は、 私が苦しんでいることを知っていました。
〔 「境界性パーソナリティ障害最新ガイド」 星和書店 (林直樹訳) 〕より
(次の記事に続く)