「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

家族の経験についての考察 (3)

2013年09月26日 20時54分34秒 | 「BPD最新ガイド」より
 
(前の記事からの続き)

○ 私たち自身が変わる

 楽観的で、 同時に現実的でいるのは、

 BPDの人に 要求されていることでもあります。

 患者にも家族にも、

 感情や考え方のパターンを 観察しながら、 内面的な変化が求められます。

 失敗を繰り返す患者を見守るには、 強い信念が必要となります。

 失敗は故意ではなく、 未熟さのためだと捉えれば、 幸せを探す動機となるでしょう。

 BPDの人は、 苦しみを癒す技能が 不足しているのです。

 自分自身の面倒を見ることができないなら、 他の誰の面倒も見ることできません。

 家族は、 BPDの人のために 快適な家庭環境を作る努力をし、

 自分たちの精神的健康を 維持しなければなりません。

○ 有効な治療を見つける

 精神医療サービスでは、 患者を助けるための 精神的援助が家族に行なわれます。

 将来は、 統合失調症や自閉症と同様に、

 BPDの原因と治療の研究が さらに広がるでしょう。

 恐らくいつの日か、 BPDの正確な診断, 効果的な治療,

 家族や友人へのサポートが 可能になるでしょう。

 BPDの診断には それに先立つでき事があります。

 家族への援助が 大きな違いが生じるのは この時です。

 家族の外傷的経験を癒してくれる サポートが得られたとき、

 家族は 治療チームの重要な一員となれるのです。

○ 自分自身の人生を生きる

 何もかも失われてしまったように 思われる時でも、

 希望は生き続けることができます。

 自分の人生を犠牲にしがちですが、 自分自身を大切にすることが重要です。

 あなたのお子さんが 病気になろうと 自ら選択したのではないのと同様に、

 あなたがこの病気を 引き起こしたのではないのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害最新ガイド」 星和書店 (林直樹訳) 〕より
 
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