(前の記事からの続き)
○ 私たち自身が変わる
楽観的で、 同時に現実的でいるのは、
BPDの人に 要求されていることでもあります。
患者にも家族にも、
感情や考え方のパターンを 観察しながら、 内面的な変化が求められます。
失敗を繰り返す患者を見守るには、 強い信念が必要となります。
失敗は故意ではなく、 未熟さのためだと捉えれば、 幸せを探す動機となるでしょう。
BPDの人は、 苦しみを癒す技能が 不足しているのです。
自分自身の面倒を見ることができないなら、 他の誰の面倒も見ることできません。
家族は、 BPDの人のために 快適な家庭環境を作る努力をし、
自分たちの精神的健康を 維持しなければなりません。
○ 有効な治療を見つける
精神医療サービスでは、 患者を助けるための 精神的援助が家族に行なわれます。
将来は、 統合失調症や自閉症と同様に、
BPDの原因と治療の研究が さらに広がるでしょう。
恐らくいつの日か、 BPDの正確な診断, 効果的な治療,
家族や友人へのサポートが 可能になるでしょう。
BPDの診断には それに先立つでき事があります。
家族への援助が 大きな違いが生じるのは この時です。
家族の外傷的経験を癒してくれる サポートが得られたとき、
家族は 治療チームの重要な一員となれるのです。
○ 自分自身の人生を生きる
何もかも失われてしまったように 思われる時でも、
希望は生き続けることができます。
自分の人生を犠牲にしがちですが、 自分自身を大切にすることが重要です。
あなたのお子さんが 病気になろうと 自ら選択したのではないのと同様に、
あなたがこの病気を 引き起こしたのではないのです。
〔 「境界性パーソナリティ障害最新ガイド」 星和書店 (林直樹訳) 〕より