「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

BPDのリスクファクター

2014年01月22日 20時54分52秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
 BPDの原因は ひとつではありません。

 発症の可能性を高める リスクファクター (危険因子) が、

 いくつか存在するのです。

 リスクファクターの数が 多ければ多いほど、 発症の危険性が高まります。

 生物学的要因と環境的要因の、 2種類のリスクファクターがあります。

 どちらか一方が優勢なのではなく、 両方が影響しています。

 生物学的要因が多く存在する場合、 BPDを発症させる 環境的側面はわずかです。

 生物学的要因が少なければ、 環境的要因が多くないと BPDにはなりません。

○ 生物学的なリスクファクター

 生物学的な要因は、 物理的な脳, 脳化学, 遺伝子です。

 それらは互いに絡み合っていて、

 分離するのは、 ケーキの中の 砂糖と卵と小麦粉を分けるのと 同じくらい大変です。

 脳は、 考え方, 感じ方, 行動の仕方を コントロールしています。

 脳内の生物学的障害が、 BPDの人の歪んだ思考, 感情, 行動に影響するのです。

 このことが充分に理解されれば、 愛するBPDの人に共感したり、

 その行動を 個人的なものと見ないようにすることが、 より容易になるでしょう。

 脳は 3段階の構造になっています。

 原始脳, 辺縁系, 大脳皮質です。

 原始脳は、 呼吸, 消化, 心拍など、

 生命を保つ機能を コントロールしています。

 辺縁系には扁桃体 (へんとうたい) があり、 感情を支配しています。(感情脳)

 大脳皮質は思考脳です。

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
 〈監訳: 遊佐安一郎〉 より〕
 
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