○ 拒絶に対する敏感さ
BPDの人は 拒絶されることを心配し、
拒絶されたように感じ、 過剰反応します。
抑うつ的で、 自尊心の低さに苦しんでおり、
拒絶されると信じ込んでいます。
常に 自分の周りに目を配り、 排斥のサインを探し、
ごく小さいことに 意図的な侮辱を見て取ります。
拒絶されていると確信すると、 自分なりの理由を考え、 敵対的に反応します。
あるBPDの人は 次のように述べています。
「しょっちゅう パートナーの顔色を伺って、
『怒ってるの?』 と話しかけてしまいます。
そして パートナーがうるさがり、 本当に怒りだすまでそうするのです。
パートナーが嫌気がさしているのは、 事実のように思えます。
そして僕は 恐怖で一杯になるのです。」
○ 衝動的な攻撃性 (ボーダー・ライオン)
衝動的な攻撃性とは、 フラストレーションと組になっていて、
拒絶や見捨てられの恐れで生じる、 BPDの中核的な特徴です。
はれものに触ってしまったときに起こり、
内側に向かったり (自傷, 自殺)、
外側に向かったり (激怒, 暴力) します。
・ 言語的攻撃性, 身体的攻撃性で、 自他を傷つけるのが目的
・ 外側 (怒りの爆発, 物に当たる, 他者への暴力)、
内側 (自殺企図, 自傷) に 向けられる
・ 衝動的で、 行動の結果を考えていない
・ 不安定な感情, 衝動性, 自殺思考など、 いくつかのBPDの特徴と つながる
・ 論理的な脳と感情的な脳の 「綱引き」 の結果、 論理的な面が負ける
・ 遺伝的でありうる
・ 間欠性爆発性障害など、 衝動抑制障害の構成要素
「ボーダー・ライオン」 は、 圧倒的な感情を、
檻に入っていない猛獣に 例えたものです。
「見捨てられた, 虐待された子供」 を 保護することもします。
ボーダー・ライオンは、 信頼できる関係を築くうえで 最大の障壁になります。
でも、 適切な治療で 飼い馴らすことができるのです。
〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
〈監訳: 遊佐安一郎〉 より〕