「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

拒絶に対する敏感さ, 衝動的な攻撃性 (ボーダー・ライオン)

2014年01月19日 20時00分59秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
○ 拒絶に対する敏感さ

 BPDの人は 拒絶されることを心配し、

 拒絶されたように感じ、 過剰反応します。

 抑うつ的で、 自尊心の低さに苦しんでおり、

 拒絶されると信じ込んでいます。

 常に 自分の周りに目を配り、 排斥のサインを探し、

 ごく小さいことに 意図的な侮辱を見て取ります。

 拒絶されていると確信すると、 自分なりの理由を考え、 敵対的に反応します。

 あるBPDの人は 次のように述べています。

 「しょっちゅう パートナーの顔色を伺って、

 『怒ってるの?』 と話しかけてしまいます。

 そして パートナーがうるさがり、 本当に怒りだすまでそうするのです。

 パートナーが嫌気がさしているのは、 事実のように思えます。

 そして僕は 恐怖で一杯になるのです。」

○ 衝動的な攻撃性 (ボーダー・ライオン)

 衝動的な攻撃性とは、 フラストレーションと組になっていて、

 拒絶や見捨てられの恐れで生じる、 BPDの中核的な特徴です。

 はれものに触ってしまったときに起こり、

 内側に向かったり (自傷, 自殺)、

 外側に向かったり (激怒, 暴力) します。

・ 言語的攻撃性, 身体的攻撃性で、 自他を傷つけるのが目的

・ 外側 (怒りの爆発, 物に当たる, 他者への暴力)、

  内側 (自殺企図, 自傷) に 向けられる

・ 衝動的で、 行動の結果を考えていない

・ 不安定な感情, 衝動性, 自殺思考など、 いくつかのBPDの特徴と つながる

・ 論理的な脳と感情的な脳の  「綱引き」 の結果、 論理的な面が負ける

・ 遺伝的でありうる

・ 間欠性爆発性障害など、 衝動抑制障害の構成要素

 「ボーダー・ライオン」 は、 圧倒的な感情を、

 檻に入っていない猛獣に 例えたものです。

 「見捨てられた, 虐待された子供」 を 保護することもします。

 ボーダー・ライオンは、 信頼できる関係を築くうえで 最大の障壁になります。

 でも、 適切な治療で 飼い馴らすことができるのです。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
 〈監訳: 遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする