「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

5つの機能不全

2014年01月20日 21時44分56秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
○ 「あなたのせいよ」

 BPDの人は、 他者を責めることによって、

 自分の行動の責任を 回避しようとします。

 自分に欠陥があることを 認めるのを避けるのです。

 しかし、 この戦略は他者を遠ざけ、 結局羞恥心を和らげることにはなりません。

○ 「どちらに転んでも 勝ち目のない状況」

 何かをしてもしなくても 批難されるとき、

 勝ち目のないシナリオの中に いるようなものです。

 あるノン・ボーダーの人の 例があります。

 「君が落ち込んでいて、 僕が慰めようとすると、

 君は怒って 僕を追いやり、 ひどいダンマリ作戦だ。

 同じ状況で、 一人にしてあげようとすると、 また怒りとダンマリ作戦!」

○ 「投影」

 自分の 良くない特徴や言動についての 嫌な思いを、

 他人のせいにすることで 避けようとします。

  「投影」呼ばれる、 よくある防衛機制です。

 BPDの人は この点でも極端です。

○ 「大嫌い-でも行かないで」

 BPDの人は、 人と親しくなりすぎると 飲み込まれてしまうように感じます。

 すると彼らは、 自分を相手から遠ざけ、 コントロールを避けようとします。

 そうすると 無視されているように感じたり、 見捨てられたようにさえ感じます。

 また親しくなろうとして、 同じことが繰り返されます。

○ 「あなたを試す」

 BPDの人は、 人が 彼らを本当に愛していて、 見捨てたりしないとは信じません。

 愛する人がいずれ別れたり、 見捨てたりすることが分かっていて、

 それがいつ起こるか分からないと、 人生はストレスの多いものになります。

 彼らは、 相手が 自分の行動に耐えてくれるか 見ようとします。

 耐えてくれたら、 次は段階を上げて、 それも受け入れてくれるかを見ます。

 ノン・ボーダーの人が テストに合格すると、

 BPDの人は 相手が正気なのか、 疑問を感じ始めます。

 「どうしてこんな虐待を 受け入れるのだろう? 

 どこかおかしいに違いない」 と 考えるのです。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
 〈監訳: 遊佐安一郎〉 より〕
 
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