マインドフルネス・スキルには、 観察するという 「what」 のスキルと、
価値判断をしないという 「how」 のスキルが含まれます。
マインドフルになったり、 観察したり、 価値判断しないことが難しいときは、
充分にリラックスしていないか、 自分の全体性を 信じていないのかもしれません。
全体性 〔大きな心〕 とは、 海のようなもので、
部分性 (感情, 思考, 心の中のストーリー) は、 波のようなものです。
波と海は 別のものではありません。
波は変化し、 強烈で劇的だったりしますが、 より大きな海の一部なのです。
波と同一化してしまうと、 自分という大きな海との 繋がりを失ってしまいます。
理性的な心と感情的な心を 認識することで、
自分の小さな部分との 頑なな同一化から 解放されます。
気付かなかったり、 当然のことと思っていることに 焦点をシフトすることで、
注意が柔軟でマインドフルになり、
思考と感情との 習慣的な同一化が 打ち破られる可能性が高くなります。
空間と静寂 (沈黙) を マインドフルネスの対象とするのは、
心の 「波」 (強烈な思考と感情) との 同一化から
解放されるための 有効な練習です。
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
[星和書店の許可のうえ掲載]