「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

感情調節スキル: 基礎編

2016年09月12日 20時40分29秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
感情とは何か
 
◎ あなたの感情とは: 一次感情と二次感情
 
 感情とは、 何かが起きていることを知らせる 身体の信号です。
 
 でき事に対する最初の反応は、 「一次感情」 と呼ばれています。
 
 でき事について 考えずに生じます。
 
 一次感情に加えて、 二次感情を経験する可能性もあります。
 
 これは一次感情に対する 感情的反応です。
 
 二次感情は、 気持ちについての気持ちです。
 
 例えばAさんは、 怒るようなことをされたときに 怒鳴りました。
 
 でも後になって、 怒ったことに後ろめたさを感じました。
 
 怒りは一次感情で、 後ろめたさは二次感情です。
 
 ひとつの一次感情に対して、 複数の二次感情を 経験することもあります。
 
 Bさんは プレゼンをすることに不安を感じました。
 
 不安を考えては、 プレゼンができない自分を 役立たずに感じ、 落ち込みました。
 
 でもプレゼンが終わると、 大騒ぎしたことに気がとがめました。
 
 不安は一次感情で、 無価値感, 落ち込み, 罪悪感は二次感情です。
 
 一次感情より 多くの苦痛を引き起こす 二次感情によって、
 
 連鎖反応を誘発する可能性もあります。
 
 一次感情が何かを見極め、 二次感情に圧倒される前に 対処することが、
 
 極めて重要なのです。
 
 圧倒されるような感情を持つ人は、
 
 不安に対して アルコールや自傷, むちゃ食いを選んだりするかもしれません。
 
 「感情調節スキル」 は、 苦痛な一次感情と二次感情に対して、
 
 新たに、 より健康的に対処するための、 弁証法的行動療法の重要部分です。
 
 一次感情をコントロールするのは難しくても、
 
 感情への対処法の選択や、 二次感情をコントロールするのは 習得可能です。
 
 そして、 マインドフルネス・スキルを使うと、
 
 一次感情さえ コントロールできる可能性もあるのです。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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