「マインドフルネス」 は、 瞑想としても知られますが、
世界の多くの宗教において 教えられてきた有益なスキルです。
最近ではマインドフルネスの技法が、
弁証法的行動療法 (DBT) などにも 取り入れられるようになりました。
マインドフルネス・スキルは、
大うつ病を低下させ、 不安症状や慢性的な痛み, むちゃ食いを減らし、
苦悩への耐性やリラクセーション効果, 困難への対処を向上させてくれます。
マインドフルネスは DBTの最も重要な 中核的スキルのひとつです。
マインドフルネスとは、
自分自身のことや、 自分の経験について 価値判断や比較, 批判をせずに、
今このときにおける 自分の思考, 感情, 身体感覚, 行動を
ありのままに捉えるための 能力のことです。
「一期一会 (今このときは この瞬間しかない。 一時一時をを大切に生きる)」や、
「日々是好日 (どんなことが身に起きようと、 その日一日を否定せずに
「これでよいのだ」 と受け入れる)」 は、
マインドフルネスになるということです。
皆さんは、
多くの異なることを考え、 感情を感じ、 身体的な状態を感じ、 行動しています。
マインドフルになればなるほど、 自分の人生を より管理できるようになるのです。
「ひとつひとつの 現在の瞬間において」
意識していられるように 学ぶことが大切です。
思考や感情, 感覚, 行動も、 それぞれの状況で 全く同じことはありません。
瞬間瞬間において異なるものであり、
自分の経験が いかに変化するかについて マインドフルになることが大切なのです。
現在の瞬間における 自分の経験を充分に、 ありのままに捉えるためには、
それを行なうときの自分自身, 自分の状況, 他の人々を、
批判しないこと, 価値判断しないことが必要不可欠です。
これを 「徹底的受容」 と呼びます。
多くの人々は 多くの時間を、 過去の過ちや将来について 心配して過ごします。
彼らは つらい過去や未来の中に 生きており、 人生が極めて困難に感じられます。
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
[星和書店の許可のうえ掲載]
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