インドから帰国する日、デリーで滞在中のホテルの室でこんなTV番組を見ました。
シンガポールのリー元首相です。
大学生を集めて大きなホールで演説したあと、質疑応答になりました。
シンガポールの学生は非常に積極的に質問の手を上げます。
こんな質問が記憶に残りました。
Q「外国人の入国移民数を年間2万人も許可しているのは、反対である。我らの仕事を奪われる。移民をそんなに多数許可する理由は何か?」(シンガポールの人口は約470万人なので、2万人という数字は約0.4%相当)
A「日本を見てみなさい。・・・
米国は、他国から(優秀、勤勉な)人々を積極的に輸入して、それらの人が高い価値を作り出し、あるいは単純労働に従事し、消費して、その結果GDPを増している。ドイツやフランスも同様です」
「一方で、日本はシンガポールと同じく若い人が子供をあまり生まなくなっていて少子高齢化が進んでいる。日本は民族の純粋性を維持するために、外国からの移民を実質的に拒絶して、そのため人口は年々減少。シンガポールが経済成長を維持するには、適切なレベルで人口を増やしていかねばならない。経済がよくならないと国家と市民生活の安定はない」
質問した女子学生に対して、リー元首相が逆に質問「あなたは結婚していますか?」
「結婚していません、博士課程(Ph.D)学生です」
「あなたのPh.Dも大切ですが、ぜひ早く結婚してお子さんを作ってください。それが国家のためにも大切です」(会場から笑い)
・・・シンガポールは経済成長を成し遂げて欧米や日本なみの生活水準を達成しています。周辺国のマレーシア、インドネシア、タイ、インド、ベトナム、中国などからの人々の流入を恐れる意見は当然です。しかし少子高齢化は長い目で見て国家的大問題です。
「反面教師」に取り上げられた日本は、今後も海外からの人々の流入を厳しく拒絶すべきなのでしょうか?
仮にシンガポールにならうとすると、日本人口の0.4%、50万人を毎年受け入れるということになります。
外国人看護師や介護士の試験を、難しくしたままで年間数人程度しか合格させないでいいのでしょうか。日本語にこだわりすぎでしょう。カタカナまじりの英語はすでにかなり流通していると思います。農業に従事する若者がいないならば、老年の農業指導者が生存している間に外国人を含む若者を育成しなくては。海外移転が止まらない製造業の工場を日本に留めるために(いまより低い賃金で)働く勤労者を輸入することもありでしょう。
リー元首相の発言には、「日本はかつて経済成長期にブラジルから(民族的に同根の)日系人多数の「帰国」(日本への移民)を許容した。しかしその多くは適応できなくて元の国に戻ってしまった」と。
シンガポールのリー元首相です。
大学生を集めて大きなホールで演説したあと、質疑応答になりました。
シンガポールの学生は非常に積極的に質問の手を上げます。
こんな質問が記憶に残りました。
Q「外国人の入国移民数を年間2万人も許可しているのは、反対である。我らの仕事を奪われる。移民をそんなに多数許可する理由は何か?」(シンガポールの人口は約470万人なので、2万人という数字は約0.4%相当)
A「日本を見てみなさい。・・・
米国は、他国から(優秀、勤勉な)人々を積極的に輸入して、それらの人が高い価値を作り出し、あるいは単純労働に従事し、消費して、その結果GDPを増している。ドイツやフランスも同様です」
「一方で、日本はシンガポールと同じく若い人が子供をあまり生まなくなっていて少子高齢化が進んでいる。日本は民族の純粋性を維持するために、外国からの移民を実質的に拒絶して、そのため人口は年々減少。シンガポールが経済成長を維持するには、適切なレベルで人口を増やしていかねばならない。経済がよくならないと国家と市民生活の安定はない」
質問した女子学生に対して、リー元首相が逆に質問「あなたは結婚していますか?」
「結婚していません、博士課程(Ph.D)学生です」
「あなたのPh.Dも大切ですが、ぜひ早く結婚してお子さんを作ってください。それが国家のためにも大切です」(会場から笑い)
・・・シンガポールは経済成長を成し遂げて欧米や日本なみの生活水準を達成しています。周辺国のマレーシア、インドネシア、タイ、インド、ベトナム、中国などからの人々の流入を恐れる意見は当然です。しかし少子高齢化は長い目で見て国家的大問題です。
「反面教師」に取り上げられた日本は、今後も海外からの人々の流入を厳しく拒絶すべきなのでしょうか?
仮にシンガポールにならうとすると、日本人口の0.4%、50万人を毎年受け入れるということになります。
外国人看護師や介護士の試験を、難しくしたままで年間数人程度しか合格させないでいいのでしょうか。日本語にこだわりすぎでしょう。カタカナまじりの英語はすでにかなり流通していると思います。農業に従事する若者がいないならば、老年の農業指導者が生存している間に外国人を含む若者を育成しなくては。海外移転が止まらない製造業の工場を日本に留めるために(いまより低い賃金で)働く勤労者を輸入することもありでしょう。
リー元首相の発言には、「日本はかつて経済成長期にブラジルから(民族的に同根の)日系人多数の「帰国」(日本への移民)を許容した。しかしその多くは適応できなくて元の国に戻ってしまった」と。