作業の前後で体重を量ってみる。醤油は飲みすぎかもしれないので減らす。朝食のかわりに梅干し。午前中も飲み物を飲む。飲み物は塩分として醤油を少量まぜる。こまめな水分補給は考えたこともなかった。
熱中症になっても気がつかない。中央労働災害防止協会様HPを見ると、熱中症は脱水症状になっていることがわかる。
脱水したかどうかは体重減少でわかるので、作業前、後で測定する。体重の1.5%以上減少していれば脱水症状。ペットボトル1Lより少ないぐらい。汗と尿で出ていく。ビックリ、少ない。飲みすぎていて大根おろしに頼っている。
水分だけの補給はやめて、塩分も同時に補給。塩分は1Lの水に対し塩一つまみ1~2g。これもビックリ。少ない。どう見ても醤油入れすぎ。少量にする。
特に、猛暑日の午後、アスファルト、コンクリートの上では作業しない。
中央労働災害防止協会様HPから抜粋させていただきます。
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平成 27 年 3 月
熱中症予防対策のためのリスクアセスメント
マニュアル作成委員会
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ーーーーー渇き感が生ずるので自発的に水分補給されることが多い。しかし水分のみを摂取して汗に失わ
れた塩分を補給しないと前述の熱痙攣やのどの渇きを伴わないさらなる脱水の危険(自発的脱水)が生ずる。脱水により血液の粘性が高まり心臓に対する負荷が増大する。
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平成 25 年も平成 22 年に匹敵する猛暑となり、平成 22 年に次ぐ 30 件の死亡災害を記録した。平成 22 年から 25 年までの 4 年間の熱中症の発生状況を業種別にみると、死亡災害は
建設業が最も多く製造業がそれに続き、この2業種で全体の半数以上を占める(図Ⅰ-3)。
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月別の発生状況をみると、最近では 6 月から 9 月にかけて発生しているが、特に 7 月と 8月に多発している(図Ⅰ- 4、表Ⅰ- 1)。
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熱中症死亡災害の発生時間帯は、午後 4 時台をピークに午後 1 時台から午後 5 時台までの時間帯に多発しており、全体の半数以上を占めている(図Ⅰ- 5)。
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作業を開始してから死亡災害が発生する日数を見ると、作業開始から数日の間に多く発生しているが、特に暑熱作業に慣れていないと思われる初日から3日目に多発している(図Ⅰ- 6)。
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表Ⅰ- 2 熱中症の発症に関連する要因
(1) 環境要因
・気温が高い
・湿度が高く蒸し暑い
・放射熱が強い(炎天下で直射日光あるいは周囲の地面や壁面からの照り返
しが強い。周囲に炉などの発熱体がある。)
・風の有無(涼しい風がない。あるいは、熱風がある。)
(2) 作業要因
・作業強度が強い
(重量物を人力で運搬する。重い工具をつけて身体を激しく動かす。)
・休憩時間が少ない(絶えず時間に追われて自分のペースで作業をできない。)
(3) 衣服・装備要因
・通気性・透湿性の低い衣服を着用している
・保温性・吸熱性の高い衣服を着用している
・安全衛生保護具を着用している
(保護帽、保護手袋、安全靴、呼吸用保護具など。)
(4) 作業者要因
・水分・塩分の補給が不十分である(こまめに水分塩分を補給できない。)
・暑さに慣れていない(梅雨明けの急に暑くなった時期に作業をする。)
・下痢・脱水状態にある
・病気をもっている(高血圧、心疾患、糖尿病、腎臓病、全身性皮膚疾患、
精神疾患など。)
・自律神経系に作用する薬物を服用している
・肥満、運動不足である
・体調不良である(睡眠不足、二日酔い、風邪気味、発熱、下痢など。)
・体力がない
・朝食をとっていない
・高年齢者である
・熱中症の危険認識がなく、予防対策の教育を受けていない
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(1) リスクアセスメントの基本
リスクアセメントとは、職場や作業が関係して生ずるおそれのある健康障害の重篤度と発生可能性(リスク)を調査し、労働災害が発生するリスクの大きさを評価することである。具体
的には、職場に存在する危険又は有害な要因を特定(危険性・有害性の特定)し、特定した要
因によるリスクを見積もり(リスクの見積り)、見積もったリスクを既存の科学的な評価基準などと比較して受容可能な水準かどうかを評価(リスクの評価)し、受容できない水準ならばリスクを低減するための具体的な対策を検討して実施し(リスクの低減)、その結果、残存したリスクについて再評価することである(図Ⅱ- 1)。
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労働者の就業に係る危険性又は有害性の特定
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特定された危険性又は有害性ごとのリスクの見積り
⇩
見積りに基づくリスクを低減するための優先度の設定
リスク低減措置の内容の検討
⇩
優先度に対応したリスク低減措置の実施
図Ⅱ-1 リスクアセスメントの流れ
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表Ⅱ- 1 職場において熱中症の発症に関わる危険性・有害性を有する要因(ハザード)リスクの見積り、評価を行う要因
1 暑熱な環境
WBGT が高いこと 例:高温多湿な屋外での作業である。
気温が高いこと 例:内燃機関や電気器具が密集している。
相対湿度が高いこと 例:調理器具やボイラーの蒸気が立ち込めている。
風がないこと 例:ビルに囲まれた現場である。
輻射熱(放射熱)を受けること 例:炎天下である。屋内に炉がある。路面の照り返しがある。
2 身体負荷の高い作業
筋力を使うこと 例:スコップで掘る。ハンマーを打つ。
重量物を取り扱うこと 例:運搬作業に従事する。重い工具を持つ。
昇降を繰り返すこと 例:階段を頻繁に上下する。
長距離を移動すること 例:広い範囲の設備を見回る。
速い動作を繰り返すこと 例:ラインの動きに合わせて組み立てる。
3 通気性・透湿性の低い服装
皮膚が広く覆われていること 例:安全面の制約で長袖・長ズボンである。通気性の悪い着かたであること 例:ネクタイを着用している。作業着が肌に密着している。
透湿性の悪い素材であること 例:吸湿性が高く乾きにくい素材の衣服を着ている。
4 装備(身体冷却用のものを除く)
安全衛生保護具をつけていること 例:呼吸用保護具、手袋、手甲などをつけている。
防護服を着ていること 例:化学防護服やウェットスーツを着ている。
総合リスク評価時の考慮要素
1 拘束時間の連続
長時間続けて作業すること 例:作業空間に入ると一段落するまで止められない。
自己判断で休憩が取れないこと 例:チームで連携しながら作業をしている。
2 飲料(水分・塩分)の摂取しにくい作業
飲料を取得できないこと 例:必要な量の飲料を持ち歩くことができない。
飲料が摂取できないこと 例:有害化学物質を使用するので飲食は禁止されている。
3 不十分な休憩場所
安静を確保できないこと 例:休憩場所に背もたれのある椅子がない。
飲水をしにくいこと 例:給水設備が足りない。水筒を保管できない。
体温を冷却しにくいこと 例:空調の効きが悪い。扇風機の効きが悪い。
4 不十分な管理体制
体調を尋ねていないこと 例:監督者が作業前に体調を尋ねていない。
監視をしていないこと 例:一人作業である。監督者が巡回していない。
教育をしていないこと 例:熱中症予防の教育が実施されていない。
事例が報告されていないこと 例:熱中症を疑う事例を把握し報告する仕組みがない。
実際の現場において、暑熱な環境は、日々刻々と変化するものも多い。また、職場内の場所によって異なるものも多い。熱中症を予防する指標として国際的に使用されている
WBGT(wet bulb globe tempereture、湿球黒球温度指標)は、その推定値が環境省熱中症予防情報サイト(http://www.wbgt.env.go.jp/)でーーーーー環境が異なるので、直接、測定することが望ましい。
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(3) リスクの見積り
リスクの見積りは、特定したそれぞれのハザードについて定量的に実施することが望ましい。
しかし、実際には、現場で正確に測定するための適当な手法が存在しないなどの理由から見積りが難しいハザードもある。また、非常に多くのハザードが関係することから、すべてについ
て見積りを行うことは困難である。したがって、本マニュアルでは、いくつかの重要なかつレベル分けが可能な要因に注目してリスクを見積もり、全体のリスクを評価することとした(表
Ⅱ- 2)。
表Ⅱ- 2 本マニュアルでリスクの見積りをするために採用した指標
1.暑熱環境
WBGT、気温、相対湿度
2.作業強度 注)
メッツ(METs)、動作強度(Af)、エネルギー代謝率(RMR)、作業強度比較表
(筋力、取扱い重量、階段昇降回数、移動距離、動作速度、繰り返し頻度、最大心拍数、 METs 時)
3.衣服・装備
通気性の低さ、透湿性の低さ、安全衛生保護具(冷却用のものを除く)の着用
注)作業強度に関する各指標の定義は次のとおり
METs = 運動時のエネルギー消費量/安静時のエネルギー消費量
Af = 運動時のエネルギー消費量/基礎代謝量
RMR =(運動時のエネルギー消費量-安静時のエネルギー消費量)/基礎代謝量
また、安静時代謝量が基礎代謝量の 1.2 倍と仮定した場合の換算式は次のとおり
METs = RMR / 1.2 + 1
= Af / 1.2
= %VO2max(最大心拍数/安静時心拍数- 1)+1(エアロビックな活動である場合)
リスクの見積りは、次の手順で行う。
① 暑熱環境のリスク(EL)の見積り
② 作業強度のリスク(ML)の見積り
③ 衣服・装備のリスク(IL)の見積り
④ 作業強度と衣服・装備のリスクの見積り
⑤ 総合リスク(RL)の評価
⑥ 残留リスクの修正
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2.リスク低減措置
リスク低減措置の方法として、「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」では、法令に定められた事項がある場合にはそれを必ず実施するとともに、次に掲げる優先順位でリスク低
減措置内容を検討の上、実施するものとするとされている。
ア 危険な作業の廃止・変更等、設計や計画の段階から労働者の就業に係る危険性又は有害性を除去又は低減する措置
イ インターロック、局所排気装置等の設置等の工学的対策
ウ マニュアルの整備等の管理的対策
エ 個人用保護具の使用
ただし、このマニュアルでは、
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④ 作業の中止、暑熱作業以外への変更
屋内作業では1日の温度変化がない場合が多く、作業を行う時間帯を考慮し暑熱作業を避けることは容易ではない。しかし、屋外作業では、熱源は太陽(直射日光)が対象になり日中の WBGT 値が高い時間帯を避けることが比較的可能である。そのため、サマータ
イムを導入し、日中の作業を避け朝や夕方に作業を行ったり、作業工程を見直して屋外作業を夏季以外の時期に実施できないか検討する(図Ⅱ- 3)。………
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梅雨明けの急激に気温が上昇した時に、熱中症が多発することが知られている(図Ⅱ-
5)。梅雨明け直後は、作業負荷を減らし、普段よりこまめに休憩を取らせて水分・塩分
を補給させるとともに、涼しい休憩所などで深部体温を低下させるなどの配慮が必要である。また、お盆休み明けにも熱中症が増加する傾向がある。これは、お盆休みで数日間、暑熱作業から離れることで暑さへの順化が喪失してしまうためである。お盆休み明けにも
梅雨明けと同様な作業管理の配慮が必要である。さらに、ゴールデンウィーク明けの急激な気温の上昇、残暑のぶり返し等でも、暑さへの順化がない、あるいは喪失していることがあるので、同じ配慮が必要である。
日常生活で暑さへの順化をさせるには、入浴時の半身浴やサウナで汗をかくだけでも効果がある。しかし、じっとしているだけでは順化に時間がかかるため、軽い運動(ウォーキング、ジョギング、自転車等の汗をかく運動)を組み合わせると 1 週間程度で暑さへの順化ができる。梅雨の間はシャワーで済ませず浴槽につかってしっかり汗をかくように心がける。日ごろからウォーキングなどで汗をかく習慣を身につけて暑さへの順化をしていれば、夏の暑さにも対抗しやすくなり、熱中症にもかかりにくくなる。
ーーーーー
③ 水分・塩分摂取の容易さ
水分・塩分摂取が自由にできない場合も、総合リスク評価が1段階上がることになる。
一般的に、人は1日約 2.5ℓの水分を体内から失う(尿:約 1,500mℓ、呼気や皮膚から失われる水分:約 900mℓ、便:約 100mℓ)。体温が上がると、汗が体表面を濡らし気化することで体温を下げるラジエータのような働きをする。暑熱作業では 1 時間に 2ℓ以上の汗をかくこともあり、意識して水分の摂取を心がける必要がある。大量の汗をかいた時は、その分の水分と塩分を補給しなければならない。かいた汗の量を知るためには、作業前後の体重を比較するとよい(図Ⅱ-6)。
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大量に汗をかいた時に、水だけを飲むと…血液のナトリウム濃度が下がり、発汗量に見合った量の水を飲めなくなる(自発的脱水;図Ⅱ-7)。同時に余分な水分を尿として排泄するため、汗をかく前の体液を回復できなくなり、運動能力が低下し、体温が上昇て、
熱中症の原因となる(熱痙攣等)。汗で失われる塩分(ナトリウム)もきちんと補給することが大切である。
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塩分の目安は0.1~0.2%程度(ナトリウム量17~35mEq、40~80mg(100mℓ中))。
1ℓの水に塩をひとつまみ(1 ~ 2g)入れた食塩水は、職場でも簡単に用意できる。飲みやすく、冷えたスポーツドリンクを入れたポットやジャグを職場の身近に備えておくことが勧められる。また、ナトリウムは、ごま塩、塩の錠剤(飴、サプリ、グミなども含む)、梅干などからも摂取できる。塩飴 1 錠を舐めながらコップ 1 杯の水を飲むという方法でもよい。
なお、大量の発汗の時には、スポーツドリンクではナトリウムの含有量が少ないため、十分な水分とナトリウムが吸収できないことがある。
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「のどが渇いた」「口の中が乾燥する」「尿量の減少」「体温上昇」「脈拍が多い」と感じるのは、脱水により体重が 2 ~ 5% 減少した時である。つまり、これらの症状を自覚した時には既に脱水状態になっている。自覚症状にかかわらず、作業開始前と作業中 20 分くらいごとに 100 ~ 200mℓ程度の水分とナトリウムを計画的に補給するのが、熱中症予防には効果的である。さらに、労働者の水分とナトリウムの摂取を確認するための記録表を作成して作業場内に掲示し、管理監督者などが作業中に巡視で確認する。
冷えた水やスポーツドリンクを飲むと、水分補給だけでなく、深部体温を下げる効果が期待できる。ただし、冷たすぎると吸収が悪くなるため、冷やす場合も 5 ~ 15℃とする。
表Ⅱ- 11 水分・ナトリウム補給のポイント
・こまめに水分・ナトリウム補給
(作業開始前、及び作業中 20 分毎に 0.1 ~ 0.2% の食塩水、スポーツドリンクなどを 100 ~ 200mℓ程度(コップ 1 ~ 2 杯)飲む)
・のどが渇く前に水分・ナトリウム補給
・大量の発汗時は、経口補水液も利用
(5) その他の熱中症予防・重症化防止のための対策
本マニュアルではリスクの見積りを行う対象としていないが、熱中症のリスクを低減させたり重症化を防ぐための対策として次のような対策がある。
① 休憩(室)
作業場所又はその近隣に休憩室を設置したり、直射日光や照り返しを遮る簡易な屋根を備えた休憩場所を設置する。ーーーーー飲料水や氷を用意したり、塩分の補給のための塩飴や梅干し等を用意する。冷蔵庫などにはおしぼりなどを入れておき、いつでも使えるようにしておく。なお、身体が 24℃未満の涼しすぎる空気に直接触れると、皮膚表面の血管が縮んでかえって熱の放散がしにくくなるので休憩室は 24℃から 26℃程度になるよう温度管理に配慮する。
休憩室には身体状況の確認として、体温計や体重計、脈拍計を備えておき、必要に応じて体調を確認するようにする。
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○ 風邪気味、下痢や嘔吐などの体調不良ではないか?
・・・これらの体調不良時は、体内の水分やナトリウムが喪失するため、普段よりも脱水状態が著しくなり、熱中症になりやすい。
○ 前日に飲酒が多くなかったか?
・・・起床時には、普段よりも脱水状態になっている。
○ 朝食を抜いていないか?
・・・起床時には既に脱水状態になっているので、暑熱労働者は、必ず朝食を摂り、水分・塩分を補給すること。
○ 寝不足ではないか?
・・・寝不足は、暑熱にさらされた身体の体温コントロールが難しく熱中症になりやすい。
作業終了後時間が経過してから発症する事例もあるので、作業中だけではなく作業終了後も体調の確認は必要である。体温や体重を確認し、回復が遅い場合は、一人にさせないなどの配慮が必要である。
表-13 作業中、作業終了後の体調チェックポイント
○ 定期的な水分・塩分(ナトリウム)補給状況
○ 脈拍の増加
○ 体温の上昇
○ 体重の減少
○ 声かけの応答状況
○ めまい・失神
○ 筋肉痛・筋肉の硬直(こむら返り)
○ 頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感
○ 意識障害・痙攣・手足の運動障害
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4.残留リスクへの対応
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体重を測定した結果、 作業開始前より、1.5% を超えて体重が減少している場合
脈拍を測定した結果、 1 分間の心拍数が、数分間継続して、180 から年齢を引いた値を超える場合
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