【河田せいじ氏寄稿】
今回の自衛隊の震災活動を通じて出てきた第二の課題は「島嶼防衛への備え」です。
「困ったときの友こそ真の友」という諺がありますが、米軍が2万人の兵力をフル回転させての「トモダチ作戦」を展開する一方、自衛隊の約半数が震災支援活動に投入され、国防が手薄になった隙を狙って「火事場ドロボウ」をするような国もあります。
3月26日、東シナ海で、中国のヘリが、海上自衛隊の護衛艦「いそゆき」に異常接近。続いて4月1日にも、同じく東シナ海で、中国の双発プロペラ機が「いそゆき」に近接飛行しました。3月7日以降、3回目となる海上自衛隊艦船への挑発行為です。
さらには、ロシアも3月17日と21日の二回、我が国の領空に接近しました。
いずれも、10万人体制で災害派遣にあたる自衛隊の対処能力を試しているものと思われます。
表向きは、大震災への支援と協力を表明しつつ、裏では実にしたたかなのが我々の隣国です。
香港で一番発行部数の多い新聞社「東方日報」は、3月19日の論評で「日本が大震災で混乱している機に乗じて、中国は尖閣諸島を奪取すべきだ」と主張しました。
また、先日の31日に中国が発表した防衛白書には「領土問題においては、尖閣諸島(中国名:釣魚島)問題では絶対に譲歩しない」と言及しています。
自衛隊の震災支援活動が長期化し、国防が手薄になっている今こそ、国防の大きな危機です。政府は防災・国防という「二正面作戦」に耐えられるだけの自衛隊の増強・増員が急務です。
災害対策も国防も「予期しない事態が突然やってくる」という点で全く同じです。
今回の震災で、菅政権の危機管理能力の欠如が明らかになりましたが、震災で危機管理ができないようでは、ましてや国防の危機管理などできるはずもありません。
本当に国民の生命と生活が一番と思うなら、政府は一刻も早く国防強化を行うと共に、「憲法9条適用除外」を政府見解として発表し、国難に備えるべきです。
河田 せいじ
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この「東方日報」なる新聞は香港ではメジャーな新聞らしいが、反日新聞で有名のようで、香港の中にも眉をひそめる人もいる。