【河田せいじ氏寄稿】
自衛隊は現在も海陸両面から懸命の捜索活動を展開しています。
日が経つにつれ、生存の可能性は低くはなりますが、一縷の望みをつなぐ家族のためにも捜索活動の努力を続けることが、後々の家族の心のケアにつながるため、全力での捜索活動が続けられています。
組織的な機動力と人員を持つ自衛隊は、今後の復興局面においても大いに活躍を期待されており、現在の10万人態勢は最長で半年程度維持される見込みです。
そうした中、自衛隊について二つの大きな課題が出ています。
第一の課題は自衛隊の「継戦能力」についてです。
残念ながら先日16日、災害派遣中だった40代の自衛隊員が宿営地で倒れ、殉職されました。今回、災害派遣された自衛隊員の殉職は2人目となります。
有事の際もそうですが、作戦遂行時には継戦能力が大変重要です。活動は長期化する見込みですが、政府は自衛隊を酷使し過ぎてはいけません。
先の大戦の参謀本部と同じく、政府は「兵站軽視」の傾向が見られます。これは戦争であれば大きな戦力低下に繋がります。
また、あまりに自衛隊を疲弊させたら、本来の任務である国防が完全に手薄になります。これは国難を呼び込みます。
菅政権は交代要員や兵站の確保・充実等、救援活動の長期化をにらんだ自衛隊の運用を行うべきです。
河田 せいじ
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