もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

カタカナ語は定着?

2018年09月26日 | 報道

 文化庁が実施した国語世論調査の結果が発表された。

 慣用句(3件)の正答率は30~60%であり自分も間違って使用しているものがあった。カタカナ語(6件)については漢字表記すべきとの回答が80%近いものもあり自分は2件について意味を知らなかった。言葉は意思疎通のために重要なツールでその誤用は思わぬ結果を招くことも予想されるので、生涯勉強する必要があることを痛感した。カタカナ語を国会論戦や政治家の公的な記者会見の場で使用することや公文書で使用することに、かねてから疑問に思っていたので調べてみたが日本には公用語に関する規定が存在しないことを知った。唯一、裁判所法に「裁判所では日本語を使用する」と規定されている位らしい。それ故に、公文書にもカタカナ語が使用されているのだろう。漢字では伝え難いニュアンスを含む概念でカタカナ語の方がより正確に伝えられるものもあるだろうが、今回の国語世論調査で例示された「コンソーシアム(共同企業体)」や「インバウンド(訪日外国人旅行)」など、漢字表記を超える意味合いを含んではいないだろうし使用する必要があるのだろうか。文化庁はカタカナ語が徐々に定着していると分析しているが、カタカナ語氾濫は日本語衰退と同義でカタカナ語の容認は日本文化の変質を助長するもので、文化庁の看板が泣くものと思う。外来生物の繁殖によって在来種が絶滅の期に瀕している事態が、国語の世界でも起きようとしているのではないだろうか。自分自身では、なにやら漢字よりもカタカナ語を混用した説の方が有難味が増すような感じを持っているが、おおかたの年配者には共通の認識であろうとも思っている。小池都知事のカタカナ語愛用は周知のところであるが、カタカナ語を漢字に置き換えて読むと大したことは言っていないように感じられるので、カタカナ語多用の裏には年配者を煙に巻くとともに主張の印象の重みづけを図る意図があるのではなかろうかと邪推するものである。今こそ、日本語を公用語にして公文書からカタカナ語を駆逐しなければ、日本文化と日本語の良さが失われ、古文はおろか20~30年前の文章ですら読み解けない時代が来るかもしれないと憂うものである。

 「夏が過ぎ風アザミ」♬少年時代の名文句で”風アザミ”は井上陽水の造語とされるが、既に人口に膾炙して違和感を感じる人も少ないと思う。確かに話し言葉は時とともに変質することは避けられないのだろうが、何も政府や政治家が率先して大和言葉破壊に加担する必要はないと思う。