前ZOZO社長の前澤友作氏が「前澤ひとり親応援基金」を創設し、支援の第1弾として最大1万人に10万円を配布する企画を発動したことが報じられた。
応募できるのは20歳以下の子を持つひとり親(父子・母子)で、申し込み時にアンケート記入と受け取る際にはひとり親である証明が必要で申込者が1万人を超えた場合は抽選を行うとされている。中国コロナの余波で苦闘しているひとり親にとっては干天の慈雨にも思える支援・企画と思う。ひとり親支援については、先にサッカー日本代表の長友佑都氏が「ひとり親支援プロジェクト」を立ち上げて活動中であるが、更に強力な援軍が出現したものである。前澤氏の企画については多くの人が称賛する一方で、「究極の売名行為」「アンケート内容に個人情報多すぎ」等の誹謗ツイートも寄せられているとも報道されているが、例え売名行為であるにせよ10億円を超える支援(慈善活動)を個人で行なった例で唯一思い浮かぶのは松下幸之助氏が私財を投じて政経塾を設立したことくらいであるが、この壮大な企画に誹謗という形で水を差す人の心根は何であろうかと暗澹たる思いがする。前澤氏はこれまでも100人に100万円を現金でプレゼントしたり、有望な芸術家を宇宙旅行に招待する計画を発表したりしているが、100万円プレゼント企画には340万人以上が応募したとされている。日本はキリスト教・イスラム教文化圏に比べて寄付・慈善行為が少ないとされているが、前澤氏は日本で稀有の慈善活動家であろうか。しかしながら、キリスト教文化圏と雖もノートルダム大聖堂消失後には修復予想額以上の寄付が寄せられたため、黄色いベスト運動の一つに「余剰額を分配せよ」という要求が加わったことを思えば、きれいごとでは済まない一面もあるように感じられる。
今回の前澤氏の壮挙に照らして町内会の歳末助け合いと激甚災害に「雀の涙」にも及ばぬ寄付くらいしか慈善活動をしない我が身を振り返れば、慈善活動をしないのは「慈善活動ができない経済状態である」と自分を納得させている部分は無いだろうかと、自責の念と自己嫌悪にさいなまれる。今後は、スロットを自粛して貧者の一灯を心掛けようと思う一方で、少なくとも、他人が行う慈善活動の裏を勘ぐったり、冷ややかに見ることだけは止めようと思う。(その延長で「剛力彩芽ロス」已む無しとしよう(苦笑))。