もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

前澤有作氏のひとり親支援に考え込む

2020年05月12日 | 芸能

 前ZOZO社長の前澤友作氏が「前澤ひとり親応援基金」を創設し、支援の第1弾として最大1万人に10万円を配布する企画を発動したことが報じられた。

 応募できるのは20歳以下の子を持つひとり親(父子・母子)で、申し込み時にアンケート記入と受け取る際にはひとり親である証明が必要で申込者が1万人を超えた場合は抽選を行うとされている。中国コロナの余波で苦闘しているひとり親にとっては干天の慈雨にも思える支援・企画と思う。ひとり親支援については、先にサッカー日本代表の長友佑都氏が「ひとり親支援プロジェクト」を立ち上げて活動中であるが、更に強力な援軍が出現したものである。前澤氏の企画については多くの人が称賛する一方で、「究極の売名行為」「アンケート内容に個人情報多すぎ」等の誹謗ツイートも寄せられているとも報道されているが、例え売名行為であるにせよ10億円を超える支援(慈善活動)を個人で行なった例で唯一思い浮かぶのは松下幸之助氏が私財を投じて政経塾を設立したことくらいであるが、この壮大な企画に誹謗という形で水を差す人の心根は何であろうかと暗澹たる思いがする。前澤氏はこれまでも100人に100万円を現金でプレゼントしたり、有望な芸術家を宇宙旅行に招待する計画を発表したりしているが、100万円プレゼント企画には340万人以上が応募したとされている。日本はキリスト教・イスラム教文化圏に比べて寄付・慈善行為が少ないとされているが、前澤氏は日本で稀有の慈善活動家であろうか。しかしながら、キリスト教文化圏と雖もノートルダム大聖堂消失後には修復予想額以上の寄付が寄せられたため、黄色いベスト運動の一つに「余剰額を分配せよ」という要求が加わったことを思えば、きれいごとでは済まない一面もあるように感じられる。

 今回の前澤氏の壮挙に照らして町内会の歳末助け合いと激甚災害に「雀の涙」にも及ばぬ寄付くらいしか慈善活動をしない我が身を振り返れば、慈善活動をしないのは「慈善活動ができない経済状態である」と自分を納得させている部分は無いだろうかと、自責の念と自己嫌悪にさいなまれる。今後は、スロットを自粛して貧者の一灯を心掛けようと思う一方で、少なくとも、他人が行う慈善活動の裏を勘ぐったり、冷ややかに見ることだけは止めようと思う。(その延長で「剛力彩芽ロス」已む無しとしよう(苦笑))。


ロシア軍のハイブリット戦術を学ぶ

2020年05月11日 | ロシア

 ロシアが電子線とサイバー戦を一体化した新しいハイブリット戦を実行したことが報じられた。

 ハイブリット戦は2014年に起きたロシアのウクライナ軍事介入(クリミア半島併合)時に行われたとされ、先ず電子戦でウクライナの軍用通信網を無力化し、次いで代替手段としてウクライナ軍が使用した携帯電話に偽の指示を送り付けてウクライナ軍をロシア軍が待機している場所に集結させて攻撃・殲滅するというものであったらしい。また、兵士の持つ携帯電話の位置情報を基に攻撃したともされている。これまでは、主として電子戦は軍に対して、サイバー戦は兵站を担う社会インフラ等の後方に対して行われるものとされていたが、サイバー戦の対象を戦闘員にまで拡大したことで、画期的な戦術とされている。偽情報を敵に信じさせることは「偽電」としてこれまでも行われていた。有名なところでは、ミッドウェー海戦で日本が大敗したのはアメリカの偽電に踊らされたことが、大きいとされている。既にミッドウェー海戦の前にアメリカ海軍は暗号解読によって、帝国海軍が大規模な作戦を準備していることを察知していたが、解読した電報では「攻撃目標は「AF」」とされているのみであるために、攻撃目標が何処か分からなかった。AFを陸軍と共同する南方地域とするもの、北方からの侵攻を防ぐためのアリューシャンとするもの、真珠湾への2次攻撃とするもの、等々の判断に分かれ、真珠湾攻撃で生き残った虎の子の艦隊を何処に配置すべきか迷っていた。そのためアメリカ海軍は、ミッドウェー基地から「浄水装置故障」の偽電を暗号化しない平文で発信した。すると海軍軍令部は連合艦隊に対して「AFでは飲料水が不足している模様」という情報を打電したために、アメリカ海軍は次の攻撃目標はミッドウェーと確信して、空母の避退等の処置を取り勝利したとされている。また、反戦ビラを撒いて銃後の厭戦気分を醸成したり、東京ローズに兵士の戦意を挫く放送をさせたり、等の宣伝戦は各国で行われていたが、ロシア軍のように直接戦闘員を誘導するものでは無かった。アメリカ軍の特殊部隊では兵士一人一人をインカムで繫いで指揮官がタイトにコントロールする方法が採られているが、この領域が敵に侵された場合は集団戦闘ができなくなることも予想される。既に中国軍もロシア軍と同程度のハイブリット戦術を実戦配備しているとも報じられているので、日本も対抗策を早期に整備する必要に迫られているように思う。

 日常生活でも、偽サイトに誘導されて金銭を窃取されたり、風聞や誤情報を信じる以上に拡散に手を貸す等、ネット上の情報は無条件に・盲目的に信頼するという人が増えている。訓練を受けた兵士であっても軍の指揮管制が無力化されて行き場を失った場合には、唯一残された通信手段での指示に従うことは当然であろう。対抗策がどのような物になるべきかは思いもよらないが、軍事通信網のセキュリティと抗堪世の強化は早期にお願いするものである。


金星のスーパーローテーションを学ぶ

2020年05月10日 | 科学

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の金星探査機「あかつき」の観測データから、金星上空の大気の動き(嵐)が解明されたそうである。

 金星上空の嵐は「スーパーローテーション(超回転)」と呼ばれる西風で、自転周期の約60倍の速さ(100m/秒)であると報じられているが、なにやら面白そうなので金星について勉強した。太陽系第2惑星である金星は、地球とほぼ同じ大きさと密度を持ち、炭酸ガスと窒素を主成分とする大気を持っている。住環境で見ると、地表で約92気圧(地球での水深920mに相当)、気温は約460℃であるために、金星人が地球に降り立った瞬間に爆発して氷の霧になってしまう。金星の公転は224日・自転は約243日であるために、地球に当てはめれば1年よりも1日の方が長いことになる。しかしながら、自転が地球とは逆回転であるために地球1年の感覚は約117日となるらしい。金星に四季はないが日本の感覚では、太陽は西から上って東に沈み、一月ごとに四季が移り変わることになる。通常、大気を持つ星やガス星(木星や土星)では引力の作用で中心や極に近いところほど流れが速く赤道や外縁部が遅く、最大でも自転速度を超えることは無いが、金星だけは自転速度の約60倍もの風が吹いており、「自転の速度を超える風」という意味でスーパーローテーションと呼ばれて金星の謎の一つとされていたそうである。これまでスーパーローテーションは昼の面で暖められた大気が上昇して夜の面に向かい、そこで冷却されて下降するという循環の様式が予想されていたが、今回のJAXAの解析でも大気の対流・循環であるが、赤道と極でも大きな違いが無いことが立証されたとされている。また、これまでスーパーローテーションは高度70Km付近で吹き荒れているが、金星の大気組成から地表では2m/秒程度の微風とされているが、今回の発表ではどうなっているのかは不明である。ちなみに太陽系の星の大まかな自転周期は、太陽(赤道)35日、水星58日、金星243日、地球23時間 56分 4.100秒 、火星1日、木星10時間、土星10時間、天王星17時間、海王星16時間、冥王星9時間となっている。金星の地表温度がより太陽に近い水星の地表温度とほぼ同程度であるのは、膨大な量の炭酸ガスの温室効果によることは良く知られているが、地球も住人が作り出した温室効果ガスによる温暖化で生物が死に絶えた後には、太陽エネルギーに依る更なる温度上昇で海水が蒸発して金星と同じ状態になるのかも知れない。

 本日のブログを記述する過程で、太陽の公転周期を知った。太陽の公転周期は2億2500万年~2億5000万年とされ、公転の中心は天の川銀河の中心「いて座A*」(いてざエースター)と呼ばれる超巨大ブラックホールであることを知った。太陽が誕生して46億年とされるので、これまで18回ほど公転したことになるが5000万年単位で移り変わる四季、今、太陽系は春なのだろうか冬なのだろうか。また宇宙には数千・数万の銀河があるとされるので、天の川銀河もどこぞを中心として公転しているのかも知れない。宇宙は摩訶不思議である。


中国コロナ以後を学ぶ

2020年05月09日 | コロナ

 中国コロナ禍以後の展望についての観測・考察・憶測が盛んである。

 国際関係にあっては多くの有識者が、脱中国と脱グローバリゼーションの動きが加速するだろうと予測している。脱中国については、今回のコロナ禍で世界的に工業生産が停滞した原因は、各国の感染拡大のための企業閉鎖ではなく、中国からの部品の供給が止まったことが大きいとされる。日本でも国内生産品と銘打っていた製品も、構成部品の多くに中国製品が使用されていることが判明した。工業生産の組み立てに不可欠の「ネジ」について調べてみると、過去20年間で国内出荷額は25%減少・輸入額420%増加(日本ねじ協会資料)となっており、高い精度と品質を要求される特殊ネジを除く一般ネジの多くが輸入品(中国製品)であることが窺い知れる。日本が誇る先端技術製品も、コアな部分の在庫はあるもののネジが無いので組み立てられないと云う現実があるのではないだろうか。安価で豊富な労働力を持つことから、中国は世界の工場と呼ばれているが各国の下請け(下支え)企業の側面もあるように感じられる。現在のところ今回のコロナ禍は自然発生したものであろうとされているが、若し意図的に下請け廃止がなされた場合は今回と同様な事態が予想される。然らば「ネジを国産品に切り替えれば」と考えるが、先の資料によると事業所数50%減、従業員数30%減となっており、列国に比し第3次産業が突出している経済構造を併せ考えると国産化は容易ではないように思える。脱グローバリゼーションについては、各国が事実上国境を閉ざしたこと、グローバリゼーションの前提にある国際機関(今回はWHO)の中立性が失われたことで一挙に加速した感がある。欧州内の紛争を無くして加盟国の共存共栄を図り、グローバリゼーションの先駆とされたEUが瓦解状態に陥り、中国の一帯一路構想も本家が「中国ファースト」の姿勢を露わにしたことで、各国の不信感を招いている。然らば起死回生にと中国が繰り出した医療・マスク外交に対しても、債務付けにされている途上国は別にして尻尾を振って飛びついたイタリア以外は拒絶・冷淡であるように感じられる。究極は、在シカゴ中国領事館がウイスコンシン州議会議長に「中国のウイルス感染拡大に対する取り組みを称賛する決議案を、州議会に提案して欲しい」との働きかけに、議長が「親愛なる領事閣下、クソくらえ」と回答したと報じられていることであろうか。

 脱中国と脱グローバリゼーションに対する愚行を書き連ねたが、日本でもメディアに踊らされた感があるインスタ映えやグルメ志向なども抑制の方向に動くのではないだろうか。むしろ是正して欲しいと云うのが実感であるが、それらが究極の不要・不急の要素であると悟った人も少なくないのではと思う。アメリカの高名な歴史学者が、中国ウィルスは「真実を暴くウィルス」と表現されているが、含蓄ある言葉であると思う。


西村経済再生担当相と吉村大阪府知事

2020年05月08日 | 与党

 西村経済再生担当相と大阪府知事の論争が有耶無耶に終わった。

 論争は、中国コロナの感染拡大防止のために政府が出した緊急事態宣言を巡り、大阪府知事が外出自粛・休業の要請を解除する基準を「大阪モデル」として発表した際に「本来ならば国に示してほしかった」と付け加えたことに、西村大臣が不快感を示したことである。確かに特措法では緊急事態宣言下での外出や休業の自粛・解除は都道府県知事の権限とされているが、緊急事態宣言の発令を政府が行う以上、解除の基準も国が示すべきではないだろうか。まして、緊急事態期間延長の記者会見で、総理が国民に一層の自粛を要請したこと等に依って大方の国民は緊急措置は政府の指示と感じている。緩やかな中央集権であるアメリカでは、州知事の権限が極めて大きいためにニューヨーク州とカリフォルニアでは感染者が大きく異なる結果となったが、日本の場合東京都を除く道府県は3割自治と呼ばれるように政府からの地方交付金無くしては運営が困難であるために、政府の力が絶大である。また、政府が示したふるさと納税返礼基準に従わない自治体には交付金が減額される等、政府も交付金を自治体コントロールの武器として使用している。さらには、医薬品の流通・配分は政府が統制していることからも緊急事態宣言下での道府県知事の権限は法の趣旨以上に制約されていると観るべきではないだろうか。以上のことを考えれば、「国が基準を示せ」という吉村知事に軍配を挙げたくなる。府知事の発言に不快感を示した大臣が経済再生担当大臣であることも腑に落ちない。勘ぐれば大阪モデルに経済的なファクターが入っていないことに対する不満からで、喫緊の事態にあっても何とか発言権を保とう・1枚かんで存在感を示そうというさもしさが感じられる。西村大臣に求めるのは、コロナ戦争の渦中に立つことではなく戦後処理・補正予算の適正な執行であり、万端の準備は整ったのかと問いたい。

 不十分ではあるが経済活動も再開し、朧気ながら出口が見えつつあるように思える。しかしながら、欧米人が散々馬鹿にしていたマスク着用が国際基準とされる等、新しい生活・行動様式が求められるようになっているようである。テレビ放映されたフランスの小さなブティックでは、同時入店者は2人まで・入店者が触った商品や試着室は直ちに除菌・体面は1m以上離れて等の新しい販売方法を模索しており、コロナ以前に戻ることは無いだろうと女主人が嘆息していた。