「どてら」を着た退職給付制度?
「どてら」って何?ですよね。
どてら=かいまき、とも言います。
普通の着物より大き目の袷(裏のついた着物)に綿が入ったものです。
昔の日本家屋は、冬には隅間風が入り寒かったので、どてらに掛け布団を
重ねて寝ました。今は、どてらなんか姿を消しています。
(と思っていたら、通販で売っていました。)
つまり、どてらを着たというのは、企業負担の重い制度を意味して使いました。
過剰な掛金を企業に負担させる制度です。
金融機関は、適年の移行に際して、企業規模や企業に合っている制度は何かを
考察せずに、とにかく確定給付企業年金を進める傾向にあるようです。
適年の移行先が確定拠出年金では、適年の年金資産と制度変更後の掛金は、
確定拠出年金制度のなかで用意されている運用商品に分散され、適年を受託し
ていた金融機関には戻らないことになります。が、移行先が確定給付企業年金で
あるなら、適年の年金資産は、その全額がまた金融機関のところに戻ってきます。
さらに、確定給付企業年金に養老保険をプラスすると、これは、保険会社にとって
大変美味しい契約となります。
企業からすると、大変重たい内容を提案されたということになります。
これはちょっと負担が重すぎるということで、受け入れられないということになると、
それは大変賢明な判断なのですが、金融機関からは別の提案がされず、確定給付
企業年金+養老保険を断った企業の適年は、放っておかれることになります。
企業の退職給付制度は、金融機関のために存在するわけではないのですから。
ひどいですよね。
→続く