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事業主による年金資産の運用VS従業員による企業型DCでの運用

2012-04-17 09:02:27 | 確定拠出年金・企業型

確定給付型の企業年金は、年金資産の運用は事業主です。
一方、企業型DCでは、加入者である従業員が自分で掛金と積立金を運用します。

違いは、何か

確定給付型の企業年金は厚生年金基金と確定給付企業年金がありますが、
ここでは確定給付企業年金(=DB)として、話を進めます。
運用の悪化による積立不足により、事業主には掛金の追加負担が発生します。
かなり重たい負担となってきます。DB法の制約の下で導入していますから、
積立不足に対して、ほおっておくことはできません。
掛金の追加負担は、企業の利益を減少させ、業績の圧迫要因になります。
DBの給付減額をし、退職金規程も見直しすることも必要になります。

一方、企業型DCでは、選択している運用商品の収益が落ち込んできて、積立金
が予定額より少なくなるということがあります。
しかし、企業型DCでは、事業主による掛金の追加負担は必要ありません。

DBでは、掛金の追加負担により、最悪、企業が赤字に追い込まれることも起こり
ます。実際、適年からDBへ移行した中小企業では、ここ3年くらいで、困難な状況
に陥った所もかなりあるのではないでしょうか?

企業型DCでは、60歳(→65歳まで拡大が可能)までが掛金と積立金の運用期間
です。それまでの期間で、マイナス分を取り戻せばいいわけです。
DB導入の企業より、余裕を持って運用することができます。

つまり、言いたいことは、DB導入企業では、運用がうまくいかないと、数年で企業
経営を圧迫することになりますが、企業型DCでは、数年で加入者に深刻な打撃を
与え立ち直れなくなるということは少ないということです。

企業型DCは、従業員が掛金及び積立金の運用をするからリスクが高いと言われ
ますが、中小企業がDBを導入する方が、はるかにリスクだと、思います。



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