褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 キャリー(1976) いじめられっ子が猛反撃

2013年09月23日 | 映画(か行)
 モダン・ホラー作家として有名なスティーヴン・キング原作の同名タイトルの映画化作品にして、ホラー映画の金字塔的作品が今回紹介する映画キャリーだ。時々、小手先の映像テクニックに走り過ぎて大して面白くない駄作も撮ってしまうブライアン・デ・パルマ監督だが、今回紹介するキャリーに関しては、映像テクニックと題材が見事に融合した傑作だ。
 別に今に発したことではないが、最近は学校でのイジメの問題がたくさん発覚している。もう時効?なので自分自身の罪を告白すると、俺も弱い者イジメをしていた側に立っていた人間だ。俺と同様の人間が本作品を観ると、とても反省させられる映画であり、思わず『お~、神様!私の罪を許してくださ~い!』とお願いしたくなる作品。しかし、そんなことをお願いしても叶えられない事がよくわかり、これからの一生をずっとその罪を背負って生きなければならないのかと絶望した気分にさえなってしまったのが悲しい。

 最近きゃりーぱみゅぱみゅと言うややこしい名前の可愛い女の子が面白い歌を歌っているが、本作品の主人公である女子高生のキャリーの顔はお世辞にも可愛いとは言い難いし、性格もオドオドしていて、いつも孤独で、他の女子生徒からイジメを受けている。しかも何の取り得も無いような女の子であるが、ある超能力を持っているという設定。
 あまりにも酷いイジメによって超能力を自分自身でコントロールが出来ずに爆発させるシーンが、最高のみどころ。大して罪の無い人までも巻き添えにしてしまう怖いシーンであるが、それまでの展開を考えたら爽快な気分も味わえる凄いシーンだ。なんだか天国から一気に地獄へ叩き落される瞬間の気分を味わえる。
 しかし、本作品で本当に怖いのはキャリーのお母さんの方。このお母さんが強烈なキリスト教の信者。とにかく性教育に関しては無茶苦茶。アダムとイヴの原罪の話を持ち出してキャリーを説教するシーンが特に怖い。今も大して変わらないが、俺の高校時代の時の頭の中はエロイことだらけ。そんな俺にアダムとイヴがセックスをして、それで生まれたカインが人を殺したのよと説教されても、俺のエロさは治らない。もし俺の母ちゃんが、このキャリーのお母さんみたいな人だったら、俺は神様に捧げる生贄として、とっくにこの世の中から消えていただろう。

 さて、いじめられっ子の女子高生キャリーの怒りが爆発、なんとなく実はキャリーの成長物語でもあったのか?なんて思わせるストーリーとはいかなるものか。
 女子高生であるキャリー(シシー・スペイセク)は体育の授業後のシャワー室において初めての生理を経験する。母親や友達から全く性教育の話を聞かされていない、キャリー(スペイセク)は股の間から血が流れているのにビックリして、大パニックを起こすが、周りの女の子たちはそんなキャリー(スペイセク)に対して、タンポン等を投げつけたりして、からかっていた。
 家に帰って、そのことを母親のマーガレット(パイパー・ローリー)に話すと、キリスト教の狂信者である彼女はキャリー(スペイセク)に対して、『それは罪なことだわ』とわけのわからないことを言って怒りだす。キャリー(スペイセク)は母親のマーガレット(ローリー)からも強圧的に支配されていたのだ。
 ある日のこと、キャリー(スペイセク)と同級生のスー(エイミー・アーヴィング)は、いつも苛めていた彼女に対する罪滅ぼしのために彼氏であるトミー(ウィリアム・カット)に、高校主催のプロムパーティー(高校生最後のパーティー、男女ペアで参加することが必須条件)に、キャリー(スペイセク)の相手役として参加するように頼む。
 同級生で1番格好良いトミー(カット)にプロムパーティーに誘われた、キャリー(スペイセク)は何か裏があると思いながら、内心では大喜びであるために、トミー(カット)の誘いに応じて参加することに決める。プロムパーティーに出るために、キャリー(スペイセク)は母親のマーガレット(ローリー)が強引に引き止めようとするのにも屈せず、彼女はドレスを新調し、ちょっとお化粧なんかしたりしてトミー(カット)とプロムパーティーに参加する。そしてトミー(カット)と一緒にベストカップル賞に選ばれるなど、今まで生きてきた中で一番の幸福を感じていたのだが、その時キャリー(スペイセク)の頭上に大量の豚の血が降ってきて・・・

 冒頭の女子更衣室兼シャワールームのスローモーション撮影から、ちょっとしたエッチな青春映画かと思わせといて、血が出てくるシーンでビックリさせるなど、流石はブライアン・デ・パルマ監督。本当に驚かせるのが好きな監督で、それはラストシーンにも表わされる。しかし、楽しそうなパーティーシーンが一転して地獄の絵巻図のようなシーンになるが、CG技術が大したことの無い時代において凄いシーン。ポセイドン・アドベンチャータワーリング・インフェルノなどの1970年代のパニック映画に代表されるように、CG技術が発達していないからこその迫力を1970年代の映画には感じる時がある。
 しかし、所々でキリスト教に対してシニカルに描いているシーンもなかなか見ていて楽しい。キャリーと母親の対決シーンにおいて、刃物がビュンビュン飛んでくるシーンは、ヒッチコックの影響を受けていて笑えると同時に、非常に宗教的に毒気があり感心するシーン。こういう名シーンがあるだけでも、本作は名作の部類に入れても良いと思う。
 さて、もうすぐ日本においても同名タイトルで本作のリメイクが登場する。だいたいリメイク作品なんていうのは本家を超えられないとしたものだが、この映画を超えるのは難しい。ユニークなブライアン・デ・パルマ監督らしい演出が際立っているだけに、果たしてリメイク版がどれだけのユニークな仕上がりを見せるのか?また現代においてリメイクされる理由とは何なのか?母親役をジュリアン・ムーアが演じるが、怖そうなお母さんであるのは想像できる。
 なんだか血まみれのシーンが強烈過ぎてグロテスクな印象を持たれているかもしれないが、演出的な見どころ、学園物の青春映画的な面白さを感じたり、けっこう今思えば豪華キャストだったり、とにかくサスペンスが非常に楽しいキャリーはホラー映画で片付けてしまうには勿体ないぐらいの面白い映画で、お勧めです

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 監督は前述しているようにブライアン・デ・パルマ。自称ヒッチコックの後継者と言っているだけに、サスペンス映画においてヒッチコック作品の影響を受けていると言うよりも、何の臆することなくパクっている潔さが、ある意味凄い。ヒッチコックタッチを引きずっているサスペンス映画よりも、アル・パチーノ主演のキューバン・マフィアの成り上がっていく様子と破滅を描いたスカーフェイス、ケビン・コスナー、ショーン・コネリー、ロバート・デ・ニーロなどの豪華キャストで、財務省の役人であるエリオット・ネスとシカゴの大物マフィアのアル・カポネの対決を描いたアンタッチャブル、オペラ座の怪人やメフィストのような古典劇を取り入れた、ロックミュージカルのファントム・オブ・パラダイスがお勧め。

 主演のキャリーを演じるのはシシー・スペイセク。本作品で相当な個性を見せ付けましたが、現在も活躍する女優さんで多くの名作に登場しています。コスタ・ガヴラス監督、ジャック・レモン競演のミッシングがお勧め。他にオリバー・ストーン監督のJFKでも印象的な演技を示し、デヴィッド・リンチ監督の彼らしくない普通に感動するストレイト・ストーリーもお勧めです。

 キャリーのお母さん役でパイパー・ローリーが出演しています。この人の印象的な作品は、ポール・ニューマン主演のハスラー。ニューマンの悲劇の彼女役は名演技でしたが、本作でも名演技を披露します。

 他にいじめっ子のリーダー的な存在でナンシー・アレンが出演しています。本作と同じくブライアン・デ・パルマ監督作品の殺しのドレスロボコップがお勧め。
 そして若きジョン・トラヴォルタが出演しています。これまた本作と同じくブライアン・デ・パルマ監督でミッドナイト・クロスが面白い。他にクエンティン・タランティーノ監督のパルプ・フィクション、ジョン・ウー監督、ニコラス・ケイジ競演のフェイス/オフ、トニー・スコット監督、デンゼル・ワシントン競演のサブウェイ123 激突等お勧め多数です。

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映画 氷の微笑(1992) シャロン・ストーンが大好きになりました

2013年08月28日 | 映画(か行)
 足を組みかえるシーンでシャロン・ストーンのあそこが見えたとか見えないとか、つまらん議論ばかり先行した感のある作品だが、なかなかスリリングな展開が楽しめるエロチックサスペンスの傑作が今回紹介する映画氷の微笑。ちなみにこの映画を観て以来、俺の最も好きな女優のナンバーワンはシャロン・ストーンが10年間死守した。見た目は非常にクールビューティーだが、触れたら火傷してしまいそうなホットさのアンバランスさが俺の気持ちを燃えさせるし、しかも頭が良くて、金髪で体つきがエロいという男からすれば最高の理想像の女。この映画を観てから暫くは、こんな良い女は何処かに居ないかな~と思わず探し回ったが、まったく居なかった。

 いきなりオープニングでエロシーンから始まって興味津々とさせておきながら、裸の女性が騎乗位の態勢で男の手をスカーフで縛ってアイスピックで滅多刺し。最初から刺激的過ぎるシーンが炸裂するが、最後までエロ、バイオレンス、サスペンス、謎々が散りばめられてテンションが全く落ちない。だいたい映画というのはエロとサスペンスが融合していたら、どんな素っ頓狂な内容でも面白く観れるとしたもの。その点では、この映画の場合はシャロン・ストーンの文句のつけようのない美貌とエロさ。おまけにマイケル・ダグラスを先頭に、馬鹿男が数人登場する展開がとにかく笑けて面白く観れる。

 さて、シャロン・ストーンの際立つエロさが堪能できるストーリーとは如何なるものか?
 元ロック・スターがベッドの上でメッタ刺しに殺される事件が発生する。この事件の捜査を担当するのがニック(マイケル・ダグラス)と相棒のガス(ジョージ・ズンザ)。捜査線上に女性推理小説作家のキャサリン(シャロン・ストーン)の存在が浮かび上がってくる。早速彼女を尋問するが、キャサリン(ストーン)はどうやらニック(ダグラス)のことを調べており、次の新作の殺される刑事役でニック(ダグラス)をモデルとして考えているし、しかもたびたびニック(ダグラス)に挑発を仕掛けてくる。

 ニック(ダグラス)はキャサリン(ストーン)を捜査続行するのだが、次第にキャサリン(ストーン)の妖艶な魅力にのめりこんでしまい、脳味噌までファックされてしまう。そんな最中でも警察署の連中が次々殺害され、ついには相棒のガス(ズンザン)まで殺害されてしまう。やっぱり犯人はキャサリン(ストーン)なのか?
ニック(ダグラス)はキャサリン(ストーン)に対して疑惑の目を向けながら、やっぱり危険を冒してキャサリン(ストーン)とのセックスにのめり込むのだが、やっぱりアイスピックが・・・

 刑事が容疑者とセックスするなんてバカだな~と話しだけ聞いていると思われるが、常にノーパン、ビーチクであることを知っており、存在自体がエロさを醸し出しているシャロン・ストーンが目の前に現れたら、マイケル・ダグラスでは無くても俺でさえ危険を承知でも、彼女の体の中に飛び込んでしまう。しかもアイスピックで刺してくれ~なんて馬鹿なことを言い出すかもしれない。

 とにかくセックスシーンは冒頭の衝撃からスリルがあるし、ヒッチコックのサイコやめまいをイメージさせる展開は楽しいし、結局犯人は誰だったかはっきりしない点が逆に何度も再見させてしまう効果がでた。ちなみに俺も4、5回ぐらい見ているはずだが、どうも色々な人物がグルになっており、キャサリンの罠に嵌ってしまっているようだ。それにしても二人の絡みはもちろん興奮するけれれど、ダンスのシーンがかなり興奮させられる。

 少々ストーリー展開は雑でもクールな表情に熱いボディを見せつけるシャロン・ストーンの魅力が堪能できる氷の微笑は男ならばシャロン・ストーンの虜になり、女性も案外エッチ好きな人が多いから楽しめる。エロいだけでなく、推理を働かせることによって普段は鍛えていない脳味噌を働かせることができるし、なんだかんだ言ってもエロい氷の微笑はお勧めです

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 ちなみに監督はポール・バーホーベン監督。オランダ時代はルトガー・ハウアーと組んでの作品がヒットをとばしたが、正直グロさが突出していてあんまり好きでは無いのだがルトガー・ハウアー/危険な愛がお勧め。
 他にロボコッ、アーノルド・シュヴァルツネッガー主演のトータル・リコールがお勧め。そして再びオランダに帰って撮ったブラックブックもお勧め。

 主演はマイケル・ダグラス。多くの名作に出演する大スター。最近はとやかく原発の事が言われますが、そういった点ではチャイナ・シンドローム一度は観て欲しい映画。
 他にフォーリング・ダウンがなかなか面白い


 クールでホットな女キャサリンを演じるのがシャロン・ストーン。この人のお勧めはやっぱりエロシーンが入っているスペシャリスト硝子の塔でもエロいシーンを見せ付けます

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映画 カサブランカ(1942) とにかくボギーが格好良い

2013年08月21日 | 映画(か行)
 ナチスの猛威が振るう第二次世界大戦を背景にした恋愛映画の傑作が今回紹介する映画カサブランカ。戦争がきっかけで男女が離れ離れになってしまう映画は多くあるが、この映画の魅力は男なら真似をしたくなる台詞がテンポ良くポンポン飛び出てくるところ。ずっとモテ期が続いている俺にはそれほど参考にはならないが、まるでモテナイ男ならば参考にしたい台詞が連発する。
 そんな格好良い台詞をいくつか紹介すると
 かつて愛し、再び愛が燃え上がりそうになっている、とっても綺麗な女性に対して"Here's looking at you, kid." (君の瞳に乾杯)なんて台詞が出てくる。実は映画が好きな人ならば有名過ぎる台詞。残念ながら俺には、この台詞の格好良さがわかっていない。しかし、いつか俺好みの金髪、碧眼、長身の三拍子揃った綺麗な外国人女性を見つけたら、この台詞でナンパしてみようと思っている。

 もう会えないかもしれない女性に放つ最後の別れ際の台詞が格好良い。相手の女性はずっと一緒に居たいと思っているのに、かつての思い出を引き合いに出して"We'll always have Paris." (俺たちにはパリの思い出があるじゃないか)。別に俺はパリに住んだこともなければ、行った事もないので、このままその台詞を引用しても駄目なことぐらいはわかっている。しかし、男女の恋愛が終わる時、男側の責任として格好良い台詞で締めることが、とても重要だということがよくわかるシーンだ。

 他に男と女の会話のシーンで次のようなやり取りがあった。
 女性『夕べはどこにいたの?』
 男『そんな昔のことは覚えていない』
 女性『今夜、会ってくれる?』
 男『そんな先のことは、わからない』

 実は男性が言っている台詞はハリウッドの大スター、ハンフリー・ボガードの台詞。よく考えてみれば、どんなピンチでもクールに、そして表情ひとつ変えることも無く対処するボガードが言うからこそ格好良い台詞。
 もし俺が同じように女性から『夕べはどこにいたの?』と聞かれたら、有ったこと無かった事を適当に織り交ぜてベラベラ喋りまくるし、だいたいボガードと同じように『そんな昔のことを覚えていねぇ~よ』なんて言ったら、『あんたボケてんの?』と言われてしまいそうだ。
 そして俺なんかは、女性から『今夜、会ってくれる?』なんて言われたら、どんな重要な予定が入っていてもキャンセルして、女性と会うこと以外に選択肢が思い浮かばない。

 そして、この映画の凄いところは格好良い台詞だけではないところ。やっぱり男は行動が伴わないと駄目だということがよくわかる。この映画の登場人物たちはほとんど全員がナチスに対してビビッている。しかし、ボギー(ハンフリー・ボガードの通称)だけは、ナチスが相手でも表情ひとつ変えずに正々堂々としているところが格好良い。そして、困っている人が居たら率先して手助けするところなどは男の俺が観ていても惚れ惚れする。弱き者を助ける、これぞまさに男の美学。
 そう言えば、私事で恐縮だが、つい最近電車の中で俺が座っている前でお年寄りが立っていたので譲ってあげた。な~んだ、俺って良いとこあるじゃん

 そして相手役の女性のイングリッド・バーグマンが、メチャクチャ綺麗。いくら男性が格好良いことを言っても、相手の女性がブサイクでは値打ち半減。男が『俺たちにはパリの思い出があるじゃないか』なんて台詞をブサイクに言っても、観ている我々は全く感動しないし、きっとこの映画も後世まで名作と語り継がれることが無かったはずだ。だいたい本作は女性が男性2人から愛されている三角関係の設定。彼女ぐらい綺麗な女性でなければ2人の男性から愛されるなんてありえない。

 さて、思わぬ再会が再び愛を燃え上がらせるストーリーとは如何なるものか
 第二次世界大戦においてヨーロッパではナチスドイツが快進撃を続けている。ヨーロッパ中の人々はナチスの恐怖から逃れるために、フランス領モロッコのカサブランカを一旦経由して、ポルトガルのリスボンから飛行機でアメリカへ亡命するというのが、ルートになっていた。

 アメリカ人男性のリック(ハンフリー・ボガード)はナイトクラブを経営しているが、その場所は亡命を希望している人々の集まりだ。しかし、カサブランカにおいても次第にナチスの影響下に染まりつつあった。

 ある日のことリックの酒場にナチスの抵抗運動の闘士として活躍するラズロ(ポール・ヘンリード)と妻のイルザ(イングリッド・バーグマン)が、リック(ボガード)の酒場にやってきた。
 リック(ボガード)とイルザ(バーグマン)はお互いの姿を見て驚く。実は2人はナチス占領下におけるパリで愛し合った仲であり、しかもナチスの猛威が吹き荒れる中、パリから一緒に逃げる約束をしていたのに、その場所にイルザ(バーグマン)は来なくてリック(ボガード)が1人で逃げる羽目になる。実は2人の再会はその日以来。
 そんな2人の再会は、再びお互いの愛を燃え上がれせるのだが、それは過酷な運命への始まりでもあった・・・

 とにかくボギーの台詞、行動が格好良い映画だが、実はこの映画は1942年に公開されている映画。1942年と言えば第二次世界大戦の真っ最中。ヨーロッパがナチスによってボロボロに蹂躙されていた時代。そんな時代にこのような恋愛映画が誕生しているというのは非常に興味深い点だろう。確かにナチス批判、当時ナチスドイツの傀儡であったフランス政府のヴィシー政権批判などの場面が随所に出てくるなど戦意高揚映画としての意味合いが強い。しかし、戦意高揚映画としての側面を持ちつつも、カサブランカのような恋愛映画の名作を撮ってしまうハリウッドの余裕、凄みを感じる。
 しかし、ボギーの最後の選択は本当に男の中の男。ただ今私利私欲に走ってしまう男が多いですが、実は己を犠牲にしてまでも、大好きな女性のための最高の幸せとは何かを考えられる男こそ本当に格好良い男なんだということが理解できるカサブランカは、男なら一度は観ておきたい名作です

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 主演は気障な台詞が似合う格好良大スター、ハンフリー・ボガード。多くの名作に出演していますが、切れ味鋭いサスペンスが展開されるジョン・ヒューストン監督のマルタの鷹、ウィリアム・ワイラー監督で凄みのある悪役を演じている必死の逃亡者、ビリー・ワイルダー監督、オードリー・ヘップバーン競演のロマンチックコメディの傑作麗しのサブリナがお勧め。

 イルザの役にこの映画に関しては絶世の美女という表現が似合うのがイングリッド・バーグマン。美貌だけでなく演技力も備えた女優さんのイメージがあります。アルフレッド・ヒッチコック監督の白い恐怖は綺麗な彼女を観ることできて、お勧め。他に彼女が年をいってからの作品ではアガサ・クリスティー原作、シドニー・ルメット監督のオリエント急行殺人事件、そしてイングマール・ベルイマン監督の秋のソナタがお勧め。

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映画 奇人たちの晩餐会(1998) 大笑いできますが・・・

2013年07月28日 | 映画(か行)
 去年のサッカーの日本対フランスの対戦で日本が勝ったのだが、その時にフランスの番組でGK川島選手の腕が4本ある合成写真を流し、番組の司会者が『原発の影響ではないか?』と発言したことに対し、日本の有名人たちなどが抗議声明を出した。しかし、俺にすれば『あ~あ、やっぱりフランス人だから仕方ね~よな』ぐらいの感覚。
 なぜならば今回紹介するフランス映画のコメディである奇人たちの晩餐会を観れば、その理由がよくわかる。本作のようなコメディをシュールと言うのか、どうか俺にはよくわからないがとりあえず簡単にストーリーの紹介を

 パリの高級マンションに住んでいるピエール(ティエリー・レルミット)は、毎週1回友人達を集めてパーティーをしている。しかし、そのパーティーの内容だが、各々がこれは!と思う馬鹿を連れて来て、馬鹿中の馬鹿のナンバーワンを決定すること。
 ピエール(ティエリー・レルミット)は、今回こそはとスーパー馬鹿を見つけだそうと、あらゆる情報網を駆使して探し出そうとするのだが・・・スーパー馬鹿が居た~それはいつもマッチ棒(マッチ棒使用数34万以上、使った糊の本数30本以上)で模型を作っているパリの官庁に勤めるピニョン(ジャック・ヴィルレ)。
 しかし、ピエール(ティエリー・レルミット)はぎっくり腰を起こしてしまい、しかも奥さんには逃げられてしまう。パーティーを仕方なく欠席しようとするのだが、自宅にピニョン(ジャック・ヴィルレ)がやって来て、その想像以上の馬鹿っぷりにピエール(ティエリー・レルミット)は振り回されることになるのだが・・・

 ストーリーの説明中に我ながら嫌になるぐらい何回も馬鹿という言葉を使っているが、実際の映画の中でも馬鹿という台詞が何回も出てくる。さすがにこれだけ馬鹿という言葉を連発されると怒りが込みあがってくる、と言うのは嘘。
 実は俺自身がドッカン、ドッカンの大爆笑の連続。今まで観た映画の中でも最も笑えた映画のナンバーワン候補と言っても過言ではない。はっきり言って、他人を馬鹿にしたようなモラル最低級の映画。果たしてこんな映画で腹を抱えるほど大笑いしていた俺は人間としてどうなのか?今頃自問自答しているところだ。
 しかし、スーパー馬鹿ピニョンを演じるジャック・ヴィルレが、相当良い味を出しているのも大きな要因としてあると思うのだが。

 フランスのコメディ映画は人権コードに引っ掛かってもおかしくない作品が割にある。ちょっと昔のフランス映画でまぼろしの市街戦と言う反戦をテーマにした映画もあったが、この映画も相当やばい。確かに笑える映画としてはお勧めだが。
 めったにフランスのコメディ映画を観ない人、俺のモラルの度合いの低さを確認したい人、とりあえずモラルの良し悪しを度外視して笑える映画が観たい人には奇人たちの晩餐会はお勧めだ

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フランシス・ヴェベール
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 ちなみに監督はフランシス・ヴェベール。この人のお勧め作品は、ダニエル・オートゥイユ、ジェラール・ドパルデューというフランスの二大スター競演のメルシィ!人生がお勧め。しかし、この映画も相当人権的にどうかと思います

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映画 コップランド(1997) シルヴェスター・スタローンとロバート・デ・ニーロです

2013年06月15日 | 映画(か行)
 警官ばかりが住んでいる小さな町である警察地帯である、通称コップランド。警官ばかりが住んでいる町なら、犯罪は起きないし、悪い奴は居ない、泥棒なんかきっと近寄りもしない。とっても平和なストーリーが展開されると思っていたのだが・・・
 ところがこの映画に登場する警官達は、証拠隠滅、賄賂、爆発、そして人殺し。まるでマフィアの映画を観ている気分になる映画だ。

 しかし、今回紹介する映画コップランドはストーリー内容よりもシルヴェスター・スタローンロバート・デ・ニーロという大スターの競演が評判を呼んだ。この2人は同じイタリア系アメリカ人という共通点があるのだが全く個性が違っており、まるでウナギと梅干しのように食い合わせが悪いパターンを想像してしまう。だいたい豪華スター競演の映画となると、中味が乏しかったりするものだが、脇役にも豪華俳優を揃えたコップランドは、なかなか優れた見応えのあるドラマが展開される。

 
 派手なアクションシーンは大して無いが、警察達の悪行が楽しめる映画とは如何なるものか。
 ニュージャージー州ギャリソン郡が舞台。ギャリソン郡にはニューヨーク市警の警官が多く住んでおり、警察の町を作りたいとレイ(ハーヴェイ・カイテル)の願いによってコップランド(警察地帯)が出来上がった。現在においてもレイ(カイテル)はコップランドに住む警官達を束ねる立場にいる。
 だが、レイ(カイテル)はコップランドを作った時にあらゆる方面のコネを使いまくり、しかも彼にはコップランドで起こった事件に対して数々の疑惑を持っていた。
 しかし、コップランドに住む警官達は、警察のための町を作ってくれた恩人レイ(カイテル)の悪事には目をつぶり、その町の保安官であるフレディ(シルヴェスター・スタローン)も自分自身の保安のためにレイ(カイテル)達の悪行には見知らぬ態度で通していた。

 ある日のこと、警察内部調査員であるモー(ロバート・デ・ニーロ)がレイ(カイテル)の数々の疑惑を調べるためにコップランドにやって来る。しかし、モー(デ・ニーロ)はコップランドの全てがレイ(カイテル)の支配下にあることに愕然とするのだが、フレディ(スタローン)の心の中にほんの少しの正義があるのを見抜き、彼に協力を求めるのだが・・・

 法の番人である警官ですらも独裁者になってしまうと悪事に染まってしまうことが、よくわかる映画。自分に逆らう者には血の粛清を実行していく様子は、まるで何処かの1党独裁支配の国を見ているようだ。
 そして いつもは真冬の雪山でランニング一丁でも平気な熱い男であるスタローンが保安官であるのにも関わらず、まるで仕事のやる気が無く、レイ(カイテル)達の悪事を見過ごす情けなさ。しかも方耳が聴覚障害を持っていて、ブヨブヨに太っていて、いつも魅せる戦う男の格好良さは見られない。珍しくダメ男を演じているのだが、これが意外なほど良い。
 そして流石はロッキーシリーズにおいて、何度も復活して立ち上がる男を演じてきたスタローンが定番通りながら、凶悪権力に立ち向かっていくシーンは、演出の工夫もあって、なかなか燃えるシーンだ

 シルヴェスター・スタローンが作り上げた肉体でひたすら戦うアクション映画を期待している人には、お勧めとは言い難い。しかし、いつもとは違うスタローンが見たい、もしくはスタローンが良質なドラマに出演していることを知らない人にコップランドはお勧めです

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 ちなみに監督はあらゆる分野において傑作を連発するジェームズ・マンゴールド
 構成が巧みで、なかなか先が読みにくいサスペンスの傑作アイデンティティー、ラッセル・クロウ、クリスチャン・ベイル競演の熱い男の西部劇3時10分、決断のとき、トム・クルーズ、キャメロン・ディアス競演のお笑いアクション映画ナイト&デイがお勧め

 実は出演者が豪華。シルヴェスター・スタローンロバート・デ・ニーロは、今さら説明する必要の無い大スターですが、それ以外の俳優では。

 悪徳刑事役でハーヴェイ・カイテル。マーティン・スコセッシ監督の作品など多くの名作に出演している名優。ミーン・ストリートタクシー・ドライバー、クエンティン・タランティーノ監督のレザボア・ドッグスパルプ・フィクションあたりがお勧め。

 シルヴェスター・スタローン演じるフレディと仲が良い刑事のゲイリー役でレイ・リオッタが出演しています。なかなか個性的な役を得意とする俳優。ケビン・コスナー競演の感動の野球映画フィールド・オブ・ドリームズ、マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ競演のマフィア映画の傑作グッド・フェローズ、カート・ラッセル競演のサスペンス映画不法侵入、麻薬捜査官の苦しみがよくわかり、怒鳴り声がでかい映画NARC ナークあたりがお勧めです。

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映画 声をかくす人(2010) リンカーン暗殺後の物語です

2013年05月11日 | 映画(か行)
 スティーヴン・スピルバーグ監督のタイトル名もそのままズバリリンカーン、他にもリンカーン大統領がヴァンパイアと戦うリンカーン/秘密の書、なんとなく内容がタイトルから想像できるリンカーン VS ゾンビ等など真面目な作品から笑える作品まで色々とリンカーン絡みの映画が最近は多く公開されている。
 現在でも最も人気のある歴代大統領とされるエイブラハム・リンカーンだが、奴隷解放、名台詞など確かにインパクトのある政治家であることは事実だが、個人的な見解としてはそれほど誉められた人間では無いというのが僕の感想。『人民の・・・』で有名な台詞にしても別に彼の頭の中には黒人の事を念頭においていたわけでもなく、しかもインディアンを徹底的に虐めぬいたことを考えれば、所詮は彼の頭の中は徹底した白人原理主義者だろう。その点には人々によって色々と意見があると思うが、この場で文句は受付けない

 さて本作は確かにリンカーン絡みの作品ではあるが、リンカーン暗殺後の隠されたストーリーを暴露した作品。リンカーン暗殺の実行犯をトッ捕まえたら意外にもメアリー・サラットという女性の存在があった。果たして、この女性は本当にリンカーン暗殺の共謀罪を犯していたのか?と言うのがチョッとした内容の一部。このストーリーを通して、司法のあり方、本当の正義、勝てば官軍の愚かな考え方、信仰心等について考えさせられ、そして個人的に1番感激したのは母の子供を愛する家族愛

 アメリカを真っ二つにした南北戦争からリンカーン大統領暗殺を通して、現代にも通用するアメリカの社会問題を描き、さらには心震えるヒューマニズムをぶち込んだストーリーとは如何に
 アメリカ南北戦争によって奴隷解放を訴える北軍が勝つ。しかし、北軍に不満を持つ南軍の残党であるチョッと有名な舞台俳優であるジョン・ウィルクス・ブーストビー・ケベル)を中心とするグループはリンカーン大統領を暗殺し、他の要人にも暗殺未遂を引き起こす。
 北軍は威信をかけて、ジョン(トビー・ケベル)を始めとする暗殺実行部隊に関わった人々を次々捕まえるが、意外にも女手ひとつで下宿屋を経営しているメアリー・サットンロビン・ライト)も捕まっていた。
 彼女の下宿屋が暗殺グループの作戦会議場所になっており、きっとメアリー(ロビン・ライト)もリンカーン暗殺事件の内容を知っているはずだという理由から捕まっていた。しかも彼女の息子であるジョニー(ジョニー・シモンズ)はリンカーン暗殺に関わっており逃亡中だ。

 メアリー(ロビン・ライト)自身は無罪を主張するのだが、彼女の弁護を託されてしまったのが、かつては北軍として戦い、リンカーン大統領暗殺に対して更に南軍の残党を憎しと考えているフレデリック(ジェームズ・マカヴォイ)。彼の中ではメアリー(ロビン・ライト)は有罪で絞首刑は当たり前だと考えているために最初は全く気乗りがしない弁護だったのだが、やがてこの裁判がおかしいことに気付き、次第にメアリー(ロビン・ライト)は無罪であることを確信し始める。
 しかし、メアリー(ロビン・ライト)の無罪を立証するためには、どうしても彼女自身が隠している情報を聞き出す必要があるのだが・・・

 勝者のみが敗者を裁くことによる不公平な悲劇。特に北軍の横柄な連中は非常に腹立たしい。この映画の裁判シーンを見ていると、日本も不公平極まりない東京裁判を思い出す。俺が思うにあの戦争のA級戦犯は、日本に戦争を仕掛けるように持っていったフランクリン・ルーズベルトと、原子爆弾を投下して民間人を大量虐殺したハリー・S・トルーマンの2人のアメリカの大統領。いずれ歴史によって、この2人にこそA級戦犯の烙印を押さなければならない。
 勝つことこそが正義のアメリカって本当に昔も今も変わらない。
 
 ちなみに本作は1865年の実話。まさに145年の時を経てメアリー・サットンの名誉を回復した映画と言えるだろう。このような社会派映画を作ってしまうリベラルと呼ばれる人々はアメリカという国の役に立っているが、それに比べて日本の富、精神、領土を外国に売り飛ばしてしまいかねない日本のリベラルが全く国の役に立っていないのが非常に残念。このような社会派作品を観ていると、なんだかんだ言ってもアメリカという国が羨ましくなるから本当に不思議

 非常に渋い内容の映画ですが、有名スターは多く登場、なかなかセンスの良い映像、音楽などなど、もっと誉めたい部分がたくさんある声をかくす人は社会派作品が好きな人にはお勧めできます

声をかくす人 [DVD]
ジェームズ・マカヴォイ,ロビン・ライト,ケヴィン・クライン,エヴァン・レイチェル・ウッド,ダニー・ヒューストン
アミューズソフトエンタテインメント


 監督は大スターでもあるロバート・レッドフォード。彼の監督作品群は大スターらしくなく渋い作品ばかり。彼のお勧め作品となると社会派作品ではクイズショウ、トム・クルーズ、メリル・ストリープ競演の大いなる陰謀が良いです。
 個人的にはどこかノスタルジックな作風のレッドフォード監督作品が好きなのですが、父親として悩みまくるドナルド・サザーランド出演の普通の人々、ブラッド・ピット主演のリバー・ランズ・スルー・イット、俺好みのスタイル抜群のスカーレット・ヨハンソンが子役で出演しているモンタナの風に抱かれてがお勧め。

 渋い作品ですがかなりの豪華キャスト
 正義を貫けば貫くほど苦しみが大きくなっていくフレデリックを演じるのがジェームズ・マカヴォイ。この人のお勧め作品は名優フォレスト・ウィティカーがウガンダの独裁者インディ・アミンを演じたラスト・キング・オブ・スコットランドが良いです。

 結局最後は悲劇的な運命を迎えるメアリー・サラットを演じるのが、あの名優ショーン・ペンの元妻であるロビン・ライト。彼女のお勧め作品となるとショーン・ペン監督、ジャック・ニコルソン競演のプレッジが良いです。

 メアリー・サラットの娘アンナ・サラットを演じたのがエヴァン・レイチェル・ウッド。本作品では迫真の演技を見せていますが、今後に益々期待したくなる女優さん。ミッキー・ローク主演のレスラー、そして特にお勧めなのがユマ・サーマン競演のダイアナの選択が超お勧め。

 観ている途中は気付きませんでしたが裁判に大きな影響を及ぼすエドウィン・スタントン役で名優ケヴィン・クラインが出演しています。コメディーからシリアスな役柄を簡単に演じ分けてしまう印象があります。南アフリカのアパルトヘイト政策を批判したリチャード・アッテンボロー監督、デンゼル・ワシントン競演の遠い夜明け、ブラックジョーク炸裂のワンダとダイヤと優しい奴ら、心に大きな傷を背負った同士の不思議な恋愛模様が描かれるメリル・ストリープ競演のソフィーの選択がお勧め

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映画 影なき狙撃者(1962) とても面白い政治サスペンスです

2013年04月04日 | 映画(か行)
 リアリティがあるかないかは別にして、東西冷戦を背景にした政治サスペンス映画はハリウッドにおいて面白い映画がたくさんある。しかも現実に東西冷戦の最中に製作された政治映画ほど面白い。今観ればどこか素っ頓狂な内容に思えても、実際にその時代に観た人にとってはなかなかリアリティがあったり、ホラー以上に恐怖的な感覚で観られたのかもしれない。今回紹介する映画影なき狙撃者も朝鮮戦争から東西冷戦時代にかけての時代が背景。マッカーシズムを思わせるアメリカの情勢も描かれており、アメリカが共産主義に対して非常な恐怖感を持っていたことがよくわかる。

 しかも、この映画の面白いところはマインドコントロールを上手く使っているところ。せっかく売れていた女性芸人が、一度に300万円も使って服を買ったり、焼肉を食い過ぎて太ってしまったり・・・等など色々な奇行の現実を見聞きするとマインドコントロールって本当に恐ろしいということがよくわかったが、本作品で使われるマインドコントロールは、あるキーワードを見ると無意識の内に人を殺してしまうという設定。そのようなマインドコントロールがアメリカの要人暗殺の手段として使われるという大袈裟な展開が抜群に面白く、反共プロバガンダ的な内容にも受け取れるストーリーとは如何なるものか

 朝鮮戦争に従軍していたアメリカ軍のマーコ大尉(フランク・シナトラ)、レイモンド(ローレンス・ハーヴェイ)たちの部隊は北朝鮮側の捕虜となってしまう。
 朝鮮戦争の休戦協定後に、マーコ大尉(シナトラ)、レイモンド(ハーヴェイ)は帰国するが、レイモンド(ハーヴェイ)は捕虜となった部隊を勇敢な行動で助け出した英雄として賞賛される。しかし、マーコ大尉(シナトラ)は帰国後に軍部に戻るが、いつも原因不明の悪夢に襲われ、ついに強制的に休暇を押し付けられる。
 実はマーコ大尉(シナトラ)たちは捕虜になった時に中国共産党にマインドコントロールに掛けられており、特にレイモンド(ハーヴェイ)はダイヤのクイーンを目にすると相手の言いなりになってしまうように洗脳されていた。
 マーコ大尉(シナトラ)は休暇中に一緒に朝鮮戦争を戦った部下の言動や旅の途中で逆ナンされて恋人になったローズ(ジャネット・リー)の協力のお陰で、自分たちが捕虜として囚われていた時の出来事を思い出し、レイモンド(ハーヴェイ)が次期大統領候補を暗殺するようにマインドコントロールをされていることを突き止め、さらにマーコ大尉(シナトラ)は暗殺実行を阻止しようとするのだが・・・

 コーマ大尉(シナトラ)やレイモンド(ハーヴェイ)達が捕虜となってマインドコントロールを掛けられているシーンが印象的。その時にスターリンと毛沢東の肖像が大きく写されていますが、何故か吐き気がした。
 レイモンド(ハーヴェイ)の母親(アンジェラー・ランズベリー)はバリバリのタカ派発言を繰り返し、再婚相手が副大統領候補で徹底的に共産主義者を糾弾していますが、この辺はアメリカの政治に詳しい人は面白いし、結末への伏線としてうまく活かされています。
 フランク・シナトラと朝鮮人(個人的にはそれほど朝鮮人に見えないのですが)の格闘シーンが笑える。ジャッキー・チェンやボーン・シリーズを観ている者にとっては、流石に時代を感じさせ、何となく微笑ましくなるような格闘シーンを観ることができる。
 マインドコントロールの怖さを実感し、後半の二転三転するドンデン返しは結構な驚きを味わえる。社会派作品にサスペンスを盛り込んで観ている我々を楽しませてくれるハリウッド映画の凄みを感じさせる影なき狙撃者はお勧めです

影なき狙撃者 [DVD]
フランク・シナトラ,ローレンス・ハーベイ
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント


 ちなみにデンゼル・ワシントン主演のクライシス・オブ・アメリカは本作のリメイクです。
 監督はジョン・フランケンハイマー。本作品で見られるような骨太な政治サスペンスに手腕を発揮する印象があります。特にイスラエルの諜報員とアラブのテロリストとの対決を描いたブラック・サンデーはお勧めです。
 アクション映画においてはジーン・ハックマン主演のフレンチ・コネクション2、ロバート・デ・ニーロ、ジャン・レノ競演のRONINは娯楽作品としてお勧めです

 マーコ大尉を演じるのがフランク・シナトラマイ・ウェイ等の大ヒット曲で知られるシンガーとして有名。しかし、俳優としてのキャリアも申し分の無い大スター。彼の出演しているお勧め作品はフレッド・ジンネマン監督の名作地上より永遠に、オーシャンズ11のリメイク基になっているオーシャンと十一人の仲間がお勧めです。

 フランク・シナトラの恋人役でジャネット・リー。アルフレッド・ヒッチコック監督のサイコが超有名。もうすぐ公開のヒッチコックではジャネット・リーの役をスカーレット・ヨハンソンが演じています。

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映画 華麗なる賭け(1968) お洒落な映画です

2013年03月28日 | 映画(か行)
 1950年代から70年代にかけての大スターだったスティーヴ・マックイーン。とてつもなくクールで格好良いイメージがあるが、とにかくこの映画では彼の馬鹿笑いが見る事ができる。内容は7:3の割合で恋愛とサスペンスが融合。派手なドンパチはまるで無く、大人の男女の駆け引きが楽しい映画が今回紹介する華麗なる賭け

  
 有り余るほどのカネを持っていて、高級車、自家用飛行機を持参し、美人の彼女が居て、ゴルフなどのスポーツを楽しんでいるような、我々のようなカネ無い、ヒマ無いの凡人から見ると、とても羨ましい36歳の独身の大富豪トーマス・クラウン(スティーヴ・マックイーン)。ところがトーマス(マックイーン)は『なんだか人生に刺激が無いんだよな~』と思ったのか、見ず知らずの5人を集めて銀行強盗を計画し、まんまと大金を強奪することに成功。
 全く誰が犯人なのか証拠の1つも見つけられないボンクラな警察に代わって、美人保険調査員のビッキー(フェイ・ダナウェイ)が女の勘だけを頼りにトーマス(マックイーン)を犯人と決めつけ、証拠を得るためにハニートラップを仕掛けるが、だんだん2人の間にはロマンスが・・・

 冒頭の銀行強盗計画から実行するまでのマルチ画面による描写は今観ても斬新的。そして強盗シーンとは不釣合いだが音楽(風のささやき)が哀愁漂うメロディーで2人の男女の想いが見事に表現されている名曲だ。
 大金持ちが自己満足のために銀行強盗を計画、実行するという設定は現在世界中が不景気の世の中において観ていて気持ちの良いものでは無いが、良くも悪くもやっぱりお金持ちになりたいと思わせる映画だ。

 強盗シーンが迫力があるわけでもなく、それほど緻密に練られた強盗計画だとも思えず、それでいて意外なほどアッサリ金を奪うことに成功したりで、手に汗を握る展開を好む人には向かない。しかし、フェイ・ダナウェイの衣装はゴージャス過ぎて楽しめるし、チェスの対決シーンはロマンティックで必見だし、ラストの結末の余韻も良い。大人の男女の雰囲気が醸し出すムードが好きな人には、恐らく好評のはず。
 最近のグロテスクなサスペンス映画は見飽きたという人には華麗なる賭けはお勧めです

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 監督は1960年代以降、名作を多く輩出しているノーマン・ジュイソン。本作品と同じスティーヴ・マックイーンと組んだ博打映画の傑作シンシナティ・キッド、ロッド・スタイガー、シドニー・ポワチエ競演の人種差別を背景にした刑事映画夜の大走査線、アル・パチーノが正義感に燃える弁護士を熱演するジャスティス、シェール主演のロマンチィック映画の傑作月の輝く夜になど社会派、娯楽、恋愛など多くの分野にまたがって傑作を連発しています。

 主演の大富豪を演じるのが大スターだったスティーヴ・マックイーン。アクション俳優らしく大脱走荒野の七人ブリットゲッタウェイタワーリング・インフェルノなどヒット作多数。ここに挙げた作品は全部お勧めです。

 マックイーンに近づく美人保険調査員に今でも時々見かけるフェイ・ダナウェイ俺たちに明日はないを切っ掛けに、1960年代から70年代にかけてのアメリカン・ニューシネマの作品を代表する女優として、殆んど一人勝ち状態だった人です。ロマン・ポランスキー監督、ジャック・ニコルソン主演のチャイナタウン、マスコミの怖さを予見したようなシドニー・ルメット監督のネットワーク、本作品と同じくスティーヴ・マックイーン競演のタワーリング・インフェルノ、ジョン・ヴォイト競演の親子の感動のドラマチャンプなど。これもまた挙げた作品の全部がお勧めです。個人的にはチャイナタウンのミステリアスな雰囲気の彼女が最も気に入ってます。

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映画 コッポラの胡蝶の夢(2007) 再チャレンジの話?

2013年03月09日 | 映画(か行)
 昔、中国の孔子と言う偉い人が、40歳にして戸惑うことが無くなったと語っていたが、実際に自分が40歳になってみると戸惑うことばかりで、しかも未だに何をしたら良いのかわからない。僕のような凡人には昔の偉人と呼ばれる人の生き方は全く参考にならないなあ~と痛感する今日この頃であるが、最近は人生が妙に長く感じるようになってきた。人生80年とすれば、まだ俺は折り返しをやっと過ぎたところかよ、なんて考えたりすると気が遠くなってきた。
 どうせなら早く老人になって年金生活がしたいなんて考えてる無気力な俺。ところが、そんなことを考える俺とは対極に位置する人生を送っているのが、今回紹介する映画コッポラの胡蝶の夢の主人公である老人。実は俺のような考え方の人間は少なく、この映画の主人公のような悩み、苦しみを抱えている人間の方がきっと多いはず。

 色々と悩み苦しみ、老いていくことに絶望してしまう主人公の経験する世にも奇妙な人生を描いたストーリーとは如何なるものか。
 第二次世界大戦前の1930年代のルーマニア。70歳を迎えた言語学者のドミニク(ティム・ロス)は、今までの人生で最愛の女性ラウラ(アレクサンドラ・マリア・ララ)と別れてまで言語学の研究に人生の全てを捧げてきたが、迫り来る老いの前には研究は未完で終わってしまうことを悟り、ラウラ(アレクサンドラ・マリア・ララ)のことがずっと忘れられない。
 目標を達成できず、大切な物を無くしたことに絶望したドミニク(ロス)は自殺を決意してブカレストに向かうが、そこで彼は雷の直撃を受けて即死、と思いきや病院のベットで意識を取り戻す。しかも、驚くことに回復が早いどころか、体力は30歳代の若さを取り戻し、頭脳もさえまくり。しかも不思議なパワーが体内に宿る。
 そんなドミニク(ロス)は激動のヨーロッパの歴史をくぐり抜け、ラウラ(アレクサンドラ・マリア・ララ)と瓜二つの女性であるヴェロニカ(アレクサンドラ・マリア・ララの二役)と出会う。彼女との出会いは、ドミニク(ロス)に再び言語学の研究に取り組ませ、もう少しで完成するところだったのだが・・・

 志半ばで達成できないと思われた目標に、再チャレンジを与えられるとても羨ましいストーリーかと一瞬思える。本当にこんなことが可能なら何回でも雷に撃たれたいと思ったりするのだが、こんな事を考えているから俺は何時まででも迷い続けるのだ。
 哲学、宗教、歴史、人生観など様々な要素が絡み、更に意味深な結末。難しいテーマが多く含まれているが、スリル、恋愛、映像など映画的な楽しみが存分に含まれているため誰もが一応は楽しめる。
 ちなみに本作はゴッド・ファーザー地獄の黙示録等の名作で知られるフランシス・フォード・コッポラ監督が、10年振りにメガホンを撮ったことでも知られる作品。そんな事も合わせて考えると、観終わった後に、色々と考えさせられる映画。
 喜怒哀楽はそれほどありませんが、人生は果たして長いのか短いのか、自分の生き方は間違っているのか、悩める人生を送って来た人にコッポラの胡蝶の夢はお勧めです

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 監督は前述したようにフランシス・フォード・コッポラ。ちなみに僕の最も好きな映画が彼の監督作品のゴッド・ファーザーです。ゴッド・ファーザー以外でのお勧めとして、戦争映画(戦闘シーンはありませんが)の佳作友よ、風に抱かれて、車に夢を馳せた男を描いたジェフ・ブリッジス主演のタッカー、ジーン・ハックマン主演のサスペンス映画カンバセーション…盗聴…がお勧め。
 
 主演のドミニクを演じているのがティム・ロス。最近はすっかり名優の雰囲気まで出てきました。名匠的な監督の映画に多く出演していますが、お勧めはクエンティン・タランティーノ監督のレザボア・ドッグス、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の海上のピアニスト、ヴィム・ヴェンダース監督のアメリカ、家族のいる風景あたりがお勧め

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映画 クジラの島の少女(2002) あまりにものミラクルに感動します

2012年10月28日 | 映画(か行)
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 日本の天皇は二千六百年以上に渡って万世一系の男系によって現在も脈々と紡がれている。ところがどうも最近女性宮家の創設の動きが出てくるなど、まるで女系天皇を容認するような不穏な動きがある。個人的には女系天皇なんて大反対。細々と脈々と続いてきた皇統の歴史は英国の王室なんかは足元に及ばないぐらいの深くて重い誇るべき日本の伝統だ。日本人は何が何でも万世一系の皇統を守る義務がある。
 
 さて、今回紹介する映画クジラの島の少女はニュージーランド映画。製作された国のイメージからすると、ずいぶんチマチマしたストーリーが展開されるように思われるかもしれないが、壮大なスケール、大きな感動、爽快感が得られる映画。そして男社会における跡継ぎ問題についても少しばかり考えさせられる。

 ニュージーランドの海辺のマオリ族の村において。はるか昔、勇者パイケアがクジラに乗ってやって来たという古い伝説があり、そのパイケアを祖先とするマオリ族の族長は代々男性に限られていた。
 マオリの族長であるお祖父ちゃんコロ(ラウィリ・パラテーン)の長男のポロランギ(クリフ・カーティス)の奥さんは男女の双子の子供を産むが、男の子と奥さんは死んでしまい、女の子が生き残る。
 跡取りを楽しみにしていたコロ(ラウィリ・パラテーン)だったが女の子が生き残ったことに露骨に不快感を示し、そんなコロ(ラウィリ・パラテーン)の態度にポロランギ(クリフ・カーティス)は嫌気がさし、村を飛び出してしまい世界を放浪する旅に出てしまう。
 さて父ポロランギ(クリフ・カーティス)からパイケアと名付けられた少女(ケイシャ・キャッスル=ヒューズ)は12歳になった時・・・。

 女の子が産まれたことにショックを受けてしまう男尊女卑的な考えを持つ頭の固いお祖父ちゃんだが、孫娘のことを徹底的に嫌うかと言えばそうでもない。孫娘を可愛がる様子は一般のお祖父ちゃんと何ら変わりが無い。そしてパイケアと名付けられた少女もまたお祖父ちゃんのことを愛している。

 しかし、お祖父ちゃんはマオリ族の男社会の古い伝統を守ろうとするあまり、孫娘を苦しめることになる。一方、孫娘の方は自らがマオリ族の族長になる由緒正しき血筋である自覚を持ち、決して自らを苦しめるマオリ族社会の伝統、文化を拒否するどころか、受け容れようと努力する。その健気な様子は感動ものだ。

 そして長年の伝統を打ち破ることが如何に大変かが良くわかる。少女がマオリ族の族長として単に努力するだけでは認められず、誰もが納得するだけのミラクルを見せなければならないことを。そのミラクルも奇術師レベルではなくて、できるだけ神々しい姿を見せなければならないのだ。

 今までニュージーランドと言えばラグビーが強いことぐらいしか印象に無い人でも、この映画を観ればニュージーランドに興味が湧いてくる。それぐらいマオリ族の伝統、文化、風景が上手くストーリーに活かされており、観賞後は爽快感にあふれる。
 なんだかモヤモヤした気分が抜けきらない人にはぜひクジラの島の少女はお勧めだし、それ以外の万人にお勧めできる映画です

クジラの島の少女 [DVD]
ニキ・カーロ
アミューズソフトエンタテインメント


 監督はニュージーランド出身の女性監督のニキ・カーロ。この人の他のお勧め作品はシャリーズ・セロン主演のセクハラ訴訟問題を描いた社会派映画スタンド・アップがお勧め。

 主演の少女のケイシャ・キャッスル=ヒューズはこの映画の撮影時は11歳ですが、その6年後には子供を産んでいます。最近は再びニキ・カーロ監督と組んで約束の葡萄畑~あるワイン醸造家の物語に出演しています。
 他に有名どころではお父さん役のクリフ・カーティスが、最近はハリウッドでも有色人種として貴重な存在として活躍しています。ダニー・ボイル監督のサンシャイン 2057ダイ・ハード4.0に出演しています。

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映画 こうのとり、たちずさんで(1991) ギリシャ国境の難民の生活をえぐりだす 

2012年10月23日 | 映画(か行)
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 日本は海洋に囲まれているせいなのかヨーロッパ大陸諸国の国の人々よりも国境に対する意識が薄い。最初の方のシーンで国境警備隊の大佐が、国境線を前にしてこうのとりのように片足で立ちながら言う台詞が観ている我々に国境の厳しさを伝える。『この線を越えると、異国か、死か』うっかり大佐がよろめいたりして、足が国境線を越えてしまったら、一斉に銃弾が飛んでくる非常に緊張するシーンだ。
 もし、再びロシアの大統領や韓国の大統領が好き勝手に我が国の領土に乗り込んできたら撃ち殺せ(冗談です

 ギリシャ北部のアルバニアと接する国境付近のある村が舞台。その村にはアルバニア人、トルコ人、イラン人、クルド人などの難民がギリシャに入国許可をもらおうと住みついている。そんな難民たちの生活をリポートしようとテレビレポーターのアレクサンドロス(グレゴリー・カー)がこの村にクルー達と一緒に乗り込んでくる。
 そんな難民たちの中に、アレクサンドロス(グレゴリー・カー)は10年前に失踪して行方不明になっている大物政治家に似た男(マルチェロ・マストロヤンニ)を見かけるのだが、果たしてこの男は行方不明になっている大物政治家なのか、それとも全くの他人なのか?そんなサスペンス的要素は程々に、せっかく故郷を離れて命懸けで国境を渡ってきたのに大して報われない、または悲惨な状況に陥っている難民たちの姿に涙する映画がこうのとり、たちずさんでです

 よく言われるのがテオ・アンゲロプロス監督の作品は難解だ、退屈だのような批評を聞くが、本作のこうのとり、たちずさんでに関しては、そのような批評は当てはまらない、と思っているのは俺だけか
 とにかく見どころは満載だ。最初に述べた国境線についてのシーン、人種争いの末に殺された男がクレーンで吊るされているシーン、マルチェロ・マストロヤンニジャンヌ・モローの出会うドラマチックなシーン、そして川を、国境をはさんでの結婚式のシーンは映画史に残る名シーンに挙げても良いぐらいだ。とくにこの結婚式のシーンは日本で言えば織姫と彦星が年に1回会うことが許される七夕の日を連想させる非常にロマンチックなシーンだと思いきや銃声が轟くことにビックリする。

 それにしてもこの映画を観て考えさせられるのが、世界中では移民、難民に限らず外国人が他所の国で暮らすことが非常に大変だということ。それに比べて日本は本当に外国人に優しい国だ。実は日本ほど外国人が暮らしやすい国は珍しいのではないか。だいたい移民の国であるアメリカでさえ外国人はアメリカ国籍やグリーンカードを収得したがるが、日本に住んでいる外国人(中国人と韓国人)は日本国籍を持たずして、参政権を欲しがる。そんなに参政権が欲しいのなら日本国籍を取れよと言いたくなるのだが、グリーンカードを収得するよりも、はるかに簡単に収得できる日本国籍を収得する気が無い、必要すら感じない彼らは参政権は欲しがる我が儘振りを発揮する。しかも日本の政治家の中には平気で外国人に参政権を与えようとしている非常に心優しい人が居る。
 本当に在日中国人、在日韓国・朝鮮人にぜひこの映画を観て、何不自由なく日本で暮らしていることに感謝して欲しいです

テオ・アンゲロプロス全集 DVD-BOX II (ユリシーズの瞳/こうのとり、たちずさんで/シテール島の船出)
ハーヴェイ・カイテル,マルチェロ・マストロヤンニ,アキス・カレグリス
紀伊國屋書店


 ちなみに監督は前述したギリシャ人の巨匠テオ・アンゲロプロス。今年の1月に交通事故で死んだと聞いて驚きました。この人の作品では約4時間もある旅芸人の記録という名作との誉れ高い作品があります。実は20年前に観ましたが途中でギブアップしました。もう一度チャレンジしたいです。

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映画 コーチ・カーター(2005) スポ根映画かと思ってたら・・・

2012年08月28日 | 映画(か行)
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 アメリカのある地域の高校において50%の生徒しか卒業できず、卒業した学生の大学への進学率はわずか6%。その地域のアフリカ系アメリカ人(黒人)の18歳から24歳の33%が逮捕されて、80%が大学ではなくて、刑務所行き。なんだかよくわかったような、わからないような統計の数字がサミュエル・L・ジャクソン演じる熱血バスケットコーチの口から飛び出てくる。
 こんな落ちこぼればかりの高校に行きたいと思わないし、とにかくそんな治安の悪いところに引越ししたくない

 ちなみに今回紹介する映画コーチ・カーターは実際の出来事に基づいた物語。特に多くの日本人は前述した数字を聞いて驚き、さらにアメリカには高校を卒業しても犯罪者の道に否応無く進んでしまう過酷な現実があるということを思い知る。

 ストーリーは前述したような治安が悪い地域で、落ちこぼればかりの高校のバスケットボール部のコーチに、かつての同高校のバスケット部OBで名選手としてならしたカーターが就任する。彼は徹底した規則をバスケットボール部に持ち込み、スパルタ教育を実施する。
 バスケットボール部は色々と問題を抱えながらも急激に力をつけていく。しかしカーターがコーチとして最優先したことは、部員のバスケットの能力を伸ばすことでなく、『大学にいけるように勉強しろ』と言うことだった。果たして、この主張に対してどれだけの人が納得できるか

 日本は優秀な職人が多く育つ土壌がありながら、すっかり学歴社会を優先させたおかげで本当の意味での職人さんがメッキリ減ってしまった。現政権が高校無償化なんていう更なる学歴社会を推し進めてしまったために、益々日本の良さが失われることにならないか心配だ。
 しかし、アメリカのようにあらゆる面で勝ち負けの格差が大きく、強欲資本主義経済の社会において、『スポーツよりも勉強』と言うバスケットのコーチとは思えない程の現実主義は個人的には賛成だ。

 表面状はダメチームが熱いコーチの指導の下で選手たちが成長していくスポーツ根性映画の趣があるが、実は前述した統計的な数字の問題に直面している社会派映画と言った方が当てはまっている。しかしながら、バスケットの試合シーンはこの映画の見せ場であり、なかなかの臨場感がある。
 単なるスポーツ映画では物足りないと言う人にお勧めしたいコーチ・カーターを紹介します

コーチ・カーター スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
サミュエル・L・ジャクソン,アシャンティ,ロブ・ブラウン,ロバート・リチャード
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン


 小さなスポーツ用品点を経営するケン・カーター(サミュエル・L・ジャクソン)はリッチモンド高校のバスケット部のコーチに就任する。リッチモンド高校は落ちこぼれの集まりで、犯罪多発地域に立地していた。
 かつてケン・カーター(サミュエル・L・ジャクソン)は同高校バスケットボール部のOBであり、名選手としてならしていた。しかし、今のリッチモンド高校のバスケット部は超が付くほどの弱いチーム。そんなバスケットボール部を立て直すために彼が行ったことは、厳しいバスケットの練習以外に規則を設けること。
 それは『授業には必ず出席して、最前列で受けること』『『学業の成績は決められた一定の数字以上を取ること』『試合の日はネクタイ着用のこと』等、守れない選手は試合に出させない。

 ある日、選手たちの殆んどが規則を守れなかったことを知ったケン・カーター(サミュエル・L・ジャクソン)は練習場を閉鎖し、更には試合も行うことを拒否して、選手を図書室へ集めて勉強させる。しかし、学校関係者など周囲の人間はそんな彼のやり方に反発しだすが、ケン・カーター(サミュエル・L・ジャクソン)は決して信念を曲げることをぜず・・・コーチと選手の熱い絆に感動し、果たして選手たちの未来は?ぜひ映画を観てください



 主演のバスケットボール部のコーチカーターを演じるのは個性派黒人俳優のサミュエル・L・ジャクソン多くの作品に出演する名優。お勧め作品は多くありますが、彼が主役級となるとクエンティン・タランティーノ監督のパルプ・フィクション、ポール・トーマス・アンダーソン監督のハードエイト等。

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映画 告発のとき(2007) 反戦映画というテーマ以上に

2011年12月05日 | 映画(か行)
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 今となってはイラク戦争がブッシュ前大統領が再選を果たすための支持率アップのためにやったということがわかるが、あの時はその作戦が見事に的中し楽々とブッシュが再選した。しかし、世論の変化とは怖いものでイラク戦争がテロリストとの泥沼状態の戦いに変化してからは、ブッシュ大統領の支持率はボロボロで末期症状。そんな時には反戦論者の勢いは強まり、映画の世界においてもイラク戦争を批判した反戦映画が次々と作られる。そんな流れに乗って製作されたのが今回紹介する映画告発のときです。

 ストーリーはイラク戦争から帰って来た息子が、無断で軍隊から離れたと元軍人である父親が連絡を受ける。軍人であった自分の息子が無断で離隊などあり得ないと息子の所属していた基地に向かうが、息子が惨殺死体で見つかる最悪の結果に。地元の警察の女刑事の協力を得て、息子の殺害事件の真相に迫ろうとするが・・・

 反戦映画というと戦場における非人道的、過酷さをダイレクトに見せる作品が多いが、今回紹介する告発のときは戦場のシーンは回想で使われるだけでかなり少ない。だから激しい銃撃戦はほとんど無く、ダイナマイトの爆発シーンも無い。しかし、この映画を観た後に我々は戦争はダメなんだという当たり前の事を思い、主人公の元軍人であるコテコテの愛国者の変化していく心情に何とも言えないやるせない気分に襲われるのである
 事件の真相を知った時、60歳を超えた人間が今まで持っていた誇り、価値観、信念がもろくも音を立てていく様子が非常にショッキングであり、他人の秘密を知ろうと携帯電話をこっそり見てはいけないことがよくわかる映画

 ちなみに邦題はまるで裁判映画みたいで的外れ。原題はIn the Valley of Elah(エラの谷)。旧約聖書の有名なストーリーで、後に古代イスラエルの王となる少年ダビデが誰もが戦うことを恐れた巨人ゴリアテを退治した場所の事です。この話は映画の中でも語られます。
 全体的に暗い気分になってしまう映画ですが、この原題に込められた意味に少しだけ希望を見出せる告発のときを紹介します

告発のとき [DVD]
トミー・リー・ジョーンズ,シャーリーズ・セロン,スーザン・サランドン,ジェームズ・フランコ,ジョナサン・タッカー
ポニーキャニオン


 2004年、軍警察を定年退職し今はすっかり隠居生活をしていたハンク(トミー・リー・ジョーンズ)の元に、イラク戦争から帰還し息子で軍人であるマイク(ジョナサン・タッカー)が軍から無断で抜け出し、行方不明になっていると連絡を受ける。
 軍人である自分の息子が軍から抜け出すことなどあり得ないと考えていたハンク(リー・ショーンズ)は一緒に行きたがる妻のジョアン(スーザン・サランドン)を自宅に残し、マイク(タッカー)が所属していた基地へ向かう。
 
 基地に到着したハンク(リー・ショーンズ)は、マイク(タッカー)と同じ部隊で活動し、一緒にイラクから帰ってきた彼の仲間たちと話すが彼らはマイク(タッカー)が、どこへ消えてしまったのか全く心当たりが無かった。軍警察や地元の警察にもマイク(タッカー)の捜索を願い出るが明らかに彼らもやる気がなかった。
 ハンク(リー・ショーンズ)はどうしたら良いか途方に暮れていたが、マイク(タッカー)の無残な姿になった死体が発見されたとの連絡をうける。

 ハンク(リー・ショーンズ)は地元の警察で女刑事のエミリー(シャーリーズ・セロン)の協力を得て、マイク(タッカー)が殺された真相を究明しようとするが・・・単なる犯人探しで終わらない展開は映画を観てください



 アメリカの国旗に表現されるハンク(トミー・リー・ジョーンズ)の心情の変化、そして父親にもわからなかった息子の本当の姿とは後味の良い映画ではありませんが、エミリー(シャーリーズ・セロン)が女手一つで育てている息子デビッドの姿に、ほんの少しの希望の光が見られます。

 監督はラッセル・クロウ主演のスリー・デイズが公開中のポール・ハギス。人種偏見問題を描いた群集劇スタイルのクラッシュは傑作です。

 主演のトミー・リー・ジョーンズは日本ではCMの宇宙人役が有名ですが、実は大変な名優。ハリソン・フォードをとことん追いかける刑事を演じた逃亡者はお勧めです。他にはクリント・イーストウッド監督のスペース・カウボーイは並み居る老俳優たちの中でも1番おいしい役を演じていました。

 男性社会の中で奮闘する女刑事役のシャーリーズ・セロンは今回は見た目は地味に抑えているシングル・マザーを演じていますが、実はもの凄く美人。綺麗なお姉さんから醜悪な連続殺人鬼まで演じてしまう演技派でもあります。色々な名作に出演していますが、まだ無名に近かった時のラッセ・ハルストレム監督のサイダー・ハウスルールがお勧め。この映画を観るまでは、女性の裸は前から見るのが良いに決まっていると思っていましたが、実は女性の裸の後姿は神様が与えた芸術作品だと驚嘆しました。こんなことを書く俺はやっぱりアホです。
 他にニキ・カーロ監督の社会派作品スタンドアップ、そして運命って不思議だなあ~と感じることができるあの日、欲望の大地でがお勧め。

 出番は少ないながらもスーザン・サランドンジョシュ・ブローリン等が出演しているなど、豪華キャストにも注目です。

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映画 今度は愛妻家(2010) 本当に素敵なタイトルです

2011年12月03日 | 映画(か行)
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 タイトルを見た瞬間に思わず手にとってしまった映画・・・では無く、知り合いの美人奥さんにお勧めして頂いた映画。ちなみに僕は独身男性なのだが、その美人奥さんはもしかして僕の事を遊び人の結婚している男性だと勘違いしていたのかもしれない。ちょっと気になるので今度出会った時に確認しておこう。しかしハッキリわかったことは美人奥さんの旦那さんは愛妻家であるのは間違いないということだ

 さて、結婚していない僕にとって女性から言われる最も恐ろしい台詞とは『あなたの子供を妊娠しました』。もし本当にそんなことを言われたら、俺はとりあえず謝る。しかし、結婚歴10年で、ほとんど仕事もせずに家でブラブラしている状態の夫にとって妻から『子供を作る気が無いのなら別れましょう』と言われたら、妻の方から言い出してくれるとは万々歳、これで自由に若い女の子を家に連れ込めるなんて喜んでしまいそうだが、果たして本当にそうだろうか

 ある日、突然奥さんが居なくなった時の旦那さんの悲哀が描かれた映画が今回紹介する今度は愛妻家です。それにしても最近は自分から進んで日本映画を観ることが無くなった。本当は日本映画だって面白い映画がたくさん製作されていると思うのだが、色々な媒体で日本映画は駄目だ、駄目だと宣伝されるから僕もついつい洗脳されて日本映画を観る気がなくなってしまう。今回のように美人奥さんからお勧めしてもらうぐらいしか日本映画を観る方法が無いものなのか

 しかし、今回紹介する今度は愛妻家はハリウッド映画や韓国映画、そしてヨーロッパ各国には撮れないような日本らしい映画。日本人はよく冗談のセンスが足りないと言われるが、この映画を観る限り、日本人の笑いのセンスは世界でもトップレベルである事を確信した。笑えて、感動できて、日本独自の死生観が描かれているという点でぜひお勧めしたい映画です。
 日本人の多くの旦那さんは陰で奥さんの悪口を叩いているが、本当は心の底ではみんな奥さんのことを愛していることがよく理解でき、更に薬師丸ひろ子ってこんなに可愛かったんだ!と気付ける今度は愛妻家を紹介します

今度は愛妻家【通常版】[DVD]
中谷まゆみ,伊藤ちひろ
アミューズソフトエンタテインメント


 かつては有名なカメラマンだった俊介(豊川悦治)は仕事も無く怠惰な生活を送っていた。妻のさくら(薬師丸ひろ子)が旅行へ行く間際に軽く言葉を交し合うが、以前とは違う微妙な空気が漂っていた。
 さくら(薬師丸ひろ子)が旅行へ出かけると、新人女優がオーディション用の写真の撮影のために家にやって来て、俊介(豊川悦治)と新人女優は2人きりになるが、彼は彼女を抱くことが出来なかった。

 さくら(薬師丸ひろ子)が旅行に出かけた後、俊介(豊川悦治)は楽しい独身生活を過ごせるはずだったのだが彼の心はどこか空虚な気分で覆われていた。それどころか、さくら(薬師丸ひろ子)からの連絡は無いしいつ帰ってくるのかもわからないことに次第に苛立ちが募ってくる。俊介(豊川悦治)の周りには彼の助手の誠(濱田岳)、そしてオカマの文太(石橋 蓮司)が居たが、彼らの存在も俊介(豊川悦治)の心を満たすことはできない。
 そしてついに、さくら(薬師丸ひろ子)が旅行から帰ってくるのだが・・・ちょっと驚く展開は映画を観てください



 ちょっと?なシーンも次第に理解できるミステリー映画ではなく、笑えて、感動できる映画です。この映画を観たら崩壊寸前のご夫婦も修復できるかもしれませんし、未来に向かって生きる気力が湧いてくるかもしれないです。

 しかし、トヨエツって本当に素晴らしい俳優ですね。シリアスな雰囲気も良いですが、ちょっとダメ男っぽい役がはまります。
 そして石橋 蓮司さんもオカマの役が本当に上手でした。本当に貴重な俳優さんです。
 そして薬師丸ひろ子さんはこの映画が公開された時は46歳だったとは思えないくらい可愛いかったです。46歳のアイドルが誕生したかと思うぐらいに感動しました。この映画の中でも歌うシーンを披露してくれますが、個人的にはセーラー服と機関銃か、せめてあなたを・もっと・知りたくてぐらいを昔のファンだった者としては聴きたかったです

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映画 黒い罠(1958) オーソン・ウェルズ監督作品です

2011年11月04日 | 映画(か行)
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 今回紹介する映画黒い罠オーソン・ウェルズ監督の作品です。ところでオーソン・ウェルズって誰?と思った人にはこの映画はお勧めとは言い難い。
 実はオーソン・ウェルズは映画史上の金字塔として名を残す市民ケーンを監督した人だ。市民ケーンってどんな映画?と思われた人には、はっきり言って黒い罠は観ない方が良い

 最も好かれている映画のベスト100みたいな企画があれば、だいたいベスト3位までに入ってくる名作である市民ケーン僕は当然市民ケーンは観たことはあるのだが、名作と言われる映画が必ずしも面白いとは限らないとだけ述べておこう。

 とりあえず市民ケーンの特徴として、パンフォーカス、構成、音楽の使い方等のような映像表現において高い評価がされている。
 しかし、一般的な映画ファンと呼ばれるような人々にとって、映像表現を楽しむために映画を観る人がどれだけいるのか?だいたい映画を観る目的として、とにかく感動した、とにかく笑えた、とにかくハラハラドキドキした、とにかく怖かった、他にはとにかくエロかったのような高揚感を得ることだろう。
 市民ケーンからは、そのような高揚感を得られるかどうかは大いに疑問だ

 しかし、市民ケーンを観たことがあり、またサスペンス映画の名作である第三の男のような演技者としてのオーソン・ウェルズを知っている人にとっては、かなり楽しめる映画が今回紹介する黒い罠
 市民ケーンを観て、そんな凄い映像技術のテクニックが使用されていたことに気付かなかったという人も、今回紹介する黒い罠は大いなる実験精神に溢れていることがハッキリわかる。そして今まで2,000本以上映画を観たことがあると言う人ならば、そう言えばこのシーンやストーリー展開は、どこかで見たことがあったようなと感じることが出来る。

 この映画自体は1958年の古い作品ではあるが、実はその後の映画製作に大きな影響を与え、オーソン・ウェルズが実は凄い天才であったことに気付く黒い罠を紹介します

黒い罠 [DVD]
オーソン・ウェルズ,チャールトン・ヘストン,ジャネット・リー
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン


 新婚旅行の途中で訪れたアメリカとメキシコの国境の町で、メキシコの麻薬捜査官であるヴァルガス(チャールトン・へストン)と新妻のスーザン(ジャネット・リー)は2人を通り過ぎた車の爆発事故に遭遇してしまう

 自分の職務に熱心なヴァルガス(へストン)は休暇中であったがスーザン(リー)を近くのホテルへ帰らし、爆発事故の捜査を始める。アメリカ側からクインラン警部(オーソン・ウェルズ)が遅れてやってくる。クインラン警部(ウェルズ)は体の太った老警部であり、片足が不自由であり杖を持っている。しかし、クインラン警部(ウェルズ)は事件については必ず犯人を挙げる男であり、その腕は警官仲間からも慕われている。

 爆発した車に乗っていた男女2人のうち男の方は、この町を牛耳る実業家のリネカー氏だった。メキシコ側で仕掛けられた爆弾が爆発したことからメキシコ側の事件として扱うヴァルガス(ヘストン)、アメリカ側で爆発したことからアメリカ側の事件として扱おうとするクインラン警部(ウェルズ)。2人はお互いに協力して捜査することになるが、クインラン警部(ウェルズ)の方はヴァルガス(ヘストン)に対し敵意むき出しで接する。

 先に帰されたスーザン(リー)だったが、途中でこの町の麻薬を扱っているマフィアの親分であるジョー・グランディ(エイキム・タミロフ)に捕まってしまう。
 ジョー(タミロフ)の兄は現在麻薬関係の事件に絡んでおりメキシコの刑務所に居るが、その担当捜査官がヴァルガス(ヘストン)であり、彼の妻であるスーザン(リー)を脅迫してヴァルガス(ヘストン)を兄の事件から手を引かそうとしていた。
 難とかスーザン(リー)はジョー(タミロフ)から解放されるが、せっかくの新婚旅行がヴァルガス(ヘストン)の仕事熱心さから思わぬ方向に進んでしまい・・・アメリカとメキシコの国境の町を舞台に様々な人々の野望の結末、そして爆弾を仕掛けた犯人は?ぜひ映画を観てください



 冒頭で爆弾を仕掛ける所から始まり、車が爆発するまでの3分を越えるシーンをワンカットで撮ってしまう有名な?長回し。この映画は長回しのシーンがよく取上げられるが、他にも面白いシーンが多く見られる。格闘シーンのカメラの切り替りのスタイルは今観ても斬新。そして真下から撮るような超ローアングル、録音のやり取り等。
 あまりにも実験的過ぎて、何が何だか判りづらい場面もあったりで、全くの予備知識無しで観ると非難の声が出そうだが、逆にちょっと映画の知識が豊富な人ならば、これぞオーソン・ウェルズと拍手したくなるだろう。
 しかし、僕は映画は字幕で観るのだが、こんな下手くそな字幕は初めてでした吹き替えで観た方が良いかもしれないです。

 ちなみに出演もしているが、監督は前述したようにオーソン・ウェルズ市民ケーンは前述した通りですが、将来は映画監督を目指す人は観るべき作品。それ以外の人は期待せずに観れば、名作映画は凄いと思えるかもしれないです。
 僕は監督としてよりも俳優のイメージが強烈。市民ケーン第三の男はもちろんですが、出番は少ないですがわが命尽きるともの演技も印象に残ります。

 実はキャスト陣が豪華です。
 主演は数々の名作に出演しているチャールトン・へストンベン・ハー十戒のような歴史的名作は超有名。そして猿の惑星にも主演でした。個人的には大いなる西部における粗野な牧童の役が印象的です。

 チャールトン・へストンの新妻を演じたジャネット・リーは、やはりヒッチコックのサイコが超有名。ちなみに娘さんがワンダとダイヤと優しい奴ら大逆転トゥルー・ライズなど有名作品に多く出演しているジェイミー・リー・カーティスです。

 そしてマレーネ・ディードリッヒが短いながらも出演しているのが見逃せないところ。この人の声はすぐにわかります。
 他にも脇役が個性的で、オーソン・ウェルズって俳優仲間から尊敬されていたんだということがわかります

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