アメリカという国は有罪判決を受けてから刑務所行きまで25時間の猶予がある。だから猶予中にトンヅラする奴もいるわけだ。恐らく日本なら大きな罪で有罪判決を受けたら、直ぐに刑務所へ直行か?悲しいことに俺には司法に関する知識が乏しい。
さて、今回紹介する映画25時は麻薬所持で有罪判決を受けた主人公の、刑務所行き前の最後の自由時間の25時間を描いた秀逸な人間ドラマだ。
たった25時間の出来事なんて大したドラマなど描くことなんかできるわけねぇ~だろなんて思われるかもしれないが、欲望、怒り、裏切り、友情、親子愛、後悔、命、人種差別、宗教、そしてアメリカをショックのどん底に叩き込んだアメリカ同時多発テロ、俺が思い当たるだけでもこれだけ多くのテーマをぶち込んだ。特にワールド・トレードセンター(WTC)が崩壊した跡地のグラウンド・ゼロを真上から撮られるシーンがあるが、きっと感極まる人も多いはずだ。
さて、刑務所でとっても苦しい七年間の刑期を迎える前の、絶望的な25時間を主人公はどのように過ごすのか?
舞台はニューヨーク、ブルックリン。麻薬の売人だったモンティ(エドワード・ノートン)は麻薬捜査局によって逮捕されており25時間後に刑務所に入る予定。刑期は七年間。きっと刑務所の七年間は苦しみしかないだろう。彼は数ヶ月前に助けた犬、ドイルを連れてバドソン川を眺めている。
モンティ(ノートン)には刑務所に行くまでの残された時間内に、清算しなければならない事がたくさんあった。モンティ(ノートン)は母校で教師をしている親友であるジェイコブ(フリップ・シーモア・ホフマン)に会いに行き、さらにはウォール街で株のディーラーとして凄腕を発揮する幼馴染みのフランク(バリー・ペッパー)に電話し、刑務所行き前の最後の夜に、親友3人で集まりパーティーをしようと提案する。
さて自宅に戻ったモンティ(ノートン)だったが、恋人のナチュレ(ロザリオ・ドーソン)が待っていた。ナチュレ(ドーソン)は彼に刑務所行き前の最後の夜だから、今晩は一緒に居たいと言い出すがモンティ(ノートン)はそのことについては、応えない。彼は麻薬の在処を麻薬捜査局に情報を売ったのは、ナチュレ(ドーソン)だという疑惑を持っていた・・・
昔、ルイ・マル監督の作品で鬼火という映画があったが、あの映画は自殺を決意した男が知り合いの現状を知るために次々と訪ねるが、さらに虚無感を増していくストーリー。ちょっとあの映画を思い出した。
しかし、日本人にはアメリカの刑務所の内部のイメージが掴みにくいが、どうしてエドワード・ノートン演じる主人公があそこまでビビッてしまうのか?そのために友達のフランク(バリー・ペッパー)に自分の顔をボコボコに殴らさせるが、その理由が今思うと笑けるが果たして、アメリカの刑務所内の現実はそうなのか?
本当にこの映画は印象的なシーンが多い。トイレの中で鑑の自分に向かって叫ぶシーンがあるが、これぞスパイク・リー監督ならではの名演出とエドワード・ノートンの気合いの入った熱い演技が見事にマッチした名シーン。俺もこのシーンを自分の考えている言葉に変えて、真似てみたのだが・・・やっぱり俺はアホだ
ラストは父親がエドワード・ノートンを車に乗せて刑務所に向かおうするシーンがあるのだが、自分でも何でかわからないが切なくなり、そして息苦しくなる。そこにはニューヨークを愛する人間の想いをビシビシと感じるだけでなく・・・う~ん、これは言葉で説明するのが難しいから、とにかくこの映画を観てくれ。
さらにスパイク・リー監督の映画といえばラップミュージックが流れてくる印象があるが、今回は非常に重厚な音楽が流れる。この音楽が本当に名曲で、魂が揺さぶられる。決して、大袈裟に言っているわけでもなく、マジだ
サスペンスとヒューマン性がマッチした見応えのあるドラマ。そして観終わった後の余韻がバッチリ。パリよりもニューヨークの方が大好きという熱い気持ちを持っている人は必見の25時はお勧めだ
監督はブラック映画の雄、スパイク・リー。個人的には今回紹介した25時から作品の変化を感じる。
昔は黒人を主役にした映画ばかり撮っていた気がするが、その時の代表作としてドゥ・ザ・ライト・シング、マルコムXがお勧め。今回紹介した25時以降のお勧め作品を挙げると、デンゼル・ワシントン、クライヴ・オーウェン、ジョディー・フォスター、ウイレム・デ・フォー等、超豪華スター競演のインサイド・マン、社会風刺劇のセレブの種、そして本当に奇跡が連発する寓話的ストーリーセントアンナの奇跡等がお勧めだ。
主演のエドワード・ノートンは、まだ若いが既に名優の雰囲気が漂っている。彼のデビュー作でリチャード・ギア競演の真実の行方、デヴィッド・フィンチャー監督、ブラッド・ピット競演のファイト・クラブ、人種偏見の解決の難しさを痛感するアメリカン・ヒストリーX等がお勧め。
友人役でフリップ・シーモア・ホフマン。この人の代表作と言えばカポーティー。作家を目指す人は見てはいけない映画だが、作家って本当に大変だということがよ~くわかる映画です。他にもポール・トーマス・アンダーソン監督作品の常連でハード・エイト、ブギー・ナイツ、マグノリア、パンチドランク・ラブあたりもお勧め。他にはミッション・インポッシブル3での悪役が印象的。
もう一人の友人役でバリー・ペッパー。この人のお勧めは・・・けっこう色々な優秀な作品に出演していますが、実は他の作品では印象がありません
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さて、今回紹介する映画25時は麻薬所持で有罪判決を受けた主人公の、刑務所行き前の最後の自由時間の25時間を描いた秀逸な人間ドラマだ。
たった25時間の出来事なんて大したドラマなど描くことなんかできるわけねぇ~だろなんて思われるかもしれないが、欲望、怒り、裏切り、友情、親子愛、後悔、命、人種差別、宗教、そしてアメリカをショックのどん底に叩き込んだアメリカ同時多発テロ、俺が思い当たるだけでもこれだけ多くのテーマをぶち込んだ。特にワールド・トレードセンター(WTC)が崩壊した跡地のグラウンド・ゼロを真上から撮られるシーンがあるが、きっと感極まる人も多いはずだ。
さて、刑務所でとっても苦しい七年間の刑期を迎える前の、絶望的な25時間を主人公はどのように過ごすのか?
舞台はニューヨーク、ブルックリン。麻薬の売人だったモンティ(エドワード・ノートン)は麻薬捜査局によって逮捕されており25時間後に刑務所に入る予定。刑期は七年間。きっと刑務所の七年間は苦しみしかないだろう。彼は数ヶ月前に助けた犬、ドイルを連れてバドソン川を眺めている。
モンティ(ノートン)には刑務所に行くまでの残された時間内に、清算しなければならない事がたくさんあった。モンティ(ノートン)は母校で教師をしている親友であるジェイコブ(フリップ・シーモア・ホフマン)に会いに行き、さらにはウォール街で株のディーラーとして凄腕を発揮する幼馴染みのフランク(バリー・ペッパー)に電話し、刑務所行き前の最後の夜に、親友3人で集まりパーティーをしようと提案する。
さて自宅に戻ったモンティ(ノートン)だったが、恋人のナチュレ(ロザリオ・ドーソン)が待っていた。ナチュレ(ドーソン)は彼に刑務所行き前の最後の夜だから、今晩は一緒に居たいと言い出すがモンティ(ノートン)はそのことについては、応えない。彼は麻薬の在処を麻薬捜査局に情報を売ったのは、ナチュレ(ドーソン)だという疑惑を持っていた・・・
昔、ルイ・マル監督の作品で鬼火という映画があったが、あの映画は自殺を決意した男が知り合いの現状を知るために次々と訪ねるが、さらに虚無感を増していくストーリー。ちょっとあの映画を思い出した。
しかし、日本人にはアメリカの刑務所の内部のイメージが掴みにくいが、どうしてエドワード・ノートン演じる主人公があそこまでビビッてしまうのか?そのために友達のフランク(バリー・ペッパー)に自分の顔をボコボコに殴らさせるが、その理由が今思うと笑けるが果たして、アメリカの刑務所内の現実はそうなのか?
本当にこの映画は印象的なシーンが多い。トイレの中で鑑の自分に向かって叫ぶシーンがあるが、これぞスパイク・リー監督ならではの名演出とエドワード・ノートンの気合いの入った熱い演技が見事にマッチした名シーン。俺もこのシーンを自分の考えている言葉に変えて、真似てみたのだが・・・やっぱり俺はアホだ
ラストは父親がエドワード・ノートンを車に乗せて刑務所に向かおうするシーンがあるのだが、自分でも何でかわからないが切なくなり、そして息苦しくなる。そこにはニューヨークを愛する人間の想いをビシビシと感じるだけでなく・・・う~ん、これは言葉で説明するのが難しいから、とにかくこの映画を観てくれ。
さらにスパイク・リー監督の映画といえばラップミュージックが流れてくる印象があるが、今回は非常に重厚な音楽が流れる。この音楽が本当に名曲で、魂が揺さぶられる。決して、大袈裟に言っているわけでもなく、マジだ
サスペンスとヒューマン性がマッチした見応えのあるドラマ。そして観終わった後の余韻がバッチリ。パリよりもニューヨークの方が大好きという熱い気持ちを持っている人は必見の25時はお勧めだ
25時 スペシャル・エディション [DVD] | |
エドワード・ノートン,フィリップ・シーモア・ホフマン,バリー・ペッパー | |
角川エンタテインメント |
監督はブラック映画の雄、スパイク・リー。個人的には今回紹介した25時から作品の変化を感じる。
昔は黒人を主役にした映画ばかり撮っていた気がするが、その時の代表作としてドゥ・ザ・ライト・シング、マルコムXがお勧め。今回紹介した25時以降のお勧め作品を挙げると、デンゼル・ワシントン、クライヴ・オーウェン、ジョディー・フォスター、ウイレム・デ・フォー等、超豪華スター競演のインサイド・マン、社会風刺劇のセレブの種、そして本当に奇跡が連発する寓話的ストーリーセントアンナの奇跡等がお勧めだ。
主演のエドワード・ノートンは、まだ若いが既に名優の雰囲気が漂っている。彼のデビュー作でリチャード・ギア競演の真実の行方、デヴィッド・フィンチャー監督、ブラッド・ピット競演のファイト・クラブ、人種偏見の解決の難しさを痛感するアメリカン・ヒストリーX等がお勧め。
友人役でフリップ・シーモア・ホフマン。この人の代表作と言えばカポーティー。作家を目指す人は見てはいけない映画だが、作家って本当に大変だということがよ~くわかる映画です。他にもポール・トーマス・アンダーソン監督作品の常連でハード・エイト、ブギー・ナイツ、マグノリア、パンチドランク・ラブあたりもお勧め。他にはミッション・インポッシブル3での悪役が印象的。
もう一人の友人役でバリー・ペッパー。この人のお勧めは・・・けっこう色々な優秀な作品に出演していますが、実は他の作品では印象がありません
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