雪が降り積もっている時に観たくなり、なんだか笑える殺害シーンをたくさん見ることができる映画と言えば、今回紹介する映画ファーゴ。コーエン兄弟監督の作品の中でも最高傑作と呼び声が高い名作だ。コレといった有名な大物俳優は登場しないが、個性的な面々が揃いも揃って素っ頓狂な言動を次から次へと繰り出してくれる様子が非常に楽しいサスペンス映画。いきなり冒頭からTHIS IS A TRUE STORY(これは実話です)なんて文が流れてくるが、今思えば、これを一つとっても洒落が効いていることがよくわかる。
大まかなストーリだが、理由はよくわからんが借金でクビが回らなくなった男が、義父が大金持ちであることを利用して、自分の妻を見知らぬ男達に誘拐させて身代金を要求してもらい、その身代金で借金をチャラにしようと計画する。俺なんかは思わずナルホド!と感心させられるような素晴らしいアイデアだと思ったのだが、ところが事態は誘拐事件だけでは収まらず、殺人事件に発展。しかも、手を尽くそうとすればするほどドンドン殺人事件が発生。とにかく何をしても空振りしてしまい、悔しがって腹を立てる様子が笑える。
そして、とにかく人間的、精神的、道徳的にダメダメな奴等が多く登場する中で、とても素晴らしい人間性を発揮するのが事件を追いかける婦人警官。しかし、この婦人警官のキャラクター設定がまた笑える。既に大きなお腹をした妊婦さん。雪道ですべりそうになってヒヤッとさせたり、殺された人を見て気持ち悪くなってオウェ~と吐いているように見せて実はツワリだったのかと思わせたり、妊娠の影響なのか食いまくり。なんだか次から次へと起こる殺人事件に立ち向かっていくには心許ないように思えたりするのだが、抜群の推理力と行動力を見せてくれる非常に頼もしい婦人警官だ。
これって本当に実話かよ!なんて思わせるストーリーを更に詳しく紹介を。
自動車セールスマンのジェリー(ウィリアム・H・メイシー)は借金を返済するために、前科のある自動車整備士の紹介で2人組みのチンピラ、カール(スティーヴ・ブシェミ)とグリムスラッド(ピーター・ストーメア)とノースダコタ州ファーゴにある酒場で出会い、借金返済のための綿密に思える打ち合わせをする。
それは妻のジーン(クリステン・ルドルード)を2人組みのチンピラに誘拐してもらい、自動車業界の大物で大金持ちの妻の父親ウェイド(ハーヴ・プレスネル)に身代金を要求。そして身代金をジェリー(ウィリアム・H・メイシー)とチンピラの2人組みと山分けし、借金を返済する計画を立てていた。
計画通りにチンピラの2人組みはジーン(クリステン・ルドルード)を誘拐して、車に押し込み逃走。ところが途中でパトロール中の警官に尋問を受けてしまう。なんとかカール(スティーヴ・ブシェミ)は警官を騙そうと色々と言い訳を試みるが、隣に乗っていたグリスラム(ピーター・ストーメア)が警官を撃ち殺してしまい、さらに側を車で通り過ぎた目撃者を追いかけて殺害してしまう。
殺人事件を担当するのが婦人警官で妊婦でもあるマージ(フランシス・マクドーマンド)。彼女は色々な情報からジェリー(ウィリアム・H・メイシー)が殺害事件に関係があることを突き止め次第に真相に近づいていくのだが、事態は思わぬ方向へ進んでしまう・・・
映像的には非常に雪景色が印象的であり抜群の効果を発揮する。白い雪に染まる赤色の流血が悲惨さを感じさせたり、時々ユーモアを感じさせたりするのだが、どちらか一方に偏ることがなく、そのサジ加減が抜群だ。
そして、個性的な登場人物たちだが、2人組みのチンピラの設定がなかなか楽しい。カール(スティーヴ・ブシェミ)は小男でやたらしゃべりまくるが、反対にグリムスラッド(ピーター・ストーメア)は大男で無口。この2人の全く息が合っていないコンビネーションが笑わせる。
とにかく殺害シーンが笑えるブラックユーモアは、この監督の持ち味が充分に発揮されていて、一体何人が殺されるのか数えながら観るのも本作の変わった楽しみ方だし、誰が1番悲惨な殺し方をされるのか注意して見るのも楽しい見方だろう。
何だか俺の記事だけでは陰惨たる内容の映画だと思われそうだが、最後は人間の幸せって大金持ちになることじゃないよね~と感じらるチョッとばかり幸せな気分になれる映画。実は本作は多くの殺害シーンを見せながら、大いなる人間賛歌を謳った映画なのだ。
笑えるサスペンス映画が観たいと思う人、コーエン兄弟の映画が好きなのに何故か本作をまだ観ていないようなごく少数の人、ブラックユーモアを理解したい人、自分の部屋から外を見れば雪が降り積もっている景色が見られる人には映画ファーゴはお勧めしたい映画です
監督はアカデミー作品賞、監督賞にも輝くなど今や名匠としての地位を確立しているコーエン兄弟。デビュー作のブラッド・シンプル、異色マフィア映画ミラーズ・クロッシング(ちなみに今のところ俺が最も好きなコーエン兄弟の作品です)、冷酷無慈悲な殺人鬼をバビエル・バルデムが演じるノーカントリー、ジョージ・クルーニー主演のユルユルの脱獄ムービーのオー・ブラザー!などお勧め映画多数です。
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大まかなストーリだが、理由はよくわからんが借金でクビが回らなくなった男が、義父が大金持ちであることを利用して、自分の妻を見知らぬ男達に誘拐させて身代金を要求してもらい、その身代金で借金をチャラにしようと計画する。俺なんかは思わずナルホド!と感心させられるような素晴らしいアイデアだと思ったのだが、ところが事態は誘拐事件だけでは収まらず、殺人事件に発展。しかも、手を尽くそうとすればするほどドンドン殺人事件が発生。とにかく何をしても空振りしてしまい、悔しがって腹を立てる様子が笑える。
そして、とにかく人間的、精神的、道徳的にダメダメな奴等が多く登場する中で、とても素晴らしい人間性を発揮するのが事件を追いかける婦人警官。しかし、この婦人警官のキャラクター設定がまた笑える。既に大きなお腹をした妊婦さん。雪道ですべりそうになってヒヤッとさせたり、殺された人を見て気持ち悪くなってオウェ~と吐いているように見せて実はツワリだったのかと思わせたり、妊娠の影響なのか食いまくり。なんだか次から次へと起こる殺人事件に立ち向かっていくには心許ないように思えたりするのだが、抜群の推理力と行動力を見せてくれる非常に頼もしい婦人警官だ。
これって本当に実話かよ!なんて思わせるストーリーを更に詳しく紹介を。
自動車セールスマンのジェリー(ウィリアム・H・メイシー)は借金を返済するために、前科のある自動車整備士の紹介で2人組みのチンピラ、カール(スティーヴ・ブシェミ)とグリムスラッド(ピーター・ストーメア)とノースダコタ州ファーゴにある酒場で出会い、借金返済のための綿密に思える打ち合わせをする。
それは妻のジーン(クリステン・ルドルード)を2人組みのチンピラに誘拐してもらい、自動車業界の大物で大金持ちの妻の父親ウェイド(ハーヴ・プレスネル)に身代金を要求。そして身代金をジェリー(ウィリアム・H・メイシー)とチンピラの2人組みと山分けし、借金を返済する計画を立てていた。
計画通りにチンピラの2人組みはジーン(クリステン・ルドルード)を誘拐して、車に押し込み逃走。ところが途中でパトロール中の警官に尋問を受けてしまう。なんとかカール(スティーヴ・ブシェミ)は警官を騙そうと色々と言い訳を試みるが、隣に乗っていたグリスラム(ピーター・ストーメア)が警官を撃ち殺してしまい、さらに側を車で通り過ぎた目撃者を追いかけて殺害してしまう。
殺人事件を担当するのが婦人警官で妊婦でもあるマージ(フランシス・マクドーマンド)。彼女は色々な情報からジェリー(ウィリアム・H・メイシー)が殺害事件に関係があることを突き止め次第に真相に近づいていくのだが、事態は思わぬ方向へ進んでしまう・・・
映像的には非常に雪景色が印象的であり抜群の効果を発揮する。白い雪に染まる赤色の流血が悲惨さを感じさせたり、時々ユーモアを感じさせたりするのだが、どちらか一方に偏ることがなく、そのサジ加減が抜群だ。
そして、個性的な登場人物たちだが、2人組みのチンピラの設定がなかなか楽しい。カール(スティーヴ・ブシェミ)は小男でやたらしゃべりまくるが、反対にグリムスラッド(ピーター・ストーメア)は大男で無口。この2人の全く息が合っていないコンビネーションが笑わせる。
とにかく殺害シーンが笑えるブラックユーモアは、この監督の持ち味が充分に発揮されていて、一体何人が殺されるのか数えながら観るのも本作の変わった楽しみ方だし、誰が1番悲惨な殺し方をされるのか注意して見るのも楽しい見方だろう。
何だか俺の記事だけでは陰惨たる内容の映画だと思われそうだが、最後は人間の幸せって大金持ちになることじゃないよね~と感じらるチョッとばかり幸せな気分になれる映画。実は本作は多くの殺害シーンを見せながら、大いなる人間賛歌を謳った映画なのだ。
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フランシス・マクドーマンド,スティーヴ・ブシェーミ,ウィリアム・H・メイシー,ピーター・ストーメア,ジョン・キャロル・リンチ | |
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監督はアカデミー作品賞、監督賞にも輝くなど今や名匠としての地位を確立しているコーエン兄弟。デビュー作のブラッド・シンプル、異色マフィア映画ミラーズ・クロッシング(ちなみに今のところ俺が最も好きなコーエン兄弟の作品です)、冷酷無慈悲な殺人鬼をバビエル・バルデムが演じるノーカントリー、ジョージ・クルーニー主演のユルユルの脱獄ムービーのオー・ブラザー!などお勧め映画多数です。
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