南シナ海に対する領有権を強行的に主張したり、人工島を作ったりとやりたい放題の中国の行為に対してフィリピンがハーグ仲裁裁判所に訴える。結果はもう既に皆さんもご存知のとおりフィリピンの主張が通り、中国の南シナ海での行動は違法とされた。そんなことは誰がみたって当たり前の結果。しかしながら今の中国には法の支配など通じない。
日本の領土である尖閣諸島が中国に脅かされているただ今の我が国の状況を考えると、国際法が全く通用しない相手に対してどのように対処すれば良いのか?本当にどこかの県知事が叫んでいるように米軍基地を沖縄から撤退させても良いのか?そんな現在の日本を取り巻く状況に似ている映画が今回紹介するワーロック。実は1959年という古い作品で、しかも西部劇。まさかこんな古い西部劇から現在の日本を暗示するような内容の映画を観れるとは夢にも思わなかったし、心の底から驚いた。
しかし、この西部劇はしょっぱなから驚きのシーンを見せてくれる。町で暴れまくる無法者に対して、町を守るはずの保安官が逃げ出してしまうのだ!これがジョン・ウェインだったら無法者が何人居てもライフルで撃ち殺してしまうはずだが、考えてみれば保安官とて1人の人間。そりゃ~、躊躇なく撃ってくる無法者に出くわしてしまったら安月給だろうが高給取りだろうが、怖くて逃げ出してしまうのも無理はない。だいたいこの町の住人も全く無責任で、保安官が1人で無法者たちに向かっていくのに助けることなんか全くせずに、見て見ぬフリをしてるだけ。どこぞの国の左翼の人間を思い浮かべてしまう。
冒頭からして単なる勧善懲悪を地でいく西部劇ではないことは観ていてすぐに気づくが、町の住人もただ無法者にやられっ放しではない。集会を開いて無法者対策のミーティングを行うが、さて彼らが異なる意見がぶつかりながらも出した答えは、暴れまくる無法者をとっちめるために凄腕ガンマンである執行官を雇うこと。好きほうだいに暴れ回っている奴等に土下座して『もう、これ以上暴れないでくれ~』とお願いしても、そんなことが通用するわけがなく、媚び続けるだけでは永遠にやられっ放しのまま。俺なんかはもっと早くこの凄腕ガンマンに来てもらえよ!なんてツッコミを入れたくなったが、この映画の凄いところは、その先の暴力で町を治めることの限界を描いているところ。
確かに世界を見渡しても独裁者による恐怖政治で繫栄している国などない。暴力を武器に俺が法だと叫んでいるかのような独裁者は何時の時代にも現われるが、その国の人民によって作られる法だからこそ国家としてもモラルが成り立つのだ。
さて、リベラルな視点で描かれたちょっとばかしユニークな西部劇のストーリー紹介を。
小さな町であるワーロックではエイブ(トム・ドレイク)を首領とする一味が好き勝手に暴れまくっており、この町では保安官ですら一味にリンチに遭い、逃げ出してしまう始末だった。しかし、そんなエイブ一味の中にもギャノン(リチャード・ウィドマーク)だけは自分達の行動を嫌っていた。
人殺しも平気なエイブ一味の無法ぶりにワーロックの住人達は集会を開き、町を自衛する方法を考えるが、出した結論は凄腕ガンマンであり町から町を渡り歩く執行官であるブレイズデール(ヘンリー・フォンダ)をワーロックに呼び雇うこと。しかし、ブレイズデールにはいつも付き添っているモーガン(アンソニー・クイン)がおり、彼がとんでもないトラブルメーカー。ワーロックの住人達はモーガンの存在に不安を感じていた。酒場においてエイブ一味がやってくるが、そこに悠々と現われたのがブレイズデール。彼の早撃ちの凄さに驚いたエイブ一味はサッサと逃げていくが、ギャノンはこの町に残ることを決め、保安官補佐として止まる。
銃の力によってこの町をエイブ一味から守ろうとするブレイズデール。極力銃は使わないで話し合いでエイブ一味を町に来させないようにしようとするギャノン。町を治める方法において異なる考えを持つ二人は、やがて対立することになっていくのだが・・・
実は本作は友情、恋愛、復讐といったテーマも盛り込まれており、なかなか複雑なストーリー。しかし、対決シーンがけっこう多く、しびれる場面も多いので見ていてダルさは感じない。そてにしても本作が現在の日本が置かれている状況と非常に似ているのにビックリする。
ワーロックという舞台をそのまま日本に置き換えれば、こいつ等が中国で、この2人がアメリカで、こいつが左翼思想の日本人で・・・なんて感じで観られるのも日本人ならでは楽しい見方だと言えるだろう。町から町へ銃を見せ付けて渡り歩く執行官であるヘンリー・フォンダの台詞にも非常に意味深な言葉がある。それはまるで沖縄にある米軍基地のことを言っているのか?なんて思う俺は妄想が酷い
色々な要素が混ざっている割りに上手くまとめられたように思えるし、熱くなれる友情シーンも用意されているし、何といってもラストシーンにアメリカのリベラル思想の凄みを感じさせられる。日本の現状を考えさせられる気分になれる珍しい西部劇として今回はワーロックをお勧めとして挙げておこう
監督はエドワード・ドミトリク。この人のお勧め映画は逆に教えて欲しい(笑)。ハンフリー・ボガードが出演しているという理由でケイン号の叛乱を観たことがありますが、ボガードの魅力が活かされず、個人的にはあんまり面白くなかったです。
日本の領土である尖閣諸島が中国に脅かされているただ今の我が国の状況を考えると、国際法が全く通用しない相手に対してどのように対処すれば良いのか?本当にどこかの県知事が叫んでいるように米軍基地を沖縄から撤退させても良いのか?そんな現在の日本を取り巻く状況に似ている映画が今回紹介するワーロック。実は1959年という古い作品で、しかも西部劇。まさかこんな古い西部劇から現在の日本を暗示するような内容の映画を観れるとは夢にも思わなかったし、心の底から驚いた。
しかし、この西部劇はしょっぱなから驚きのシーンを見せてくれる。町で暴れまくる無法者に対して、町を守るはずの保安官が逃げ出してしまうのだ!これがジョン・ウェインだったら無法者が何人居てもライフルで撃ち殺してしまうはずだが、考えてみれば保安官とて1人の人間。そりゃ~、躊躇なく撃ってくる無法者に出くわしてしまったら安月給だろうが高給取りだろうが、怖くて逃げ出してしまうのも無理はない。だいたいこの町の住人も全く無責任で、保安官が1人で無法者たちに向かっていくのに助けることなんか全くせずに、見て見ぬフリをしてるだけ。どこぞの国の左翼の人間を思い浮かべてしまう。
冒頭からして単なる勧善懲悪を地でいく西部劇ではないことは観ていてすぐに気づくが、町の住人もただ無法者にやられっ放しではない。集会を開いて無法者対策のミーティングを行うが、さて彼らが異なる意見がぶつかりながらも出した答えは、暴れまくる無法者をとっちめるために凄腕ガンマンである執行官を雇うこと。好きほうだいに暴れ回っている奴等に土下座して『もう、これ以上暴れないでくれ~』とお願いしても、そんなことが通用するわけがなく、媚び続けるだけでは永遠にやられっ放しのまま。俺なんかはもっと早くこの凄腕ガンマンに来てもらえよ!なんてツッコミを入れたくなったが、この映画の凄いところは、その先の暴力で町を治めることの限界を描いているところ。
確かに世界を見渡しても独裁者による恐怖政治で繫栄している国などない。暴力を武器に俺が法だと叫んでいるかのような独裁者は何時の時代にも現われるが、その国の人民によって作られる法だからこそ国家としてもモラルが成り立つのだ。
さて、リベラルな視点で描かれたちょっとばかしユニークな西部劇のストーリー紹介を。
小さな町であるワーロックではエイブ(トム・ドレイク)を首領とする一味が好き勝手に暴れまくっており、この町では保安官ですら一味にリンチに遭い、逃げ出してしまう始末だった。しかし、そんなエイブ一味の中にもギャノン(リチャード・ウィドマーク)だけは自分達の行動を嫌っていた。
人殺しも平気なエイブ一味の無法ぶりにワーロックの住人達は集会を開き、町を自衛する方法を考えるが、出した結論は凄腕ガンマンであり町から町を渡り歩く執行官であるブレイズデール(ヘンリー・フォンダ)をワーロックに呼び雇うこと。しかし、ブレイズデールにはいつも付き添っているモーガン(アンソニー・クイン)がおり、彼がとんでもないトラブルメーカー。ワーロックの住人達はモーガンの存在に不安を感じていた。酒場においてエイブ一味がやってくるが、そこに悠々と現われたのがブレイズデール。彼の早撃ちの凄さに驚いたエイブ一味はサッサと逃げていくが、ギャノンはこの町に残ることを決め、保安官補佐として止まる。
銃の力によってこの町をエイブ一味から守ろうとするブレイズデール。極力銃は使わないで話し合いでエイブ一味を町に来させないようにしようとするギャノン。町を治める方法において異なる考えを持つ二人は、やがて対立することになっていくのだが・・・
実は本作は友情、恋愛、復讐といったテーマも盛り込まれており、なかなか複雑なストーリー。しかし、対決シーンがけっこう多く、しびれる場面も多いので見ていてダルさは感じない。そてにしても本作が現在の日本が置かれている状況と非常に似ているのにビックリする。
ワーロックという舞台をそのまま日本に置き換えれば、こいつ等が中国で、この2人がアメリカで、こいつが左翼思想の日本人で・・・なんて感じで観られるのも日本人ならでは楽しい見方だと言えるだろう。町から町へ銃を見せ付けて渡り歩く執行官であるヘンリー・フォンダの台詞にも非常に意味深な言葉がある。それはまるで沖縄にある米軍基地のことを言っているのか?なんて思う俺は妄想が酷い
色々な要素が混ざっている割りに上手くまとめられたように思えるし、熱くなれる友情シーンも用意されているし、何といってもラストシーンにアメリカのリベラル思想の凄みを感じさせられる。日本の現状を考えさせられる気分になれる珍しい西部劇として今回はワーロックをお勧めとして挙げておこう
ワーロック [DVD] | |
リチャード・ウィドマーク,ヘンリー・フォンダ,アンソニー・クイン,ドロシー・マローン | |
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン |
監督はエドワード・ドミトリク。この人のお勧め映画は逆に教えて欲しい(笑)。ハンフリー・ボガードが出演しているという理由でケイン号の叛乱を観たことがありますが、ボガードの魅力が活かされず、個人的にはあんまり面白くなかったです。