先日、今回紹介する映画ディア・ハンター、そしてイヤー・オブ・ドラゴン等でで知られるマイケル・チミノ監督が亡くなった!享年77歳。しかしながら、その彼の監督人生は年齢の割りにあまりにも寡作。天国の門で予算をオーバーした上に、興行的にもサッパリで大コケした挙げ句に、映画会社を倒産に追い込んでしまったのが原因か。しかし、彼はアカデミー監督賞に輝いた名監督なのだが、ちょっと名誉を得たから態度がでかくなったり、調子に乗りすぎるとあっと言う間に転落していくことは彼の映画監督としての人生を想うと我々がこれから生きていく時の教訓となる。
彼にアカデミー監督賞をもたらした作品であり、アカデミー作品賞にも輝いている映画が前述したとおり今回紹介する映画ディア・ハンター。題名はそのまんま鹿狩りをする人のことだが、本作はベトナム戦争を題材にした映画であり、本作以降ベトナム戦争を扱った映画が連発することになる。もしかしたら本作はベトナム戦争の映画というよりも、実弾を一発入れたリボルバー式の拳銃の銃口を自らの頭に向けて引き鉄を引くロシアンルーレットのシーンが描かれていることで有名かもしれない。
しかし、この映画の豪快な構成には恐れ入る。全体で3時間の長い映画だが最初の1時間は豪華披露宴やタイトル通りに鹿狩りをしている様子が描かれる。ベトナム出征前の若者達の青春映画というような風情を感じられたりするが、実は1時間も掛けているだけあって非常に念入りな前フリ。しかし、唐突にベトナムの戦場シーンに変わってからは、まるで別の映画に変わってしまったかのごとく様相は一変。ここからが観ている我々も心身ともにボロボロになっていくような展開が待っている。しかし、本作を見ていると肉体的苦痛よりも精神的崩壊の方にショックを受ける人が殆んどだろう。
さて、ベトナム戦争を描いた映画であることは間違いではないが、実は戦場のシーンなんかチョッとしか無いのに戦争の悲惨さを感じられるストーリーの紹介を。
アメリカのペンシルヴァニア州のピッツバーグにおいて。製鉄所に働く若者たちマイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーヴン(ジョン・サヴェージ)、スタンリー(ジョン・カザール)達は普段はバーで球を突き、山へ鹿狩りに行くなど仲の良いお友達。しかし、そんな彼らにもベトナム戦争の影が迫っている。
徴兵されてベトナムに向かうことになっているマイケル、ニック、スティーヴンの壮行会とスティーヴンの結婚式が兼ねて行われ、ニックはリンダ(メリル・ストリープ)に結婚のプロポーズをし、リンダも喜んで受け容れる。
マイケル、ニック、スティーヴンはベトナムの戦場で偶然に再会する。しかし、北ベトナム軍の猛攻を受けて3人は捕虜になってしまい、そこで彼らは恐ろしい経験をしてしまい・・・
ベトナムでの戦闘シーンの場面は殆んどないのだが、それでも戦争の悲惨さが痛いほど伝わってくる。鹿狩りのシーンでマイケル(ロバート・デ・ニーロ)が「鹿は一発で仕留めなければならない」なんて言う台詞が出てくるが、その言葉がハイライトシーンでボディブローのように効いてくる。ディア・ハンティングを楽しんでいたのが、ヒューマン・ハンティングに変えてしまったベトナム戦争が、若者達の友情、愛する人への想い、故郷への想いを一気に吹っ飛ばしてしまったことを痛感するシーンだ。
しかし緻密なことを考え出したら、色々と粗が目立ってしまう。「ベトナムって本当にこんなことをやってるの?」「お前、ずっと銃を頭に突きつけて、よく今まで生きてんな!」「お前が、おカネを送金できるような精神状態じゃないだろ!」・・・等など。しかし、そんな事は本作を観終わった後に気付くだけで、観ている最中はそんな素っ頓狂な出来事でさえ真面目に見ているのだから全く気にならない。ベトナム戦争を描いた映画は他にもたくさんあるが、俺が観た中ではナンバーワンだという評価は揺るぎもない傑作だ。
そして、登場人物達がロシア系の移民であることを強調するような演出もなかなか興味深く、意味深だ。
若きロバート・デ・ニーロが見たい人、ベトナム戦争のダメージを感じたい人、クリント・イーストウッド監督のジャージー・ボーイズを見ている人で、あの曲良いよね~って思った人、綺麗なメリル・ストリープが見たい人等、結局は万人にお勧めしたい映画としてディア・ハンターを今回は挙げておこう
監督は前述したマイケル・チミノ。他ではイヤー・オブ・ザ・ドラゴンは超お勧めです。
彼にアカデミー監督賞をもたらした作品であり、アカデミー作品賞にも輝いている映画が前述したとおり今回紹介する映画ディア・ハンター。題名はそのまんま鹿狩りをする人のことだが、本作はベトナム戦争を題材にした映画であり、本作以降ベトナム戦争を扱った映画が連発することになる。もしかしたら本作はベトナム戦争の映画というよりも、実弾を一発入れたリボルバー式の拳銃の銃口を自らの頭に向けて引き鉄を引くロシアンルーレットのシーンが描かれていることで有名かもしれない。
しかし、この映画の豪快な構成には恐れ入る。全体で3時間の長い映画だが最初の1時間は豪華披露宴やタイトル通りに鹿狩りをしている様子が描かれる。ベトナム出征前の若者達の青春映画というような風情を感じられたりするが、実は1時間も掛けているだけあって非常に念入りな前フリ。しかし、唐突にベトナムの戦場シーンに変わってからは、まるで別の映画に変わってしまったかのごとく様相は一変。ここからが観ている我々も心身ともにボロボロになっていくような展開が待っている。しかし、本作を見ていると肉体的苦痛よりも精神的崩壊の方にショックを受ける人が殆んどだろう。
さて、ベトナム戦争を描いた映画であることは間違いではないが、実は戦場のシーンなんかチョッとしか無いのに戦争の悲惨さを感じられるストーリーの紹介を。
アメリカのペンシルヴァニア州のピッツバーグにおいて。製鉄所に働く若者たちマイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーヴン(ジョン・サヴェージ)、スタンリー(ジョン・カザール)達は普段はバーで球を突き、山へ鹿狩りに行くなど仲の良いお友達。しかし、そんな彼らにもベトナム戦争の影が迫っている。
徴兵されてベトナムに向かうことになっているマイケル、ニック、スティーヴンの壮行会とスティーヴンの結婚式が兼ねて行われ、ニックはリンダ(メリル・ストリープ)に結婚のプロポーズをし、リンダも喜んで受け容れる。
マイケル、ニック、スティーヴンはベトナムの戦場で偶然に再会する。しかし、北ベトナム軍の猛攻を受けて3人は捕虜になってしまい、そこで彼らは恐ろしい経験をしてしまい・・・
ベトナムでの戦闘シーンの場面は殆んどないのだが、それでも戦争の悲惨さが痛いほど伝わってくる。鹿狩りのシーンでマイケル(ロバート・デ・ニーロ)が「鹿は一発で仕留めなければならない」なんて言う台詞が出てくるが、その言葉がハイライトシーンでボディブローのように効いてくる。ディア・ハンティングを楽しんでいたのが、ヒューマン・ハンティングに変えてしまったベトナム戦争が、若者達の友情、愛する人への想い、故郷への想いを一気に吹っ飛ばしてしまったことを痛感するシーンだ。
しかし緻密なことを考え出したら、色々と粗が目立ってしまう。「ベトナムって本当にこんなことをやってるの?」「お前、ずっと銃を頭に突きつけて、よく今まで生きてんな!」「お前が、おカネを送金できるような精神状態じゃないだろ!」・・・等など。しかし、そんな事は本作を観終わった後に気付くだけで、観ている最中はそんな素っ頓狂な出来事でさえ真面目に見ているのだから全く気にならない。ベトナム戦争を描いた映画は他にもたくさんあるが、俺が観た中ではナンバーワンだという評価は揺るぎもない傑作だ。
そして、登場人物達がロシア系の移民であることを強調するような演出もなかなか興味深く、意味深だ。
若きロバート・デ・ニーロが見たい人、ベトナム戦争のダメージを感じたい人、クリント・イーストウッド監督のジャージー・ボーイズを見ている人で、あの曲良いよね~って思った人、綺麗なメリル・ストリープが見たい人等、結局は万人にお勧めしたい映画としてディア・ハンターを今回は挙げておこう
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監督は前述したマイケル・チミノ。他ではイヤー・オブ・ザ・ドラゴンは超お勧めです。