褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 惑星ソラリス(1972) ソ連製SF映画の名作

2017年09月05日 | 映画(わ行)
 アメリカの映画の都ハリウッドで『2001年宇宙の旅(1968)』や『スターウォーズ(1977)』のようなビジュアルや音響の面で斬新なSF映画が撮られていた一方で、もう一つの当時の世界二大大国の雄であった共産主義国家のソ連で製作されていたSF映画が今回紹介する映画惑星ソラリス。映像の詩人と呼ばれた名匠アンドレイ・タルコフスキーの代表作にして、現在でも名作として多くのファンを持つ傑作だ。

 しかしながら名作イコール面白い映画とは必ずしもならないのが映画の特徴。SF映画と言っても本作は特に目を見張るようなビジュアル的に優れた映像があるわけでなく、アクションシーンなんか全く出てこない。見た目からしてポンコツの宇宙ステーション、何だかウダウダ言っている登場人物たち、テンポはのろく、そんなシーンいる?なんて場面があったりのおかげで2時間半を超えてしまう長時間映画になってしまった。
 アクション映画を見慣れてしまった人には、きっと退屈に感じるお勧めしがたい作品だ。そうかと言って昔の古いヨーロッパ映画の名作が好きな人にとっても、果たして本作の良さがわかるかどうか微妙。
 映像の詩人、アンドレイ・タルコフスキー監督の個性が強く出ていて、ハマる人にはハマるが、逆に全く心に響かない人も出てくる。観る人を選ぶ作品だ。

 本ブログの映画関連のコンセプトは、その作品を褒めて褒めて、褒めまくること。多くの人に観てもらって、幸せな気分になってもらうことが俺の大きな喜び。
 このままでは誰も本作について興味を惹かれるように思えないので、可能な限り面白可笑しくストーリーを紹介することにチャレンジする。

 海のような物質で覆われた惑星ソラリスを探索中の宇宙ステーションで何やら不可解なことが起きているとの連絡を受けた心理学者のクリス(ドナタス・バニオニス)は、大した興味を惹かれないまま半ば強引に周りから説得されてソラリスの軌道上にある宇宙ステーションへ向かう。
 そこで彼が目にしたのは自殺した友人の死体、ちょっと気が狂ってしまった科学者、居るはずのない人物の痕跡。果たしてこの宇宙ステーションの中で一体何が起こっていたのか?と思っていた矢先に、クリス自身が絶対に在り得ない者を見てしまい・・・

 これ以上書くとネタバレになってしまいそうなのでストーリーの紹介はここまで。まあ、チャレンジは失敗したが少しぐらいはこの映画を観ようかな!と思った人も居るはずだ。
 人類には届かない未知の領域が、この世の中には存在するといった哲学的テーマが本作にはある。きっと本作を観た人、あるいはこれから観る人にはそんなテーマがあったことすら気づかないかもしれない。
 しかし、誰もが気づくテーマとしては、消滅しても再び現れるゾンビのような愛する人を目の前にした時、果たして愛せるのかどうか?ということ。何だか静かにストーリーは進むが、この一点に絞って観ると究極の愛の形に誰もが興味津々と観ることが出来るはずだ、ってホントかよ!
 
 冒頭からきれいな池の水が流れていたり、日本の首都高速が出てきたり、いきなり男女が空中に浮揚したり、家の中なのに雨が降っていたり、過去と現実の境目がはっきりしなかったり、主人公の男性の耳毛がドアップで写されたり、ハァ~?と思わせるシーンが出てくるので難解に感じる。恐らく作り手もワザと難しく感じるように作ったのではないかと思えるぐらいだ。
 実は数回本作を観ているが、俺自身が何だかモヤモヤした気分が残っている。特にラストシーンが非常に意味深で観る人によって色々な感想を持つはずだ。結局のところソラリスの正体は何だったのか?主人公の男性が最後にいる場所は何処?なんて疑問を感じながら、あ~また観たいと俺なんかは思う。
 俺なんかは結構好きなタイプの映画で、なんだかんだ言ってもミステリアスな雰囲気で楽しめる。
 とにかく名作とよばれる映画が観たくて飢えている人、ソ連制作の映画と聞いて興味を持った人、どんな状況でも眠くならない人、本作を観ていなくてもアンドレイ・タルコフスキー聞いて心が躍る人等には特にお勧めしたいし、またそれ以外の人でも睡眠さえたっぷりとって観れば、猛烈に感動する人がいるかもしれない。好き嫌いは激しく分かれそうな気がするが、今回は惑星ソラリスをお勧め映画として挙げておこう

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ナタリア・ボンダルチュク,ドナータス・バニオニス,ユーリー・ヤルヴェト,アナトーリー・ソロニーツィン,ウラジスラフ・ドヴォルジェツキー
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 監督は前述したようにアンドレイ・タルコフスキー。本作を含めて多くの作品が難解だと言われる。ストーリー的にわかりやすくて、見やすい映画としては僕の村は戦場だったがお勧め。僕が観た彼の作品で最も好きなのは、監督自身の平和への想いが感じられるノスタルジアだが、これも今回はお勧め映画に挙げておこう。




 


 
 

 

  

 
 
コメント (1)
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