あの3.11による東日本大震災によって、日本では公開中に急遽上映が中止されてしまったいわくつきの映画。最初の方の津波のリアリティ過ぎる映像が原因だが、果たして本当にあの時に上映中止する必要があったのか?
しかし、本作が公開された時は80歳という年齢に達したクリント・イーストウッド監督だが、彼は明らかに進化し、まだまだ成長している。人間の生き様、死に様を描き切ったと思ったら、ついに人間の死後の世界にまで手を伸ばしてしまった。ちなみに俺は20歳になった時に、絶対に大人になりたくないと思ったら、本当に何も成長しないまま40歳半ばに到達してしまったのと、ドエライ違いだ
何だか日本においては死後の世界を真面目に語ろうとすると、あの丹波哲郎のイメージから馬鹿にされ、しかも死者と話のできる霊能者が登場する映画と聞けばコメディ?なんて質問されそう。しかし、本作における霊能者を演じるマット・デイモンを見れば、これこそ真っ当な霊能者の姿であると感じ、霊能者って絶対にこんな苦しみを抱えているはずだよねって思うはず。少なくともこの映画を観ている間は、霊能者を見ていてインチキに遭っている気分にはならないだろう。
映画の構成は、別々の3つのストーリーが最後は運命的に交錯する最近流行り?のパターン。だいたいこのような構成だと3つのストーリーの内、1つがボロボロの時が多い。結局、これなら上映時間を3分の2に削れば良かったのにとか、わざわざ3つに分けるから何が何だかさっぱり理解できないとか、文句が多くなりがち。
しかし、クリント・イーストウッド監督はそんな課題を楽々とクリアしてみせる。3つのストーリーはどれも内容が濃く、それぞれに衝撃的なシーンを用意し、そしてラストで大きな感動と希望の両方を観ている我々に与えてくれるのだ。
それでは死を描きながらも生きる希望が湧いてくるストーリーの紹介を。
フランス人の女性ジャーナリストであるマリー(セシル・ドゥ・フランス)は東南アジアで休暇中に津波に飲み込まれ臨死体験をする。あの時に見た光景は何だったのか、本業よりも臨死体験の出来事を追求するのに必死になってしまう。
サンフランシスコにおいて、本物の霊能者であるジョージ(マット・デイモン)は自分の才能に嫌気がさし真面目に工場勤務をしている。たまたま通っていた料理教室で美人なメラニー(ブライス・ダラス・ハワード)と出会い仲良くなるのだが、霊能者としての才能がそんな出会いをぶち壊してしまう。
ロンドンに住む少年マーカス(フランキー・マクラレン)は双子の兄ジェイソン(ジョージ・マクラレン)を突然の事故で亡くしてしまう。すっかり孤独に悩まされてしまい、何時まで経っても死んだ兄のことが忘れられないでいた。
全く関係のなかった3人だが、『死』というキーワードが彼らを結びつけてしまい・・・
さて、冒頭にも述べたが本当に上映中止にした判断は正しかったのだろうか?俺の答えはノー。なぜなら本作には癒しが描かれているから。東北大震災に遭われた人を救うために義援金や大量の物資を送っても、遺族の方々には何の慰めにもならない。彼らに必要なのは心の救済、すなわち癒しがいる。
予算を付けたらそれで助けた気分になっている馬鹿な政治家が多いが、カネ、自己顕示欲ばかり目がくらんでいる奴に彼らのダメージを負った心を救済することなんかできない。そんな奴と同等の人間が多く存在するから、本作のような癒しを与えてくれる映画を上映中止にしてしまう愚かな判断を下してしまう。
東北大震災から7年が経った。しかし、今も悲しみから抜け出せない人がたくさんいる。それなのに大震災を利用して金儲けを企み、自己アピールに利用したり、心無い奴がたくさん居ることもわかった。そして、この7年間で遺族の方々はどれだけ癒されたのか?本作を観た多くの人は考えるだろう。
唐突に起きる死を描きながら、実は生きることも描いている。そういう意味では毎年この時期が近づくと自信を持ってお勧めしたい映画。恋人に振られてずっと立ち直れない人にも本作ヒア アフターはお勧めであることを付け加えておこう。
監督は前述したクリント・イーストウッド。本作はマット・デイモンが出演していますが、同じく彼が出演している作品でインビクタス/負けざる者たちを今回はお勧め映画として挙げておこう。
しかし、本作が公開された時は80歳という年齢に達したクリント・イーストウッド監督だが、彼は明らかに進化し、まだまだ成長している。人間の生き様、死に様を描き切ったと思ったら、ついに人間の死後の世界にまで手を伸ばしてしまった。ちなみに俺は20歳になった時に、絶対に大人になりたくないと思ったら、本当に何も成長しないまま40歳半ばに到達してしまったのと、ドエライ違いだ
何だか日本においては死後の世界を真面目に語ろうとすると、あの丹波哲郎のイメージから馬鹿にされ、しかも死者と話のできる霊能者が登場する映画と聞けばコメディ?なんて質問されそう。しかし、本作における霊能者を演じるマット・デイモンを見れば、これこそ真っ当な霊能者の姿であると感じ、霊能者って絶対にこんな苦しみを抱えているはずだよねって思うはず。少なくともこの映画を観ている間は、霊能者を見ていてインチキに遭っている気分にはならないだろう。
映画の構成は、別々の3つのストーリーが最後は運命的に交錯する最近流行り?のパターン。だいたいこのような構成だと3つのストーリーの内、1つがボロボロの時が多い。結局、これなら上映時間を3分の2に削れば良かったのにとか、わざわざ3つに分けるから何が何だかさっぱり理解できないとか、文句が多くなりがち。
しかし、クリント・イーストウッド監督はそんな課題を楽々とクリアしてみせる。3つのストーリーはどれも内容が濃く、それぞれに衝撃的なシーンを用意し、そしてラストで大きな感動と希望の両方を観ている我々に与えてくれるのだ。
それでは死を描きながらも生きる希望が湧いてくるストーリーの紹介を。
フランス人の女性ジャーナリストであるマリー(セシル・ドゥ・フランス)は東南アジアで休暇中に津波に飲み込まれ臨死体験をする。あの時に見た光景は何だったのか、本業よりも臨死体験の出来事を追求するのに必死になってしまう。
サンフランシスコにおいて、本物の霊能者であるジョージ(マット・デイモン)は自分の才能に嫌気がさし真面目に工場勤務をしている。たまたま通っていた料理教室で美人なメラニー(ブライス・ダラス・ハワード)と出会い仲良くなるのだが、霊能者としての才能がそんな出会いをぶち壊してしまう。
ロンドンに住む少年マーカス(フランキー・マクラレン)は双子の兄ジェイソン(ジョージ・マクラレン)を突然の事故で亡くしてしまう。すっかり孤独に悩まされてしまい、何時まで経っても死んだ兄のことが忘れられないでいた。
全く関係のなかった3人だが、『死』というキーワードが彼らを結びつけてしまい・・・
さて、冒頭にも述べたが本当に上映中止にした判断は正しかったのだろうか?俺の答えはノー。なぜなら本作には癒しが描かれているから。東北大震災に遭われた人を救うために義援金や大量の物資を送っても、遺族の方々には何の慰めにもならない。彼らに必要なのは心の救済、すなわち癒しがいる。
予算を付けたらそれで助けた気分になっている馬鹿な政治家が多いが、カネ、自己顕示欲ばかり目がくらんでいる奴に彼らのダメージを負った心を救済することなんかできない。そんな奴と同等の人間が多く存在するから、本作のような癒しを与えてくれる映画を上映中止にしてしまう愚かな判断を下してしまう。
東北大震災から7年が経った。しかし、今も悲しみから抜け出せない人がたくさんいる。それなのに大震災を利用して金儲けを企み、自己アピールに利用したり、心無い奴がたくさん居ることもわかった。そして、この7年間で遺族の方々はどれだけ癒されたのか?本作を観た多くの人は考えるだろう。
唐突に起きる死を描きながら、実は生きることも描いている。そういう意味では毎年この時期が近づくと自信を持ってお勧めしたい映画。恋人に振られてずっと立ち直れない人にも本作ヒア アフターはお勧めであることを付け加えておこう。
ヒア アフター [DVD] | |
マット・デイモン,セシル・ドゥ・フラン,ブライス・ダラス・ハワード | |
ワーナー・ホーム・ビデオ |
ヒア アフター [Blu-ray] | |
クリント・イーストウッド,スティーブン・スピルバーグ,フランク・マーシャル,ティム・ムーア,ピーター・モーガン,ピーター・モーガン | |
ワーナー・ホーム・ビデオ |
監督は前述したクリント・イーストウッド。本作はマット・デイモンが出演していますが、同じく彼が出演している作品でインビクタス/負けざる者たちを今回はお勧め映画として挙げておこう。