褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 コールドマウンテン(2003) 南北戦争が題材です

2021年01月19日 | 映画(か行)
 アメリカでは大統領選挙が終わって結果が出ていながらも混乱続いている。トランプ派とバイデン派に分かれてアメリカ国民が分裂しているように見えるが、その様子はまるで150年以上前のアメリカの南北戦争さながら、というのは流石に言い過ぎか。さて、今回紹介するのは南北戦争を舞台にした大恋愛ドラマであるコールドマウンテン。戦争という異常事態の最中において、わずかな希望を愛に託する、そんな美男美女のカップルが出くわすエピソードの一つ一つに対して何かと考えさせられる。

 戦争によって引き裂かれた男女に襲い掛かる過酷な運命とは?それではストーリーの紹介を。
 南北戦争に南軍の兵士として参加していたインマン(ジュード・ロウ)は負傷しながらも、恋人のエイダ(ニコール・キッドマン)に再会するために、軍を脱走して故郷のコールドマウンテンへ向かう。その距離はざっと650キロ。ひたすら徒歩を繰り返し、飢え、寒さはもちろんのこと、時には南軍の兵士にも追いかけられながらもエイダの元へひたすら向かうのだが・・・

 戦争によって引き裂かれた恋人同士や家族が設定の映画なんかは多々あるが、本作のユニークなのはインマンとエイダはお互いに愛し合っているが、出征前にほんの少しだけキスをした程度ということ。それなのにインマンは脱走兵としての罪を被りながらも命を懸けてエイダに会いに行く。しかし、戦争という何が正義なのかわからず、本性を剥き出しにする鬼畜が襲い掛かってくるような時代だからこそ、この小さくとも一途な恋愛に感動する。
 インマンの逃亡劇を見ているだけでもスリル満点で飽きさせないのだが、実はインマンが生きていると信じて待ち続けるエイダのドラマも見所がたっぷりある。良いところのお嬢さん育ちであるエイダには戦時下を生きていく術を全く知らないでいるが、そんな彼女をレネー・セルヴィガー演じる男勝りのルビーがサバイバル術を教えていく過程が良い。戦争期間中においては美人であることなんかは全く役に立たないことを痛感させられるし、全編に渡って女性の逞しさが描かれているのも評価したいところだろう。
 本作を観て戦争の悲惨さだけを感じるのは非常に勿体ない。あの人は生き残り、なぜあの人は死んじゃったのだろうと振り返ると色々なことに気付く。俺自身は善き隣人愛を貫こうと心に決めた。恋愛映画が好きな人、脇役にも勿体ないぐらいの豪華キャストを配している映画が好きな人、大自然が映し出されるとわくわくする人、少しばかりヘビーな気分になる映画を観たい人等に今回は映画コールドマウンテンをお勧めに挙げておこう

 監督はアンソニー・ミンゲラ。けっこう若くして亡くなったのが本当に残念で、もっと多く作品を撮って欲しかったと思える監督。アカデミー賞にも輝イングリッシュ・ペイシエント、名作『太陽がいっぱい』のリメイクであるリプリー、そして悩める人たちを丁寧な描写で描いたこわれゆく世界の中でがお勧めです。

 
  

 

 
 
 
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