褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 マダムと泥棒(1955) 笑えるクライムサスペンス

2023年06月24日 | 映画(ま行)
 ハリウッド映画の泥棒映画を観ていると、驚くほどチームワークが悪かったり、なんでそいつを仲間に加えたんだ?なんて不思議に感じると同時に笑えたりすることもあったりする。そんな泥棒映画において、とにかく笑えるのが今回紹介する映画マダムと泥棒。古い映画ではあるが、本作はコーエン兄弟監督によってレディ・キラーズという邦題でリメイクされるほどの名作だ。
 本作が面白いのは、どう考えても犯罪計画が適当過ぎたり、映画史上において最悪のチームワークが見れたり等が挙げられるがそれ以上に犯罪集団とは真逆のタイプである『とにかく人が良過ぎて、お節介過ぎるおばあさん』の存在。この非常に場当たり的な登場人物の設定のおかげで愉快な犯罪映画を観ることができる。

 サスペンス感はユル~い気もするが、とにかく登場人物達が揃いも揃って大ボケをかましてくれるストーリーの紹介を。
 ロンドンのキングス・クロス駅の近くで、自分が住んでいる家を下宿屋として営んでいるウィルバーフォース婦人(ケイティ・ジョンソン)は大昔に主人を亡くして未亡人である。ある日のこと、彼女の元に部屋を音楽の練習を5人でするために二階の部屋を貸して欲しいとマーカス教授(アレック・ギネス)が訪れる。日頃、飼っているオウムしか喋り相手がいない彼女は少しは寂しさが紛れると思いマーカス教授達に部屋を貸す。早速、仲間を連れてやってきたマーカス教授たちだが、音楽の練習なんて言うのは嘘。彼らの目的は現金輸送車を襲うこと。マーカス教授は自分の計画を自画自賛して間違いなく成功すると確信していたのだが、人が良過ぎてお節介の度が過ぎるウィルバーフォース婦人に度々邪魔され、計画がはかどらない。少々苛立ってきた5人組だったが、マーカス教授はウィルバーフォース婦人も犯罪計画に彼女が知らないように巻き込もうと利用することを思い立つのだが・・・

 実はこの映画が面白くなってくるのが、大金を強奪してからの予想外の展開が起きてから。大金強奪するまでの展開はハッキリ言って単なる前振りに過ぎない。この5人組が泥棒だったことにウィルバーフォース婦人が気づいてから(もっと早く気づけよ!)が凄い展開。ネタバレは出来ないが、後半のイギリス流のブラックジョークを感じさせる怒涛の大ボケに、俺は笑ってはいけないシーンでも笑ってしまった。
 ストーリーもさることながら、セットとロケーションの融合が映像の見た目としては粗だらけだが、意外にこれが映画としては大活躍。この下宿屋の立地条件がどう考えても奇妙に思うのだが、これがクライマックスで活きてくるのには思わず唸らされた。それにしても頭にドッカンとくるような衝撃と相変わらずのウィルバーフォース婦人の天然ボケが最後の最後まで楽しませてくれた。
 コーエン兄弟のレディ・キラーを観た人も観てない人も楽しめるし、ゆる~いサスペンスが好きな人、少しぐらいは笑える映画が観たい人、俳優たちの演技によるアンザンブルを楽しみたい人等に今回はマダムと泥棒をお勧めに挙げておこう

 監督はアレクサンダー・マッケンドリック。本作のようなコメディ的な要素を全く感じられない社会派映画成功の甘き香りがお勧め




 
 
 
 

 

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