褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 めまい(1958) 途中までホラーかと思いましたが・・・ 

2023年06月30日 | 映画(ま行)
 最近は年齢のせいなのか立ち上がる時に、よくクラっとしてしまう。ア~めまいがすると思っていたのだが、どうやら立ち眩みと間違っていたらしい。さて、俺とは違ってめまいがして悩んでいる人は多いだろうな~と思わさせられた映画が今回紹介する映画めまい。本作の主人公の設定が高所恐怖症で、高い所から下を見てしまうと、眩暈(めまい)をおこしてしまう元刑事。本作の面白いところとして眩暈の表現の仕方が挙げられるだろう。冒頭のタイトルバックの眩暈を感じさせる描写が、実験的でいきなり惹きつけられる。他にも眩暈の表現方法が面白くて、この表現方法が後の映画にも多く使われているように後世に大きな影響を与えていることが本作を観ればよくわかる。

 さて、めまいというタイトルがあまりにもシンプル過ぎるが、ヒッチコック監督作品の中でも非常に実験精神が旺盛に感じさせるストーリーの紹介を。
 スコティ刑事(ジェームズ・スチュアート)は屋根の上を逃げる犯人を同僚の警察と一緒に追いかけていたのだが、犯人が楽々と飛び越えていく屋根から屋根をスコティはジャンプ力が足りずに、宙ぶらりんの状態になってしまう。その時に同僚の警察が犯人を追うのを止めて、スコティを助けようとするのだが誤って転落死。スコティは、そのショックから高所恐怖症による眩暈に襲われ、警察を辞職する。
 そんなスコティに昔の友人であるエルスター(トム・ヘルモア)から連絡がくる。彼の会社へ行って話を聞くと、「嫁さんのマデリン(キム・ノヴァク)の行動がどうも怪しい」とのこと。そして、マデリンの尾行をお願いされてしまう。
 スコティも刑事を辞めて時間を持て余していたので興味本位で驚くぐらい美人で眩しいぐらいの金髪であるマデリンの尾行を開始するのだが、とっくに亡くなっているカルロッタと書かれている墓標を訪れたり、美術館で一枚の絵をずっと観ていると思っていたら奇妙なことに絵のモデルが髪型から首飾りまでマデリンと同じ物をしていたり、他にも奇妙な行動を多く目にしていた。
 スコティは更に詳しくマデリンのことをエルスターから聞き出そうとすると、どうやら絵のモデルはカルロッタであり、しかも彼女はマデリンの祖祖母に当たる人物で自殺してしまったことを知らされる。しかもマデリンは時々気を失っては生前のことを語り出したり、死んでしまうのではないかと不安がったりで精神状態がオカシクなっており、彼女にカルロッタの霊が憑りついているのではないかとエルスターはマジで心配していた。
 更にスコティはマデリンの尾行を続けていると、海辺で彼女はしばらく立ち尽くしていたのだが、いきなり海に飛び込んで投身自殺を図ってしまう。その場に居たスコティはマデリンを助けて悩んだ挙句に自分の家へ連れて帰る。こうやってお互いのことを知っていく内に、2人の間には恋愛感情が芽生えるのだがスコティが更にマデリンの深層心理を探ろうとするのだが、そのことによってマデリンが教会の最上階から飛び降り自殺してしまうという最悪の結果を招いてしまい・・・

 いつもより長々と文章を書いた挙句に、ネタ晴らしまでしてしまったようなストーリー紹介になってしまったが、ここで映画が終わってしまうと悪霊に憑りつかれて自殺に導かれる単なるホラー映画になってしまう。しかし、この後からの展開が俺には結構ウケた。死んでしまった愛する女性が無くなったことに端を発するスコティのぶっ壊れぶりが凄い。ここのネタ晴らしは流石にこの映画の面白さを損ねてしまうので、映画を観て是非確認して欲しい。
 ストーリー紹介のところは、スコティが元刑事の割に尾行が下手過ぎたり、笑わしているのか怖がらせているのか反応に困るようなシーンが多く出てきたり、何だかテンポが俺には悪いように思えたりしたのだが、こんな落ちがじゃなくて、オチがつくとは俺の想像を超えた。
 不安を煽るような音楽や映像テクニックは非常に効果的だし、小道具の使い方の演出なんかはいかにも手馴れている感じをさせるあたりは、流石はヒッチコック監督だと思わせる。とにかく得体が不明のマデリンを演じるキム・ノヴァクがめちゃくちゃ綺麗。彼女の他の作品も何本か観ているが、本作の彼女はそれらとは別人か!?と思わせるぐらいの綺麗でミステリアス。ヒッチコック監督は女優を綺麗に撮ることに長けている。
 ヒッチコック作品の中でも本作は有名な方だが、なぜか本作を観ていない人、現実離れしたサスペンス映画を観たい人、細かい部分は気にならない人、少しばかり凝った作り込みがされた映画を観たい人、綺麗な女性を観たい人などに今回は映画めまいをお勧めに挙げておこう

 前述したように監督はサスペンスの神様と呼ばれたアルフレッド・ヒッチコック。今でもサスペンスタッチの映画は古今東西において多く撮られていますが、どれもヒッチコック監督の作品の影響を受けてしまっている感じがします。個人的に彼の好きな映画を3本だけ挙げると、北北西に進路を取れハリーの災難見知らぬ乗客、次点がバルカン超特急ってところです











 

  
 

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